今週の注目5社:バーチャルフードコート / 福利厚生フィットネス / クリエイター向けクレジットカード / 炭素回収セメント / 3Dモデル検索
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「バーチャルフードコート」Local Kitchens
[Service/フード] Local Kitchens
Series A ($25M) General Catalyst, Pear VC, Fifth Wall Ventures, Human Capital, and Penny Jar Capital
複数のローカルレストランを一ヶ所に集めたバーチャルフードコート。
Local Kitchensが運営する店舗に地元で人気のレストラン(8〜10店)を集結させることで、ユーザーはオンラインで様々なレストランの料理を組み合わせて一度にオーダーすることができる。テイクアウトだけでなくデリバリーも選択でき、店内で作りたての料理を提供。現在ベイエリアで4店舗を展開。NBAスターStephen CurryのPenny Jar Capitalも出資する注目スタートアップ。
DoorDashの元従業員が2020年に創業、本社はメンローパーク(カリフォルニア州)。General Catalyst等から今回調達した$25Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。
2.「福利厚生フィットネス」Gympass
[App/フィットネス] Gympass
Series E ($220M) SoftBank Group, General Atlantic, Kaszek Ventures, Valor Capital Group, and Moore Strategic Ventures
企業の従業員向けにフィットネスサービスを提供する福利厚生アプリ。
企業が従業員に福利厚生の一環として、フィットネスやマインドフルネスなどのウェルネスサービスを提供できるサービス。従業員はパーソナルトレーナーとの個別セッションやライブ配信されるオンラインクラスへの参加、メンタルヘルスアプリなど心身の健康を保つための幅広いサービスを利用できる。すでにアクセンチュア、ユニリーバ、KPMGなどの大手企業を顧客に持つ。今回の調達時のバリュエーションは$2.2B。
2012年創業、本社はニューヨーク。SoftBank Group等から今回調達した$220Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
3.「クリエイター向けクレジットカード」Karat
[Service/ファイナンス] Karat
Series A ($26M) Union Square Ventures, GGV Capital, and SignalFire
クリエイターに特化したコーポレートクレジットカード。
YouTuberやライブストリーマーなどのインフルエンサー(クリエイター)を対象としたコーポレートクレジットカードサービス。社会保障番号(SSN)やクレジットスコアなどの従来の審査項目ではなく、SNSのフォロワー数やエンゲージメント数、YouTubeの広告収入など、独自の基準で審査。クリエイターは支払いだけでなく、当カードを通じてローンを組むことも可能。
2020年創業、本社はロサンゼルス。Union Square Ventures等から今回調達した$26Mは、チームおよびサービスの拡大に活用する予定。
4.「炭素回収セメント」Fortera
[HW/セメント] Fortera
Series B ($30M) Khosla Ventures, and Temasek
低炭素の次世代セメント開発。
セメントを生成する過程で二酸化炭素を吸収する低炭素セメントの開発。石灰岩のみで作られる次世代セメントは、従来の生成過程で発生する二酸化炭素を60%削減できるだけでなく、二酸化炭素をセメントに埋め込むことでより効率的に製造できるという。また、コストも10%低く抑えることが可能。世界の二酸化炭素排出量の8%を占めるセメント・コンクリート業界での活用が期待されている。
2019年創業、本社はキャンベル(カリフォルニア州)。Khosla Ventures等から今回調達した$30Mは、グローバル展開および商業化の加速に活用する予定。
5.「3Dモデル検索」Physna
[SaaS/3Dモデル] Physna
Series B-II ($56M) Tiger Global Management, Google Ventures, and Sequoia Capital
3Dモデルの検索エンジン。
3DモデルのGoogleとも呼ばれ、独自の幾何学的ディープラーニング技術により3Dデータ(モデル)の検索エンジンを開発。ユーザーは3Dモデルを検索、保存、共有するだけでなく、3Dプリンティングのモデルなどのデータをスマートフォンのカメラを用いてARで見ることもできるという。現在、25万人の登録ユーザーを有し、250万を超える3Dモデルが登録されている。国防総省などすでに300以上の顧客を持つ。
2015年創業、本社はシンシナティ(オハイオ州)。Tiger Global Management等から今回調達した$56Mは、製品開発に活用する予定。
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