今週の注目5社:Z世代向けメンタルヘルスアプリ / 次世代グリーン電力ソリューション / 警察官オペレーション効率化 / サプリメントレビューアプリ / 自律走行トラクター
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「Z世代向けメンタルヘルスアプリ」Manifest
カテゴリ:App/メンタルヘルス
ラウンド:Seed VC ($3.4M)
主な投資家:305 Ventures, Andreessen Horowitz, Florida Funders, HF0, Mack Ventures, Soma Capital, Stand Together Ventures Lab, Transpose Platform
Z世代向けのメンタルヘルスアプリ。
AIを活用し、Z世代向けにメンタルヘルスをサポートするセッションおよびセルフケアを促すアプリを開発するウェルビーイングスタートアップ。恋愛や友人関係、キャリアなどに悩み、孤独を感じる若者が自分の考えや不安な気持ちをアプリに打ち明けると、AIが共感し肯定的(ポジティブ)なメッセージを返してくれる仕組み。ユーザーは毎日数分使用するだけで、不安な心を落ち着かせることができるという。
2022年創業、本社はフロリダ州マイアミ。Andreessen Horowitz等から今回調達した$3.4Mは、サービスの拡大に活用する予定。
2.「次世代グリーン電力ソリューション」Equilibrium Energy
カテゴリ:SaaS/再生エネルギー
ラウンド:Series B ($39M)
主な投資家:DCVC, Breakthrough Energy, Valo Ventures
企業向けのグリーン電力供給プラットフォーム。
AIを活用した高度な分析および電力市場の動向をモデル化(予測)する技術を持ち、最適な時間・場所・価格で電力を売買するプラットフォームを開発するサスティナビリティスタートアップ。バッテリーエネルギー貯蔵施設のポートフォリオを拡大させることで電力を安定的に供給し、企業のクリーンエネルギーへの移行を加速させるという。ビルゲイツが脱炭素社会の実現を目指して設立した「Breakthrough Energy Ventures」も出資する注目スタートアップ。
2021年創業、本社はサンフランシスコ。DCVC等から今回調達した$39Mは、パートナーシップの拡大に活用する予定。
3.「警察官オペレーション効率化」ForceMetrics
カテゴリ:SaaS/Govtech
ラウンド:Series A ($22M)
主な投資家:Costanoa Ventures, Flybridge Capital Partners, Govtech Fund, Growth Warrior Capital, Hobson Lucas Family Foundation, Stand Together Ventures Lab
警察向けのオペレーション効率化プラットフォーム。
現場に急行する警察官が現地の状況をリアルタイムに把握し、適切な意思決定を下すサポートをするプラットフォーム。メンタルヘルスや認知症、薬物の使用有無、家庭内暴力などの事件・犯罪に関する重要な情報を第一応答者(ファーストレスポンダー)に提供することで、迅速な身元確認・逮捕につなげることが可能。元FBIの特別捜査官が創業したことでも注目されており、すでに11州30の警察署に導入されている。
2020年創業、本社はコロラド州デンバー。Costanoa Ventures等から今回調達した$22Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。
4.「サプリメントレビューアプリ」SuppCo
カテゴリ:App/ヘルスケア
ラウンド:Seed VC ($5.5M)
主な投資家:True Ventures, Union Square Ventures, BoxGroup, Compound
健康サプリメントのレビューアプリ。
含有する栄養素や価格、製造基準をはじめとする独自の品質評価に基づいて、適切なサプリメントを見つけるためのアプリを提供するヘルスケアテックスタートアップ。16万種類以上のサプリメントの中から、ユーザーの健康目標に合致した最適なサプリメントを検索可能という。また、服用スケジュールを設定したり、飲み忘れを防ぐためのリマインダー機能も提供する。
2024年創業、本社はニューヨーク。True Ventures等から今回調達した$5.5Mは、サービスの拡大に活用する予定。
5.「自律走行トラクター」Agtonomy
カテゴリ:SaaS/アグリテック
ラウンド:Series A-II ($10M)
主な投資家:Autotech Ventures, Allison Transmission, Black Forest Ventures, Cavallo Ventures, Flybridge Capital Partners, Rethink Food Capital, Toyota Ventures
農家や土地管理者向けの自律走行トラクタープラットフォーム。
AIを活用し、トラクターなどの農業機械の自律走行を可能にする「TeleFarmer」と呼ばれるプラットフォームを開発するアグリテックスタートアップ。専用のアプリを使うだけで農家はトラクターに畑の草刈りや農薬散布などの反復作業を割り当て、自動化することが可能。また、リアルタイムの進行状況を画像でモニタリングし、農業機械の状態や作業の進捗状況も把握できる。労働力不足に悩む農家のスマート農業化を推進する。
本社はサンフランシスコ。Autotech Ventures等から今回調達した$10Mは、チームの拡大に活用する予定。