今週の注目5社:ブレインマシンインターフェース / 宇宙工場 / バッテリーリサイクル / ロボットカプセル / 弁護士ボット

August 9, 2021 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。

1.「ブレインマシンインターフェース」Neuralink

[HW/BMI] Neuralink
Series C ($205M) VY Capital, Google Ventures, Founders Fund, Valor Equity Partners, DFJ Growth Fund, Sam Altman, Ken Howery, Robert Nelsen, Fred Ehrsam, Gigafund, Craft Ventures, and Blake Byers

脳インプラントのブレインマシンインターフェースの開発。

脳に直接埋め込むことでスマホやパソコンなどのモバイルデバイスと通信できる高帯域幅の超小型チップを開発中。チップには神経信号を検出するための電極が多数あり、専用アプリと通信することでデジタルデバイスを制御できるという。最初の製品は「N1 Link」と呼ばれ、現在、四肢麻痺患者と共に製品化に向けて研究が進められている。TeslaやSpaceXのCEOでもあるイーロン・マスクが創業したことでも知られている。

2016年創業、本社はフリーモント。Google Ventures等から今回調達した$205Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「宇宙工場」Varda Space Industries

[HW/宇宙] Varda Space Industries
Series A ($42M) Khosla Ventures, Caffeinated Capital, Founders Fund, Lux Capital, and General Catalyst

無重力状態を利用した宇宙工場の建設。

バイオプリンティング技術を活用した臓器や光ファイバーケーブル、医薬品など、無重力状態が続く環境下を利用することで、地球上では製造が難しい高度な製品の製造を目指している。現在、衛星プラットフォーム、無重力状態での製造を担う工場プラットフォーム、製造した製品を地球に持ち帰る再突入プラットフォームと3つのモジュールから成る宇宙船を建設中という。早ければ2023年に最初の製造施設を宇宙空間に建設予定という。

2020年創業、本社はトーランス(カリフォルニア州)。Khosla Ventures等から今回調達した$42Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

3.「バッテリーリサイクル」Redwood Materials

[Service/サステナビリティ] Redwood Materials
Series C ($700M) T. Rowe Price, Goldman Sachs, Amazon, Capricorn Investment Group, Valor Equity Partners, Franklin Templeton, Fidelity Investments, CPP Investments, Emerson Collective, Baillie Gifford & Co., and Breakthrough Energy Ventures

車載電池用のリサイクル技術の開発。

廃棄後の電気自動車(EV)用電池や、携帯電話・パソコンなどのバッテリーからリチウムやコバルト、ニッケルなどの貴重な原料(資源)を回収し、処理後に再び原料として車載電池の製造に利用するリサイクルシステムを開発。すでにAmazonと提携を発表している。Teslaの共同創業者JB Straubelが創業したことでも知られている。資金調達後のバリュエーションは$3.7Bという。

2017年創業、本社はカーソンシティ(ネバダ州)。T. Rowe Price等から今回調達した$700Mは、製造設備に拡大および海外展開の加速に活用する予定。

4.「ロボットカプセル」Rani Therapeutics

[Biotechnology/ヘルスケア] Rani Therapeutics
IPO

皮下注射に代わるロボットカプセル技術の開発。

胃酸に耐性のあるコーティングで覆われた錠剤(カプセル)が小腸に入ると、コーティングが溶け、同時に注射可能なポリマーでできた極小の針によって直接投薬される自動注射カプセルの開発。金属やバネは含まれておらず、通常の消化過程で消化・排泄されるという。関節リウマチ、成長ホルモン欠乏症、骨粗鬆症、糖尿病など、皮下注射を必要とする慢性疾患治療での利用が期待されている。

2012年創業、本社はサンノゼ(カリフォルニア州)。今回ナスダックに上場した。

5.「弁護士ボット」DoNotPay

[App/リーガルテック] DoNotPay
Series B ($10M) Felicis Ventures, Lux Capital, DST Global, Andreessen Horowitz, Balaji Srinivasan, Day One Ventures, Tribe Capital, Daniel Dines, and Sam Bankman-Fried

法律書類を自動的に作成してくれるチャットボットアプリ。

ユーザーはチャットボットと会話するだけで嘆願書などの法的書類を自動的に作成してくれるサービス。駐車違反切符への不服申し立てや、銀行からの手数料の不正請求、サブスクリプションサービスのキャンセルなど様々な法的書類が作成可能。創業者のJoshua Browderは、Paypalなどの創業者として知られるPeter Thielによる若手起業家育成プログラム「Thiel Fellowship」にも選出されている。今回の資金調達によるバリュエーションは$210M。

2016年創業、本社はパロアルト(カリフォルニア州)。Andreessen Horowitz等から今回調達した$10Mは、サービスの拡大に活用する予定。

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