今週の注目5社:スマート養殖 / 認知機能改善 / パーソナライズギフト / 法人向けクレカ / データ可視化

June 25, 2019 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「スマート養殖」Aquabyte

[SaaS/水産] Aquabyte
Series A ($10M) Alaya Capital Partners, Alliance Venture, Costanoa Ventures, New Enterprise Associates, Struck Capital and Undisclosed Angel Investors

AIを活用したスマート養殖システム。

マシンラーニングとコンピュータービジョン技術を活用し、効率的に魚を養殖できるシステム。養殖場に設置した水中カメラで、魚の健康状態、サイズを分析。最適な量の餌を与えることで、養殖場の運用コストの削減、魚の死亡率の削減、および周辺の生態系への環境負荷を最小化できるという。これまでに、1ペタバイト以上の魚の画像を処理し、250万匹以上の魚をスキャンしている。

2017年創業、本社はサンフランシスコ。New Enterprise Associates等から今回調達した$10Mは、製品開発および、海外展開(スコットランド、カナダ、チリ)の加速に活用する予定。

2.「認知機能改善」Neurotrack Technologies

[Biotechnology/メディカル] Neurotrack Technologies
Series C ($21M) AME Cloud Ventures, Dai-ichi Life Insurance, Khosla Ventures, Rethink Impact, Sompo Holdings and Sozo Ventures

認知機能テスト、改善プログラムを提供。

アルツハイマー病などの患者や予備軍に対して、眼球の動きを測定することで認知機能を測定してくれる。継続的に測定することで、認識機能の低下をいち早く見つけることが可能。また、認知機能を改善するために「Memory Health Program」と呼ばれる「運動」「食事」「睡眠」「ストレス」「認知機能トレーニング」に関するデジタルプログラムを提供。日本でも第一生命・SOMPOが既に協業を開始している。

2012年創業、本社はレッドウッドシティ(カリフォルニア州)。Khosla Ventures等から今回調達した$21Mは、研究開発および、海外でのパートナーシップの拡大に活用する予定。

3.「パーソナライズギフト」Alyce

[Marketing/CRM] Alyce
Series A ($11.5M) Boston Seed Capital, General Catalyst, Golden Ventures, Manifest Investment Partners, Morningside Venture Partners and Victress Capital

顧客にパーソナライズしたギフトを送ることができるサービス。

セールスマンやマーケターが顧客や見込み客に対し、コーポレートギフトを簡易に送ることができる。受け手の好みを、Instagram, Twitter, Facebook, LinkedInなどの公開情報から分析し、最適なギフトを3万ものオプションの中から探し出してくれる。受け手は、そのまま受け取る、もしくは他商品への交換、チャリティへの寄付の3択から選択できる。Salesforceのプラットフォームからもギフトを送付可能。Lenovo, Marketoなどを顧客に持ち、毎月30%成長しているという。

2015年創業、本社はボストン。Manifest Investment Partners等から今回調達した$11.5Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

4.「法人向けクレカ」Brex

[Service/ファイナンス] Brex
Series C-II ($100M) DST Global, Greenoaks Capital Management, Institutional Venture Partners, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Ribbit Capital and Y Combinator

法人(スタートアップ)向けのクレジットカード。

スタートアップが調達した資金(口座残高)など、独自の審査基準に応じて限度額を設定。従来のように、創業者個人のクレジットヒストリーに基づく審査ではないため、スタートアップでも(保証人なしで)コーポレートクレジットを持つことができる。Expensifyなどの経費精算ソフトとも連携でき、スタートアップは経費精算にかかる時間も同時に削減可能。バリュエーションは$1.1B(昨年10月時点)から$2.6Bに急上昇。PayPal創業者のPeter ThielやMax Levchinも過去のラウンドに名を連ねており、注目の高さが伺える。

2017年創業、本社はサンフランシスコ。KPCB等から今回調達した$100Mは、リスクマネジメント用の資金として活用する予定。

5.「データ可視化」Tableau Software

[Enterprise/BI] Tableau Software
$15.7B by Salesforce

BI(ビジネスインテリジェンス)プラットフォーム。

プログラミングなどのスキルがなくても、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作だけでデータ分析ができる。グラフや地図などとの連携により、データを素早くかつ見やすく可視化してくれる。エクセル、SQLデータベース、Googleアナリティクスなど、多種多様なデータを取り込むことが可能。価格は、1ユーザーにつき$70/月。Charles Schwab, Verizon, Southwest, Netflixなど、世界中に8万6000以上の顧客を持つ。

2003年創業、本社はシアトル。今回Salesforceに$15.7Bで買収された。

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