今週の注目5社:遺伝子組み換え微生物 / パーソナルロボット / オンラインMD / フードスタンプアプリ / 詐欺検知

December 21, 2018 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「遺伝子組み換え微生物」Zymergen

[Biotechnology/製造] Zymergen
Series C ($400M) Data Collective, DFJ, Goldman Sachs, Hanwha Asset Management, Innovation Endeavors, SoftBank Group, True Ventures and Two Sigma Ventures

微生物の遺伝子を操作する技術を開発するバイオテック企業。

AI搭載ロボットを活用し、微生物の遺伝子を操作することで、樹脂やたんぱく質など、様々な高機能素材(新素材)を効率的に作り出すことができるという。顧客には、Fortune500の企業をはじめ、アメリカ国防総省の機関であるDARPAも含まれている。ノーベル物理学賞の受賞者で元エネルギー長官のスティーブン・チュー氏も取締役に名を連ね、今回ゴールドマンサックスなどが新たに出資 。

2013年創業、本社はエメリービル(カリフォルニア州)。SoftBank Group等から今回調達した$400Mは、プラットフォームの拡大に活用する予定。

2.「パーソナルロボット」Misty Robotics

[HW/ロボット] Misty Robotics
Series B ($11M) Foundry Group and Venrock

プログラミングでパーソナライズできる高性能ロボット。

高さ約35cm、重さ約2.7kgの「Misty II」と呼ばれる小型ロボットを開発中。マッピング用の高度な3Dセンサーや、顔や物体を認識するための4Kカメラ、障害物回避のために8つのセンサーなどを備えている。ディスプレイで感情も表現できるという。価格は、$3,200。BB-8やカーズなどの小型トイロボットで有名なSpheroからスピンアウトした企業としても注目されている。

2017年創業、本社はボルダー(コロラド州)。Foundry Group等から今回調達した$11Mは、引き続き開発費用に活用する予定。null

3.「オンラインMD」Faire

[Marketplace/卸売] Faire
Series C ($60M) DST Global, Forerunner Ventures, Founders Fund, Khosla Ventures, Lightspeed Venture Partners, Sequoia Capital and Y Combinator

小規模小売店向けの商品仕入れプラットフォーム。

AIと予測分析を駆使し、トップブランドをはじめとする厳選された売れ筋商品のみを取り扱う。小売店舗は、注文後7日以内にメーカーから直送された仕入商品の内、販売した分だけ支払い、60日以内に売れなかった商品は無料で返品できる仕組み。利用する小売店は1,5000店(前年比3,140%増)に増え、売上高は$100Mに達するという。バリュエーションは$535M。

元Squareの3名が2016年に創業、本社はサンフランシスコ。Sequoia Capital等から今回調達した$60Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

4.「フードスタンプアプリ」Propel

[App/フィンテック] Propel
Series A ($12.8M) Andreessen Horowitz, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Nyca Partners, Omidyar Network and Thirty Five Ventures

低所得者向けのフードスタンプ(食料費補助)アプリ。

アメリカ政府が行う低所得者向けの食料費補助サービスを効率的に利用できる無料アプリ。ユーザーは残高を即座に確認したり、フードスタンプ(クーポン)を使用可能な店舗を簡単に見つけることができる。また、購入履歴も追跡できたり、買い物リストを使って予算内に抑えたりとユーザーのフィナンシャルアドバイザー的な側面も持ち合わせている。

2014年創業、本社はブルックリン(ニューヨーク州)。Nyca Partners等から今回調達した$12.8Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

5.「詐欺検知」Inscribe

[SaaS/詐欺] Inscribe
Seed VC ($3M) Crosslink Capital, Friale Fund, Liquid 2 Ventures, Quiet Capital, SV Angel and Uncork Capital

書類の不正(詐欺)を検知するプラットフォーム。

自然言語処理とコンピュータビジョンを組み合わせることで、申請書類の不正(詐欺)を自動で検知してくれる。例えば、銀行の融資審査のために提出された給与明細・銀行預金残高証明書、納税申告書などの書類や、保険会社に提出された医療記録や損害評価などの不正検知に活用可能。現在の顧客はフィンテックのレンダーが中心だが、今後はUberやAirbnbなどのマーケットプレイスなどにも拡大予定という。

2017年創業、本社はマウンテンビュー(カリフォルニア州)。Crosslink Capital等から今回調達した$3Mは、採用及び拠点拡大に活用する予定。

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