今週の注目5社:断食アプリ / eSportsトレーニング / 給与支払SaaS / APIマーケットプレイス / オンラインイベント

June 2, 2020 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「断食アプリ」Zero Fasting

[App/ヘルスケア] Zero Fasting
Series A ($8M) Greycroft, Trinity Ventures and True Ventures

健康増進のための断食アプリ。

目標時間の設定やタイマー機能だけでなく、初めての人にもわかりやすい様に、記事や動画などの専門家によるアドバイスコンテンツも豊富。Apple HealthやGoogle Fitと連動し、体重や安静時の心拍数、睡眠状況などもトラッキング可能。価格は月額$ 9.99または年額$ 49.99。2017年のローンチ以降、約1億回利用されている。また、コロナ禍でアクセスが伸びており、1日のダウンロード数は約25,000人という。ファウンダーのMike Maserはトレーニングアプリ「Fitstar」をFitbitに売却した経験を持つシリアルアントレプレナー。

2016年創業、本社はサンフランシスコ。Greycroft等から今回調達した$8Mは、ソーシャル機能の追加などサービスの拡大に活用する予定。

2.「eSportsトレーニング」Statespace

[SaaS/ゲーム] Statespace
Series A ($15M) Expa, FirstMark Capital, June Fund, Khosla Ventures and Lux Capital

認知科学とAIを活用したeSports向けのトレーニングプラットフォーム。

ガンシューティングゲームにおける反応時間など、プレーヤーのパフォーマンスを分析し、パーソナライズされたトレーニングプログラムを提供。2020年第3QにはAcademyもローンチ予定。現在の登録ユーザー数は200万人、月間アクティブユーザー数は50万人(2020年1月以降400%増)。認知科学を応用し、脳卒中向けのリハビリサポートなどデジタル治療分野への応用も想定している。

ニューヨーク大学の神経科学者が2017年に創業、本社はニューヨーク。Khosla Ventures等から今回調達した$15Mは、チームの拡大に活用する予定。

3.「給与支払SaaS」Deel

[SaaS/金融] Deel
Series A ($14M) Andreessen Horowitz

リモートワーカー向けの給与支払プラットフォーム。

世界中に分散するリモートワーカーにワンクリックで給与支払が完結するプラットフォーム。100を超える法律・会計の専門家ネットワークをもち、電子署名を利用した雇用契約から税務コンプライアンス、給与支払いまで一気通貫に提供。100以上の通貨、TranferWise, Paypalなど10以上の支払方法にも対応。価格は一人当たりに付き$35/月。すでに150ヵ国、400社以上の企業が利用しており、コロナ禍で今後も需要増が見込まれている。

2018年創業、本社はサンフランシスコ。Andreessen Horowitz等から今回調達した$14Mは、福利厚生など新サービスの開発に活用する予定。

4.「APIマーケットプレイス」RapidAPI

[SaaS/開発] RapidAPI
Series B-II ($25M) Andreessen Horowitz, DNS Capital, Green Bay Ventures, Grove Ventures and M12

開発者向けのAPI検索プラットフォーム。

開発者が自身のニーズにあったAPIを素早く見つけ出す(検索)ことができる。また、単一のSDK・APIを用いることで容易にテスト・接続することが可能。テキストメッセージや天気、スポーツ、ニュース、直近ではCOVID-19まで、2万種類以上のAPIをカバーする世界最大のAPIマーケットプレイス。すでに世界中の開発者100万人以上に利用されている。日本では、2018年より楽天と提携。

2015年創業、本社はサンフランシスコ。M12等から今回調達した$25Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

5.「オンラインイベント」Run the World

[SaaS/イベント] Run the World
Series A ($10.8M) Andreessen Horowitz, Dreamers Fund, Founders Fund, Kevin Hart and Tony Xu

オンラインイベントの開催に特化したプラットフォーム。

オンラインイベントの開催に必要な参加者の登録、ビデオ会議システム、質問などの双方向のやりとり、参加者同士のネットワーキング機能などを一気通貫で提供。特にソーシャル機能を重視し、「Cocktail Party」と呼ばれる参加者が1on1で5分間会話ができるネットワーキング機能なども備えている。Run the Worldはチケット収入の25%を徴収。コロナ禍で需要は急増し、2月のローンチ以降40ヶ国2000以上のイベントで利用されている。

2019年創業、本社はマウンテンビュー(カリフォルニア州)。Andreessen Horowitz等から今回調達した$10.8Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

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