今週の注目5社:非同期ビデオチャット / 人工母乳 / マイクロモビリティプラットフォーム / スポーツカードNFT / トラック積荷シェアリング
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。
1.「非同期ビデオチャット」Volley
[App/コミュニケーション] Volley
Seed VC ($5.5M) Peterson Ventures, Shasta Ventures, and Undisclosed Angel Investors
リモートチーム向けのビデオチャットアプリ。
ZoomやSlackなどを利用するリモートワーク中のチームのコミュニケーション促進を目的とした非同期のビデオメッセージングツール。ビデオチャットのため、声のトーンや表情、ボディーランゲージなども活用でき、メッセージに合致した文脈や感情などを伝えることが可能。音声の自動書き起こし機能もあり、テキストだけを読んだり、倍速で聞くなど、受け取り手の状況に合わせて利用できる。すでに数千ものチームに利用されている。
2020年創業、本社はレヒ(ユタ州)。Shasta Ventures等から今回調達した$5.5Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
2.「人工母乳」Biomilq
[Biotechnology/フェムテック] Biomilq
Series A ($21M) Alexandria Venture Investments, Blue Horizon, Breakthrough Energy Ventures, Digitalis Ventures, Gaingels, Green Generation Fund, Novo Holdings, and Spero Ventures
代替ミルク(人工母乳)の開発。
乳腺細胞を培養することで、タンパク質や炭水化物、脂肪酸など母乳と同等の栄養成分を含む人工母乳を体外で生成するフェムテックスタートアップ。従来の牛をベースにした乳児用の粉ミルクよりも乳児に必要な栄養素を提供することができ、炭素排出量も少なくなるという。今後数年での市販化を目指している。ビルゲイツのBreakthrough Energy Venturesも出資している。
2019年創業、本社はダーラム(ノースカロライナ州)。Novo Holdings等から今回調達した$21Mは、開発費用に活用する予定。
3.「マイクロモビリティプラットフォーム」Zoba
[SaaS/モビリティ] Zoba
Series A ($12M) CRV, and NTT Venture Capital
マイクロモビリティ企業向けのデータプラットフォーム。
電動スクーターなどのマイクロモビリティサービスを手掛ける企業の収益性を向上させるデータプラットフォーム。数理モデルを元に、天候やイベントなどの変動要因を分析し、需要予測を提供。企業はフリートの配置場所や価格を最適化することで乗車率を向上させ、運用コストを削減することが可能。すでにSpinなどを顧客に持ち、米国とヨーロッパの150都市、15万台以上の車両を管理しているという。
2017年創業、本社はボストン。CRV等から今回調達した$12Mは、海外展開の加速に活用する予定。
4.「スポーツカードNFT」Candy Digital
[Marketplace/NFT] Candy Digital
Series A ($100M) Chaos Ventures, Com2uS, Connect Ventures, Gaingels, Insight Partners, Peyton Manning, SoftBank Group, Undisclosed Angel Investors, and Will Ventures
デジタルスポーツグッズのマーケットプレイス。
公式にライセンスされたスポーツカードなどのデジタルグッズ(NFT)をファンやコレクターが購入・取引・共有できるマーケットプレイス。現在、MLBや大学スポーツと提携し、選手を表したNFTの発行および販売を行っている。今回の資金調達によるバリュエーションは$1.5Bと、ユニコーン企業の仲間入り。NFLで殿堂入りを果たしたペイトン・マニングなども出資者に名を連ねている。
2021年創業、本社はニューヨーク。Softbank等から今回調達した$100Mは、コンテンツ開発などサービスの拡大に活用する予定。
5.「トラック積荷シェアリング」Flock Freight
[SaaS/物流] Flock Freight
Series D ($215M) Eden Global Partners, GLP Capital Partners, Google Ventures, SignalFire, SoftBank Group, and Susquehanna Private Equity Investments
トラックの積荷を最適化(シェアリング)するプラットフォーム。
「FlockDirect」と呼ばれるソフトウェアは、独自のアルゴリズムを用いて同方向に運ぶ積荷を集約し、トラックの積荷スペースを共有することで、積載率の向上および輸送コストの削減を図ることができるプラットフォーム。また、二酸化炭素の排出量も最大40%削減することが可能という。今回の資金調達によるバリュエーションは$1Bを超え、ユニコーン企業の仲間入り。
2015年創業、本社はサンディエゴ。SoftBank等から今回調達した$215Mは、チームおよびサービスの拡大に活用する予定。
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