今週の注目5社:廃棄物リサイクル / FAマッチング / ウェルネスVR / デジタルティーチングアシスタント / 炭素回収デバイス

July 7, 2021 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「廃棄物リサイクル」Recycle Track Systems

[SaaS/サステナビリティ] Recycle Track Systems
Series C ($35M) Citi Ventures, Cue Ball Capital, Greenspring Associates, Edison Partners, and Gaingels

廃棄物の回収およびリサイクルサービス。

食料品店や病院などの企業から自治体まで、パーソナライズ可能な廃棄物回収・リサイクルサービスを提供するクリーンテックスタートアップ。アプリを通じて、廃棄物の回収を依頼すると24時間以内に手配されるオンデマンドサービスも提供。直近1年間で、住居向けのサービスは550%と急成長しており、全米で15万戸以上の住居と2,000社を超える企業にサービスを提供している。

2015年創業、本社はニューヨーク。Citi Ventures等から今回調達した$35Mは、材料マネジメントなどのサービス拡大に活用する予定。

2.「FAマッチング」SmartAsset

[Service/金融] SmartAsset
Series D ($110M) TTV Capital, North Bridge Venture Partners, Contour Venture Partners, Javelin Venture Partners, Citi Ventures, CMFG Ventures, and New York Life Ventures

ファイナンシャルアドバイザー(FA)を紹介するマッチングプラットフォーム。

ユーザーはいくつかの簡単な質問に答えるだけで数分以内に何千人ものアドバイザーの中からニーズに合った3人の候補者(ファイナンシャルアドバイザー)を紹介してくれる仕組み。また、退職や税金、住宅購入などの際に役立つ計算ツールやコンテンツも提供。毎月4500万人以上に利用され、直近1年間の売上高は$100Mを超えるという。調達後のバリュエーションは$1Bを超え、ユニコーン企業の仲間入り。

2012年創業、本社はニューヨーク。TTV Capital等から今回調達した$110Mは、製品開発およびチームの拡大に活用する予定。

3.「ウェルネスVR」Tripp

[App/ウェルネス] Tripp
Series B ($11M) Mayfield Fund, Vine Ventures, and Integrated

ストレスを軽減するウェルネスVRアプリ。

没入型のリラクゼーションエクササイズを開発。ユーザーはVRヘッドセットを通じて、ガイド付きの瞑想体験に加え、フラクタル図形や輝く惑星などを見ることで、日常から離れてリラックスすることができるという。最少8分でストレスを軽減でき、これまでに200万回以上のセッションが利用されている。OculusやPlayStation VRで利用でき、年間$14.99のサブスクリプションモデル。

2017年創業、本社はロサンゼルス。Mayfield Fund等から今回調達した$11Mは、サービスの拡大に活用する予定。

4.「デジタルティーチングアシスタント」Merlyn Mind

[HW/教育] Merlyn Mind
Seed VC ($29M) Learn Capital

幼稚園から高校の先生向けデジタルアシスタントツール。

Symphony Classroomと呼ばれるハードウェアとソフトウェアを組み合わせたAIプラットフォームを通じて、先生が授業中の様々な作業を音声やリモコンを通じて操作できるデジタルアシスタントツール。例えば、AmazonのAlexaのように「Hey Merlyn」と呼びかけるだけで、Googleの検索機能を利用したり、必要なプレゼン資料を投影したりできる。今回の調達でステルスモードを脱し、これまで20校以上の学校、50以上のクラスでパイロットを実施済み。

本社はニューヨーク。Learn Capital等から今回調達した$29Mは、サービスの拡大に活用する予定。

5.「炭素回収デバイス」Holy Grail

[HW/炭素回収] Holy Grail
Seed VC ($2.7M) Y Combinator, Kyle Vogt, Patrick Collison, Charlie Songhurst, Ian Hogarth, Starlight VC, Lowercarbon Capital, Goat Capital, Deep Science Ventures, and Oliver Cameron

空気中の二酸化炭素を直接回収するデバイスの開発。

「Scrubbers」と呼ばれるモジュール式のデバイスは、電子を利用することで空気中から二酸化炭素をそのまま回収することができるという。プロトタイプのため、最終製品のサイズやどのくらい稼働するかなど、規格の詳細は現時点では明らかにされていない。炭素回収の新たなアプローチとして注目されており、Stripe創業者のPatrick Collison、Cruise共同創業者のKyle Vogtなどが出資している。

本社はマウンテンビュー(カリフォルニア州)。Y Combinator等から今回調達した$2.7Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

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