今週の注目5社: Bitcoin海外送金 / 処方箋薬デリバリー / スマートグラス / 患者情報共有 / コネクテッドアパレル [Scrum Funding News]
今週も、一週間の資金調達のニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
ダイジェスト動画はこちらからご覧ください。
1.「Bitcoinによる海外送金」Align Commerce
[Service/ファイナンス] Align Commerce
SeriesA ($12.5M) KPCB, Digital Currency Group and Recruit Strategic Partners
Bitcoinを活用した、中小企業向け海外送金プラットフォーム。
多くのBitcoinスタートアップのように「消費者をターゲット」にするのではなく、「中小企業の海外送金」にフォーカスしているのが特徴。支払い主は自国の通貨でAlignに支払いを行い、AlignがBitcoinに両替、送金を行う。受け取り側もその自国の通貨で受け取りを行う。利用者はBitcoinを意識することはないが、国をまたいでの送金にBitcoinが使われるため送金手数料を大幅に引き下げることができるという仕組み。2015年春にサービスを開始し、すでに60ヵ国に展開をしている。
本件は、有力VCであるKleiner PerkinsによるBitcoin関連の最初の投資であることからも注目されています。
2.「オンデマンド処方箋薬デリバリー」TinyRx
[Service/ヘルスケア] TinyRx
SeedVC ($5M) Eight Partners, Google Ventures, StartX
スマホ経由で処方箋薬を自宅まで安価に届けてくれるデリバリーサービス。
現在はSan Francisco近郊のみ限定だが、近隣の独立系の薬局と提携し、処方箋薬を2時間以内で自宅までデリバリーしてくれる。また、価格は薬局で購入するよりも安価に設定されている。
2016年には今回調達した資金を活用し、提供地域を拡大していくという。
3.「スマートグラスアプリ開発プラットフォーム」APX Labs
[Enterprise/ウェアラブル] APX Labs
SeriesB – II ($4M) GE Ventures, NEA, Salesforce Ventures
スマートグラス向けアプリケーション開発プラットフォーム Skylightを開発するスタートアップ。
エンタープライズ特化に戦略変更したGoogle Glass、Sonyその他さまざまなメーカーのスマートグラスに対応した開発プラットフォーム。
今回は、GEおよびSalesforceがラウンドに参加している。GEは顧客であり、今後共同で大規模な開発を行うという。Salesforceはフィールドワーカー向けのツールとしてスマートグラスをプッシュしていく考えだということ。それ以外にもFortune10企業の6社が顧客になっているということ。
4.「患者情報共有ネットワーク」PatientPing
[Service/ヘルスケア] PatientPing
SeriesA ($9.6M) F-Prime Capital, First Round Capital, Google Ventures and SV Angel
病院間での患者の診察情報の共有ネットワーク。
ネットワーク内の病院で自分の患者が診察や治療を受けると、リアルタイムに通知が受け取れる。また診察を受ける側の病院にも、過去の診察情報、アレルギー情報などが提供される。こうした情報を共有することで、シームレスに患者をケアできるネットワークを構築しようとしている。
現在は、Pennsylvania, Michigan, Connecticut, Massachusettsの4州で展開しているが、今回の調達資金を活用し全米に拡大していくということ。
5.「筋肉の動きを解析するコネクテッドアパレル」Athos Works
[HW/スポーツ] Athos Works
SeriesC ($35M) DCM Ventures, Felix Capital, Lightspeed Venture Partners, True Ventures
筋肉の詳細な動きをトラッキングし解析できるセンサーがついたスポーツ用アパレルメーカー。
半年前から製品を発売しており、上半身用($398)と下半身用($348)がある。これを装着してワークアウトを行うと、どの筋肉が使えているか使えていないかがアプリで確認でき、効果的なトレーニングが行える。
値段はやや高いため、現状はアスリートをターゲットとして効果的なトレーニングと怪我の防止を目的としている。NBAのGolden Gate Warriorsのオーナーなどが株主となっており、すでにプロのスポーツ選手による活用が始まっている。