今週の注目5社:AI防災 / オンデマンド部品 / AI名寄せ / 自動運転 / プライバシーブロックチェーン

July 23, 2018 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「AI防災」One Concern

[SaaS/リスクマネジメント] One Concern
Unattributed VC ($33.3M) New Enterprise Associates

震災や災害時の被害情報を提供する防災プラットフォーム。

建物の構造や材料、築年数をはじめとする様々な情報をAIが分析し、地震発生後15-20分で被害予測に関する情報を提供してくれる。政府や自治体はこれらの情報を活用し、優先的に救助が必要なエリアを特定したり、必要な人員・物資の調達など被災後の迅速な意思決定に役立てることができる。また、シミュレーションは、防災訓練の一貫としても活用可能。注目を集める防災テック企業。

2015年創業、本社はパロアルト。NEA等から今回調達した$33.3Mは、開発及び、サービスエリアの拡大に活用する予定。

2.「オンデマンド部品」Xometry

[Service/製造] Xometry
Series B ($25M) Almaz Capital Partners, BMW i Ventures, Foundry Group, GE Ventures, Highland Capital Partners and Maryland Venture Fund

「カスタム部品」向けのマーケットプレイス。

企業がカスタム部品のデザイン情報をアップロードすると、AIが自動的にサプライヤーをマッチングしてくれる。同時に、見積書とリードタイムも自動で作成してくれる。国内の2,300以上の工場やメーカーと提携している。BMWやGM、NASAなど自動車・医療機器・航空産業など、10,000以上の顧客を持つ。売上高は過去一年で倍増し、$40Mにのぼる。

2013年創業、本社はゲイザースバーグ(メリーランド州)。Foundry Group等から今回調達した$25Mは、買収及び、サービスの拡大に活用する予定。

3.「AI名寄せ」Tamr

[SaaS/データ] Tamr
Series D ($18M) Alumni Ventures Group, Fenox Venture Capital, Google Ventures, INTAGE Holdings, New Enterprise Associates, Samsung Ventures and SBI Investment

AIを活用した顧客データ統合プラットフォーム。

国や部門などをまたがり、企業内で分散された顧客・サプライヤーなどの情報を統合してくれるソリューション。本サービスにより、ビッグデータ分析をより効率的に行うことができる上、顧客満足度の向上や調達コストの削減にもつながる。ノバルティスやトムソン・ロイター、GE、Toyotaなどのグロバール企業を顧客に抱え、2年間のライセンス料は、30万ドルとのこと。

2013年創業、本社はケンブリッジ(マサチューセッツ州)。GV等から今回調達した$18Mは、セールス&マーケティングに活用する予定。

4.「自動運転」Pony.ai

[SaaS/自動車] Pony.ai
Series A-II ($102M) DCM Ventures, Delong Capital, Eight Roads Ventures, Green Pine Capital Partners, Redpoint Ventures China and Sequoia Capital China

自動運転システムを開発するスタートアップ。

創業から約1年半でレベル4の自動運転システムを構築し、現在急成長を遂げている注目企業。Baidu(百度)と Google両社で自動運転プロジェクトに携わったJames Pengが創業し、シリコンバレーと広州(中国)に拠点を持つ。既にカリフォルニアでの公道テストを成功させている。今月には、中国政府からも北京でのテストを承認されており、ユニコーン入りも近いと言われている。

2016年創業、本社はフリーモント(カリフォルニア)。Eight Roads Ventures等から今回調達した$102Mは、新たなパートナシップの構築及び、チームの拡大に活用する予定。

5.「プライバシーブロックチェーン」Oasis Labs

[SaaS/ブロックチェーン] Oasis Labs
Unattributed VC ($45M) Accel, Andreessen Horowitz, Binance, Data Collective, Electric Capital, Foundation Capital, MetaStable Capital, Pantera Capital and Polychain Capital

「プライバシーファースト」のクラウド型プラットフォーム。

ブロックチェーン上では難しかった「プライバシー・セキュリティ保護」を第一とした高性能クラウドコンピューティング。AWS(Amazon Web Services)に対抗するブロックチェーンプラットフォームの構築を目指している。Andreessen Horowitzが新たに設立した「仮想通貨ファンド」であるA16z crypto fundの第1号案件としても注目されている。

2018年創業、本社はバークレー。A16z crypto fund等から今回調達した$45Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

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