今週の注目5社:治験マッチング / 聴力疾患研究 / スポーツデータ分析 / バイト管理 / フランチャイズ管理
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「治験マッチング」Mendel.ai
[SaaS/ヘルスケア] Mendel.ai
Seed VC ($2M) BootstrapLabs, DCM Ventures and LaunchCapital
AIを活用したがん患者用治験マッチングサービス。
自然言語処理を活用することで膨大にある治験及び臨床研究に関する論文の内容を読み取り、患者の医療記録をもとに最適な治験の情報をオンライン上で提示してくれる。これまでの手法では関連しそうな治験が数百も見つかってしまい、様々な細かい条件の中から自分に最適なものを探すのはほぼ不可能に近かった。Mendal.aiでは、個人にあった治験を数分で見つけることができるという。医療記録は、患者自身あるいは、患者の許可を受けた医師がMendel.aiに登録する。
2016年創業、本社はサンフランシスコ。利用料は、99ドルで3カ月無制限に利用できる。
2.「聴力疾患研究」Decibel Therapeutics
[Service/ヘルスケア] Decibel Therapeutics
Series B (NA) Google Ventures
聴力疾患の治療を研究・開発する機関。
聴力疾患の患者は世界人口の5%、3億6000万人に上り、経済損失は$750Bと見られている。現在効果的な治療薬は存在しておらず、Decibel Therapeuticsは、聴力疾患の治療薬の先端の研究・開発を推進している。また、聴力疾患に関する先端の論文も多く出版している。
2015年創業、本社はマサチューセッツ。今回のラウンドではGoogle Venturesのみが出資し、同社のビッグデータ分析の専門性を聴力分野に活用し、画期的な解決法を模索する予定。
3.「スポーツデータ分析」Hudl
[SaaS/スポーツ] Hudl
Unattributed VC – II ($30M) Accel Partners, Jeff Raikes, Nelnet and Tricia Raike
スポーツの試合のビデオを分析・管理できるプラットフォーム。
撮影した試合のビデオをオンライン上でアップロードすると、選手ごとの得点やパスの回数等の試合の詳細な分析レポートが作成される。また、コーチは、ビデオ上の各選手の動きに対してコメントを記載することができるため、選手に対して改善点を明確に伝えることができる。現在、30以上のスポーツの15万チームにサービスを提供しており、今年は30万以上の試合を分析することになるという。
2006年創業、本社はネブラスカ。社員は14ヶ国で600人。今回Accel Partners等から調達した$30Mは、試合分析用のアナリストの増員(500人)、及びマシンラーニングの強化により分析レポート作成スピードの向上に活用する予定。
4.「バイト管理」OnboardIQ
[Service/人事] OnboardIQ
Series A ($9.1M) Crosslink Capital, Origin Ventures, SoftTech VC and Y Combinator
時間給労働者の採用業務プラットフォーム。
バックグランドチェック、雇用契約書へのサイン、面接スケジューリング等、時間給労働者の採用に関連する業務を簡素化してくれる。スマホ向けに設計されており、求職者とのやりとりもSMSで行われる。本サービスを利用することで、採用に要する時間をおよそ48%短縮をできるとのこと。現在、46ヵ国、700の都市でサービスが展開されており、これまでにOnboardIQを利用している会社が対応した求職者は、3百万人にものぼり、40万件の雇用実績がある。また、昨年は3倍の売上を達成した。
2014年創業、本社はサンフランシスコ。Origin Ventures等から今回調達した$9.1Mは、サービスの強化、及び顧客獲得のために活用する予定。
5.「フランチャイズ管理」The Better Software Company
[SaaS/SMB] The Better Software Company
Bridge (NA) ff Venture Capital and Mistral Venture Partners
フランチャイズ事業向けの総合管理システム。
フランチャイズ事業に必要な機能をオールインワンで提供しており、倉庫管理、セントラルレポーティング、顧客管理等の機能をもつ。本システムを活用することで、フランチャイザーは、フランチャイジーとのコミュニケーションも円滑にすることができ、どのフランチャイジーにサポートが必要かを把握することもできる。利用料金は、フランチャイジーの店舗の数に応じて決まる。現在、450以上の顧客を抱える。
2015年創業、本社はニューヨーク。