今週の注目5社:ライドシェア広告 / Bank as a Service / AIカスタマーサポート / 次世代仮想通貨取引所 / オフィスケータリング
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「ライドシェア広告」Firefly
[Ad/モビリティ] Firefly
Seed VC ($21.5M) Chesterfield Investments, Cross Culture Ventures, Decent Capital, Industry Ventures, Muse Capital, NFX, Pelion Venture Partners
車の上部に設置する広告用のスマートスクリーン。
データ分析を駆使したターゲティングと「厳格な」広告ポリシー(ストリップクラブ、タバコ、大麻などの広告を受け付けない)が特徴。ライドシェアのドライバーが広告収入も得られるモデルで、平均$300/月の収入増が見込めるという。現在ベータテスト中だが、既に50以上の広告キャンペーンを実施し、サンフランシスコとロサンゼルスで数百台が走っている。ソフトバンクビジョンファンドManaging PartnerのJeffrey Housenboldも出資している。
2017年創業、本社はサンフランシスコ。NFX等から今回調達した$21.5Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
2.「Bank as a Service」Cross River Bank
[SaaS/金融] Cross River Bank
Unattributed VC ($100M) Andreessen Horowitz, Battery Ventures, CreditEase Fintech Investment Fund, Kohlberg Kravis Roberts & Co., LionTree Partners and Ribbit Capital
Fintechスタートアップ向けのバンキングプラットホーム。
“Banking as a Solution(BaaS)”として、融資・支払・リスク管理機能を含む独自の「銀行機能」をFintech企業に提供。ニュージャージー州公認の銀行でもある。オンラインショッピング時の「分割払い」サービスでユニコーン企業にもなったAffirmもCross River Bank経由で決済ソリューションを提供している。他にもBest Egg、Upstart、RocketLoans、CoinbaseやTransferWiseなどの名だたるFintech企業を顧客に持つ。
2008年創業、本社はフォートリー(ニュージャージー州)。KKR等から今回調達した$100Mは、引き続き製品開発及び、コンプライアンスインフラストラクチャの拡大に活用する予定。
3.「AIカスタマーサポート」Forethought
[SaaS/サポート] Forethought
Series A ($9M) K9 Ventures, Mathilde Collin, New Enterprise Associates, Village Global
AIを活用したカスタマーサポート。
顧客からの問い合わせを自動的に分類したり、質問の意図を理解し、類似する事例などをキーワードなしでも企業内のデータから検索してくれる。更に、検索結果を元にオペレーターに回答を提案してくれるため労働時間の短縮にも繋がる。現時点ではZendesk、Salesforce、Frontのカスタマーサポートで利用されているが、今後はカスタマーサポート以外の領域にも拡大予定。TechCrunch Disrupt SF 2018 Startup Battlefieldの優勝企業としても注目されている。
2017年創業、本社はサンフランシスコ。New Enterprise Associates等から今回調達した$9Mは、採用に活用する予定。
4.「次世代仮想通貨取引所」ErisX
[Service/仮想通貨] ErisX
Series A-II ($27.5M) Fidelity Investments and Nasdaq Ventures
仮想通貨の現物・先物取引所。
CFTC(アメリカ商品先物取引委員会)の承認を受けた、透明性・信頼性の高いデジタルアセットプラットフォームを目指している。Bitcoin (BTC)、Bitcoin Cash (BCH)、Ethereum (ETH)、Litecoin (LTC)を取り扱い、来年から取引を開始する予定。フィデリティなどの大手金融機関をはじめ、日本からはマネックスグループが出資している。
2018年創業、本社はシカゴ。Nasdaq Ventures等から今回調達した$27.5Mは、採用及び、開発費用に活用する予定。
5.「オフィスケータリング」Chewse
[Commerce/フード] Chewse
Series C ($19M) 500 Startups, Foundry Group and Gingerbread Capital
オフィス向けのケータリングサービス。
食事をただ配達するだけでなく、AIを活用し食事内容をパーソナライズしてくれる。大手のレストランと提携し、朝食・ランチ・軽食・ハッピーアワー・夕食など様々なラインナップを用意。価格は、税金・チップ・デリバリーフィー込みで、最低$225(一人当たり$15で15人)から。ロサンゼルスやベイエリアで既に数百の顧客を抱えているという。
2012年創業、本社はサンフランシスコ。Foundry Group等から今回調達した$19Mは、AIへの投資に活用する予定。