今週の注目5社:デジタルホワイトボード / 医師版LinkedIn / ナレッジ検索 / リモート研修 / XRディスプレイ
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「デジタルホワイトボード」Miro
[SaaS/コラボレーション] Miro
Series B ($50M) Accel, ICONIQ Capital and Undisclosed Angel Investors
オンライン上のホワイトボードツール。
会議室でのアイデア出しやブレストをオンライン上で実現するホワイトボードプラットフォーム。ビデオ会議を行いながら、リアルタイムにポストイットを貼ったり、アイデアをマインドマップで整理したりできるコラボレーションツール。Google DriveやSlackなどの外部ツールとも連携可能。既にNetflix、Cisco、Salesforce、Upworkなど21,000社以上の顧客に持ち、500万以上のユーザーに利用されている。リモートワークで需要が急拡大。
2011年創業、本社はサンフランシスコ。ICONIQ Capital等から今回調達した$50Mは、チームの拡大に活用する予定。
2.「医師版LinkedIn」H1
[SaaS/ヘルスケア] H1
Series A ($12.9M) Baron Davis, ClearPoint Investment Partners, dRx Capital, Jeff Hammerbacher, Liquid 2 Ventures, Menlo Ventures, Underscore.VC and Y Combinator
医療業界向けのビジネスSNS。
70ヶ国、800万人以上の医療従事者(専門家)が登録するソーシャルネットワーキングサービス。16,000を超える医療機関や700の医学会に利用されている。また、1億6,000万件の論文や35万の臨床試験の情報なども共有されており、医師が専門分野を越えて交流したり、製薬会社が創薬や治療に関連する医師とつながることが可能。既に35社の製薬企業を顧客に持ち、売上高は数百万ドル(昨年対比350%成長)に達するという。2020年冬のY Combinator卒業スタートアップ。
2017年創業、本社はニューヨーク。Menlo Ventures等から今回調達した$12.9Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
3.「ナレッジ検索」Guru Technologies
[SaaS/ワークフロー] Guru Technologies
Series C ($30M) Accel, Emergence Capital Partners, FirstMark Capital, MSD Capital and Slack Fund
AIを活用したナレッジ検索プラットフォーム。
GoogleドキュメントやSlack内のスレッド、Dropboxなどのアプリ内に分散する情報・データを素早く検索可能。例えば、マーケティングや営業、カスタマーサポートなど、部門間を横断する場合でも最新の情報を共有したり、一カ所にまとめたりできる。Shopify, Spotify, Slack, Zoom, Glossier, GitHub, Noomなどを顧客に持つ。売上高は年々倍増しており、今年1月に無料版をローンチすると新規顧客は3ヶ月間で3倍に急上昇。
2013年創業、本社はフィラデルフィア。Accel等から今回調達した$30Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
4.「リモート研修」Hone
[SaaS/研修] Hone
Seed VC-II ($2.75M) Cowboy Ventures, Firework Ventures, Harrison Metal, NextGen Venture Partners, Reach Capital and Slack Fund
企業向けのオンライン研修プラットフォーム。
資格を有する専門家によるオンライン&ライブのインタラクティブな研修プログラムを提供。自宅からでも複数人が参加する研修を受講可能。1セッション60-90分程度のプログラムで、管理職向けリーダーシップ研修やコーチング、ダイバーシティ、チームビルティングなど数百のプログラムが用意されている。すでにGoFundMe, Rosetta Stone, Casperなどを顧客に持つ。コロナによるリモートワークで需要が高まっているという。
2018年創業、本社はサンフランシスコ。Slack Fund等から今回調達した$2.75Mは、チームの拡大に活用する予定。
5.「XRディスプレイ」DigiLens
[HW/XR] DigiLens
Convertible Note (NA) Samsung Ventures
XR(VR、AR、MRといった画像処理技術の総称)向けのウェーブガイドディスプレイの開発。
特許取得済みの光学プラットフォームとフォトポリマー技術を活用し、ホログラフィックウェーブガイドディスプレイを開発中。従来よりも小型で薄く、軽量なレンズで、主にヘッドアップディスプレイ(HUD)に活用されている。コンシューマー向けのARデバイスだけでなく、自動車や建築などの産業向けもターゲットに開発や生産を進めているという。Continentalなどと共同開発している。
2003年創業、本社はサニーベール(カリフォルニア州)。Samsung Ventures等から今回調達した資金は、引き続き開発費用に活用する予定。