今週の注目5社:オンデマンドMBA / 社員モチベーションBot / 人工ミルク/ サプリ成分DB / 中古車マーケットプレイス
今週も一週間の資金調達のニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「オンデマンドMBA」HourlyNerd
[Marketplace/人材] HourlyNerd
Series C ($22M) Bob Doris, GE Ventures, General Catalyst Partners, Greylock Partners, Highland Capital Partners and Mark Cuban
MBAなどの「高度人材のオンデマンドプラットフォーム」。
市場調査、資金調達など様々な業務において必要となる高度人材を短い時間の単位で利用できるサービス。有名MBAの在校生、卒業生を中心に2.5万人のプロフェッショナルが登録している。対応可能な業務は、市場調査、競合調査、事業計画策定、マーケティング戦略策定、資金調達支援、企業評価など。フルタイム人材が必要のないスポットプロジェクトなどに対応している。
現在社員は65人。大企業向けにシフトしており、現在Fortune500企業の10%が利用しているという。プロジェクトの規模は100万円程度。
2.「社員モチベーションBot」Growbot
[Saas/Bot] Growbot
Seed VC ($1.7M) General Catalyst Partners, Inventus Capital Partners and XSeed Capital
Slack上での会話をベースにした「従業員フィードバックBot」。
いくつかのキーワード( Cheers, Kudosなど)に反応し、従業員同士のチームワークを活性化するメッセージを発する。サービス開始から約1年程度で、現在Starbucs、REIなど4,800を超える企業で活用されている。現在は無料バージョンのみで、課金バージョンは開発中。
今回、元Evernote CEOで、General CatalystのPhil Libinが相次いで出資したBot企業の一つとして注目された。
3.「人工ミルク」Ripple Foods
[Commerce/食品] Ripple Foods
Series B ($30M) Blueberry Ventures, Collaborative Fund, Google Ventures, Inventages Venture Capital
豆から作られた「代替ミルク」。
豆、ひまわりの種などの成分をベースにして作られた「牛乳風」飲料。米やアーモンドをベースにしたような味や風味を実現しつつ、高タンパク、高カルシウムを実現しているという。今年の4月から店頭に並び始め、今月から全米のスーパーに並ぶ。今後、ヨーグルト、チーズ、アイスなども展開していくという。
創業者はMITとStanfordの化学工学専攻出身の若者二人。今回のラウンドはGoogle Venturesがリードしている。現在社員は30人で、今年さらに40人採用するという。
4.「サプリ成分DB」Labdoor
[Content/ヘルス] Labdoor
Series A ($4.34M) Aberdare Ventures, Floodgate, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Mark Cuban and Mohr Davidow Ventures
サプリや栄養ドリンクなどの成分を独自調査をしたデータベース。
化学の学位を持つ24歳の若者が立ち上げた。医薬品とは異なり、安全や効き目に関してのデータが存在しないサプリは、ラベルの表示が70%以上正しくないという。そこで、自社のラボで調査を行い、詳細な分析データを無料で提供している。「90%のサプリは水銀、鉛などの不純物が含まれている」「5 Hour Energyという栄養ドリンクはRedBullの2.5倍のカフェインが含まれている(先日死亡事故が起きている)」などがわかっているという。
アプリ利用は無料。今後、データを薬品メーカーや小売などに販売していく予定。
5.「中古車マーケットプレイス」Vroom
[Marketplace/自動車] Vroom
Series D ($28.8M) Catterton Partners, General Catalyst Partners and New River Capital Partners
「自宅送料無料」の中古車マーケットプレイス。
多くのマーケットプレイスとは異なり、中古車を自社で買取り、メンテナンスまで行う。そして、購入者の自宅まで無料で届けるというサービス。中古車の取引に、UBERのような体験を持ち込む事を目指しているという。
今回、eBayとの提携を発表している。在庫を増やすため、eBayで販売ができなかった買い手に対して、現金買取、自宅引き取りのサービスを提供するという。