今週の注目5社:地熱資源探査 / 自動運転鉄道車両 / AI会計業務自動化 / メタン抑制ワクチン / 次世代バッテリーリサイクル

May 22, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「地熱資源探査」Zanskar

カテゴリ:SaaS/エネルギー
ラウンド:Series B ($30M)
主な投資家:Obvious Ventures, Clearvision Ventures, First Star Ventures, Lowercarbon Capital, Munich Re Ventures, Safar Partners, Union Square Ventures

地熱資源の位置を予測するプラットフォーム。

機械学習を用いた独自のAIモデルおよび高度なセンシング技術を利用し、さまざまなデータを分析することで、地中に眠る熱源の最適な掘削位置を特定するプラットフォーム。人工衛星や地質調査、地殻変動などのデータを分析することで熱源の貯留層を掘り当てる確率を高めることができ、探査コストを削減可能という。すでに米国国防総省とも提携してプロジェクトを進めている。

2021年創業、本社はユタ州ソルトレイクシティ。Obvious Ventures等から今回調達した$30Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「自動運転鉄道車両」Intramotev

カテゴリ:HW/モビリティ
ラウンド:Seed VC-III ($6.25M)
主な投資家:Alpaca VC, Flybridge Capital Partners

自律走行するゼロエミッション電気鉄道車両。

バッテリーで駆動する自走式の電気鉄道車両を開発するモビリティテックスタートアップ。すでに鉱山の貨物列車に導入されており、今後は鉱山をはじめとするさまざまな採掘現場および貨物輸送業界における脱炭素化が期待されている。鉄道車両は遠隔制御できるだけでなく、ブレーキ時に発生するエネルギーからバッテリーを充電することも可能という。

2020年創業、本社はミズーリ州セントルイス。Alpaca VC等から今回調達した$6.25Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

3.「AI会計業務自動化」Numeric

カテゴリ:SaaS/金融
ラウンド:Seed VC ($10M)
主な投資家:8VC, Fifth Down Capital, Founders Fund, Friends & Family Capital, Long Journey Ventures, Menlo Ventures

AIを活用して会計業務を自動化するプラットフォーム。

取引明細の精査をはじめとする毎月の反復タスクを自動化するプラットフォームを開発するフィンテックスタートアップ。データの不一致を自動的に発見し、差異に関するレポートを作成したりと定期的な月末締めプロセスを自動化することで会計士がビジネスに関する最善の意思決定のために時間を効率的に活用できる。すでにPlaid、Brex、Wealthfront などの何百もの企業を顧客に持つ。

2020年創業、本社はサンフランシスコ。8VC等から今回調達した$10Mは、チームの拡大および新製品開発に活用する予定。

4.「メタン抑制ワクチン」ArkeaBio

カテゴリ:Biotechnology/アグテック
ラウンド:Series A ($26.5M)
主な投資家:Breakthrough Energy Ventures, AgriZeroNZ, Overview Capital, Rabo Investments, The 51 Food and AgTech Fund, The Grantham Foundation

反芻動物のメタン排出量を抑制するワクチン開発。

牛や羊、ヤギなどが排出するメタンガスを削減するワクチンを開発するバイオテックスタートアップ。家畜が排出するメタンの総量は世界の温室効果ガス排出量の6%を占めるとも言われ、気候変動の大きな要因の一つとなっている。ビルゲイツが脱炭素社会の実現を目指して設立したBreakthrough Energy Venturesや、地球環境保護を推進する団体を支援するGrantham財団も出資する注目スタートアップ。

2022年創業、本社はボストン。Breakthrough Energy Ventures等から今回調達した$26.5Mは、ワクチンの研究開発推進に活用する予定。

5.「次世代バッテリーリサイクル」Li Industries

カテゴリ:Service/クリーンテック
ラウンド:Series B ($36M)
主な投資家:Bosch Ventures, Khosla Ventures, LG Technology Ventures, Chevron Technology Ventures, Decarbonisation Ventures, Formosa Smart Energy

次世代のリチウムイオン電池リサイクル技術の開発。

特許取得済みのAIを活用したスマートソーティング技術で、電気自動車や家電製品などから様々なタイプのバッテリー(リチウムイオン電池)を識別・分類するクリーンテックスタートアップ。また、独自の「Direct E2E」と呼ばれるリサイクル技術を使用して、使用済みリチウムイオン電池から再利用可能な高純度の電池材料を回収・再利用する技術も持ち合わせている。

2017年創業、本社はノースカロライナ州パインビル。Bosch Ventures等から今回調達した$36Mは、リサイクル施設の拡充に活用する予定。

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