今週の注目5社:犬DNA検査 / ピッキングロボ / Appleデバイス管理 / 倉庫ロボ / チャットAPI

April 22, 2019 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「犬DNA検査」Embark Veterinary

[Service/ペット] Embark Veterinary
Series A ($10M) F-Prime Capital, FJ Labs, Freestyle Capital, Slow Ventures and Third Kind Venture Capital

犬用のDNA検査キット。

自宅に郵送されるキット(綿棒)で犬の口内をこすって送り返すだけで、品種(250以上)や血統を知ることができる。加えて、緑内障や拡張型心筋症など、犬がかかりやすい170以上の遺伝性疾患の可能性を事前に把握することで早期の予防対策が可能。検査キットの価格は$199。 コーネル大学の獣医学部と提携し、遺伝性疾患研究のために犬のDNAデータベースを構築予定。

2015年創業、本社はボストン。Slow Ventures等から今回調達した$10Mは、DNAデータベースの構築に活用する予定。

2.「ピッキングロボ」Locus Robotics

[HW/ロボット] Locus Robotics
Series C ($26.2M) Advantage Capital, Great Hill Partners and Scale Venture Partners

倉庫用のピッキングロボット。

人間と協働可能な自動運転ロボットを開発。倉庫内で最も効率的な移動ルートを走行してくれるため、ピッキング作業の効率性が2-3倍向上するという。最大積載量は45kg、移動スピードは1.4m/秒、1回の充電で最大14時間走行できる。ロボットに備え付けのタッチパッドで簡単に操作でき、物流倉庫を大規模改修することなくオペレーションを自動化可能。

2014年創業、本社はウィルミントン(マサチューセッツ州)。Scale Venture Partners等から今回調達した$26.2Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

3.「Appleデバイス管理」Fleetsmith

[SaaS/デバイス管理] Fleetsmith
Series B ($30M) Harrison Metal, Menlo Ventures, Tiger Global Management and Upfront Ventures

Appleデバイスのクラウド管理サービス。

企業が従業員に配布するAppleデバイス(Mac / iPhone / iPad / Apple TV)のセットアップやセキュリティをクラウド上で自動管理できるサービス。Office 365やG Suiteも管理できる。顧客企業は、本プラットフォーム上で世界中にいる従業員にセキュリティアップデートを通知したり、必要に応じてアップデートを強制したりできる。価格は1デバイス毎に$8.25/月。Robinhoodなど顧客は1,500社以上という。

2016年創業、本社はサンフランシスコ。Menlo Ventures等から今回調達した$30Mは、ヨーロッパなどの海外展開に活用する予定。

4.「倉庫ロボ」CANVAS Technology

[HW/ロボット] CANVAS Technology
NA by Amazon

倉庫用の自動運転ロボット。

人間と協働可能な自動運転カートを開発。3Dイメージングを活用し、倉庫内の人や貨物を識別できる。自動運転で倉庫内の在庫や配送センターの商品などを輸送してくれる。Amazonは25の配送センターで10万ものロボットシステムが稼働していることを公表しており、今回の買収を通じて「Amazon Robotics」の機能を更に強化するという。

2015年創業、本社ボルダー(コロラド州)。今回Amazonに買収された(買収額は非公表)。

5.「チャットAPI」PubNub

[Enterprise/アプリ] PubNub
Series D ($23M) Cisco Investments, Ericsson Ventures, Hewlett Packard Enterprise, Relay Ventures, Sapphire Ventures, Scale Venture Partners and The Bosch Group

チャット機能を簡単に実装できるプラットフォーム。

IaaS(Infrastructure-as-a-service) Networkと呼ばれ、何千ものチャットアプリで毎月300億を超えるメッセージの配信を可能にしている。他にも、アプリやIoTデバイスへのリアルタイム通知機能や、マッピング機能などを兼ね備えている。現在、3.3億台を超えるデバイスで毎月平均2兆件のリアルタイム・トランザクションを実行しているという。Yelp、Adobe、Pelotonなど2,000社以上の顧客を持つ。

2010年創業、本社はサンフランシスコ。Hewlett Packard Enterprise等から今回調達した$23Mは、海外展開(新興国)の拡大に活用する予定。

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