今週の注目5社:通訳付きビデオ会議 / 倉庫ロボット / ARディスプレイ / リモート採血キット / 医療費比較サービス
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「通訳付きビデオ会議」KUDO
[SaaS/会議] KUDO
Seed VC ($6M) Felicis Ventures
通訳付きのビデオ会議プラットフォーム。
オンライン会議にリアルタイムの通訳を提供してくれるビデオ会議SaaS。自社で通訳人材を抱え、顧客のニーズに合わせて通訳をアサインしてくれる。現在、32ヶ国語まで対応しており、多言語でのビデオ会議に利用されている。サブスクリプションモデル。ローンチは2018年だが、多言語でのウェビナー対応など、コロナ禍で需要は急拡大している模様。
2017年創業、本社はニューヨーク。Felicis Ventures等から今回調達した$6Mは、採用およびマーケティング費用に活用する予定。
2.「倉庫ロボット」Dexterity
[HW/ロボティクス] Dexterity
Series A ($56.2M) Kleiner Perkins Caufield & Byers, Lightspeed Venture Partners, Obvious Ventures, Presidio Ventures, StartX, B37 Ventures, Liquid 2 Ventures, Blackhorn Ventures, and Pacific West Bank
物流などの倉庫内作業を自動化してくれるロボット。
ピッキングに加え、商品の移動、ダンボールへのパッキングなど、倉庫作業を自動化してくれるフルスタックロボットシステム。99.5%の精度で200以上の異なる商品をピッキングでき、ビニール袋やガラス、生鮮食品、目立たない商品など、様々な小物も確実に選別できるという。すでに川崎重工やグローバル食品メーカーなどを顧客に持つ。直近ではコロナ禍の需要拡大により、50万ユニットの食品を選別、出荷した実績を持つ。
2017年創業、本社はレッドウッドシティ(カリフォルニア州)。KPCB等から今回調達した$56.2Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
3.「ARディスプレイ」CY Vision
[HW/ディスプレイ] CY Vision
Series A-II ($5M) Intel Capital, Revo Capital, Vestel Ventures, and KOC Holding
次世代自動車向けの3D/ARディスプレイ。
電気自動車、自動運転車などのフロントガラスに設置するホログラフィックHUD(ヘッズアップディスプレイ)。車両に搭載されているカメラ、GPS、LIDAR、およびスマートフォンなどと連携し、速度やナビなどの基本情報だけでなく、バーチャルアシスタントや運転中のアラートなども表示してくれる。また、悪天候時や日差しが明るい日中でもフルカラーで表示可能。
2016年創業、本社はサンノゼ(カリフォルニア州)。Intel Capital等から今回調達した$5Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
4.「リモート採血キット」Tasso
[HW/ヘルスケア] Tasso
Series A ($17M) Techstars Ventures, Merck Global Health Innovation Fund, Foresite Capital, Cedars-Sinai Medical Center, Vertical Venture Partners, and Hambrecht Ducera Growth Ventures
自宅で簡単に採血ができる検査キット。
ユーザーはデバイスを腕に付けてボタンを押すと、約5分程で毛細血管から必要な量の血液を採取してくれる。後は、採取した血液サンプルを専用パッケージで返送するだけ。乾燥血液用と液体血液用の2種類の採血キットを提供。疾病調査や病気の診断、慢性疾患のモニタリング、スポーツのドーピング検査などに活用可能という。Techstars出身のスタートアップ。コロナ禍で遠隔医療へのニーズがますます高まっている。
2012年創業、本社はシアトル。Merck Global Health Innovation Fund等から今回調達した$17Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
5.「医療費比較サービス」Sidecar Health
[Service/保険] Sidecar Health
Seed VC-II ($20M) GreatPoint Ventures, Comcast Ventures, Cathay Innovation, Morpheus Ventures, Kauffman Fellows, and Anne Wojciciki
医療費の価格比較および直接支払サービス。
医療費の透明性を担保する新しい健康保険サービス。専用アプリには、近隣の医師毎の医療費が表示されるため、価格を比較した上で、医師を選択・訪問できる。また、登録すると支給されるVisaデビットカードを通じて診療時に医師に直接支払う(仲介業者を省く)ため、医療費の自己負担額も削減できるという。2020年に入り会員数は3倍に急増。23andMeのCEOも出資している。
2018年創業、本社はエル・セグンド(カリフォルニア州)。Cathay Innovation等から今回調達した$20Mは、採用およびサービスエリアの拡大に活用する予定。
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