今週の注目5社:宇宙データセンター / 子宮頸がん検査キット / 即時返金アプリ / 購買担当者向け口コミサイト / 自動運転軍用車
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「宇宙データセンター」Lumen Orbit
カテゴリ:HW/スペーステック
ラウンド:Seed VC-III ($14M)
主な投資家:NFX
宇宙データセンターの開発。
宇宙に分散型データセンターの構築を目指すスペーステックスタートアップ。宇宙にはデータセンターに必要な広大な土地があり、低温のためサーバー稼働時の冷却に大量の水を必要としないため、AI開発におけるエネルギー需要の急増への対応施策として期待されている。また、太陽光発電で24時間稼働させることができ、大規模な電力供給源となる。Y Combinatorが主催する2024年夏のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2024年創業、本社はワシントン州レドモンド。NFX等から今回調達した$14Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
2.「子宮頸がん検査キット」Teal Health
カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Seed VC-II ($10M)
主な投資家:Emerson Collective, Forerunner Ventures, LabCorp, Metrodora Ventures, Serena Ventures
子宮頸がんの自宅検査キット。
自宅にいながら子宮頸がん検査ができるキットを開発するフェムテックスタートアップ。「Teal Wand」と呼ばれる検査キットを活用して自己採取し、サンプルを郵送するだけ。検査結果はアプリで確認でき、必要に応じてクリニックなどが紹介される仕組み。子宮頸がんは、早期発見できれば治療が可能なため、症状がなくても定期的に検診を受けることが重要という。現在FDAの認可を申請中。
2018年創業、本社はサンフランシスコ。Emerson Collective等から今回調達した$10Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
3.「即時返金アプリ」Reshop
カテゴリ:App/リテール
ラウンド:Series A ($17M)
主な投資家:Matrix Partners, Sound Ventures, Touch Ventures, Woodson Capital Management
商品返品時に即時返金されるアプリ。
商品を返品する際にリアルタイムで返金が受けられるアプリを開発するリテールテックスタートアップ。返品時に「Reshop」を選択し、アプリ内で返金手続きを完了するだけで即座に払い戻しが受けられる仕組み。返金された金額は新たな商品の購入にすぐに利用できる。アプリ内で返品・返金状況も一ヶ所で簡単にトラッキング可能。「後払い決済サービス」Afterpayの共同創業者Anthony Eisen氏が新たにCEOに就任。
2023年創業、本社はニューヨーク。Matrix Partners等から今回調達した$17Mは、サービスの拡大に活用する予定。
4.「購買担当者向け口コミサイト」Alium
カテゴリ:SaaS/バイヤーインテリジェンス
ラウンド:Seed VC-II ($5M)
主な投資家:Greycroft, Primary Venture Partners
ソフトウェアの購買担当者向け口コミサイト。
企業の意思決定者がソフトウェアを購入する際の情報となるバイヤーインテリジェンスを提供するスタートアップ。WalmartやJetBlue、Nike、Best Buy、L’Orealをはじめとする500以上のブランドとネットワークを持ち、バイヤーへのインタビューを通じてユースケースなどを調査し、AIを活用した分析を元に購入時に必要となる情報を提供する。CB Insightsの共同創設者で元COOのJonathan Sherryが創業したことでも注目されている。今回の資金調達でステルスモードを脱却。
2020年創業、本社はニューヨーク。Greycroft等から今回調達した$5Mは、サービスの拡大に活用する予定。
5.「自動運転軍用車」Overland AI
カテゴリ:HW/防衛
ラウンド:Series A ($32M)
主な投資家:8VC, Ascend, Caprock, Osage University Partners, Overmatch Ventures, Point72 Ventures, Shasta Ventures
オフロードを自律走行する軍用車の開発。
ロボット工学とAIを駆使し、オフロード(未舗装)などの複雑かつ険しい地形でも自律走行する軍用車を開発するディフェンステックスタートアップ。雨、霧、雪、夜間などの環境下でも、周囲をリアルタイムかつ正確に認識して走行することが可能という。戦車や武器の輸送車両など、複数の軍用車を開発。すでに国防総省や陸軍と契約を締結し、実証実験を続けている。ワシントン大学からのスピンアウト。
2022年創業、本社はシアトル。8VC等から今回調達した$32Mは、新製品の開発に活用する予定。