今週の注目5社:医療用AR / クレカ利用トラッキング / グループ動画チャット / ミーティング準備エージェント / スマート玩具

December 20, 2016 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「医療用AR」Augmedix

2016-12-2002

[Saas/医療] Augmedix
Series B ($23M) DCM Ventures, Emergence Capital Partners, McKesson Ventures, OrbiMed Advisors and Redmile Group

医療従事者向けの「ARカルテ」システム。

Googleグラスをベースにして、医者が患者と話をしながらEHRを見ることができるシステムを提供している。医者は必要な情報をグラス上で見ながら診察を行うことができ、カルテの入力もその場でできる。1日あたり3時間の時間節約が可能だといい、一人当たりの患者にかけられる時間が増える、カルテの入力時間を短縮できるなどの効果があるとしている。

2012年に設立。順調に成長を続けており、多くの医者、医療関係者に利用されている。Sutter Health、Diginity Healthなどの大手保険会社ともパートナーシップを結んでいる。社員は世界で約1,000名。

2.「クレカ利用トラッキング」Thanx

2016-12-2003

[Saas/CRM] Thanx
Series B ($17.1M) Icon Ventures, Javelin Venture Partners and Sequoia Capital

リアル店舗向けのロイヤリティプログラム。

消費者は、Thanxのアプリをダウンロードして、クレジットカード情報を登録する。Thanx参加店舗でそのクレジットカードを使って買い物をするたびに、自動的にポイントがたまるなどの特典が付与される。一方、参加店舗は、Thanxのオンラインダッシュボードにログインし、店舗に来店している顧客の属性を分析し、プッシュ通知やメールなどを使ったターゲットマーケティングが可能となる。

従来はビーコンなどを使ったソリューションが多かったが、クレジットカードと直接リンクしているところが大きな特徴。Mixt、Project Juiceなどが利用しているという。

3.「グループ動画チャット」Houseparty

2016-12-2004

[App/動画] Houseparty
Series C ($50M) Aleph, Comcast Ventures, Greylock Partners and Sequoia Capital

グループで同時に動画チャットができるアプリ。

今年に入ってからティーンエージャーで話題となっているグループ動画チャットアプリ。現在MAU200万を超えている。App StoreのSocial カテゴリーで5月に1位となり、現在無料カテゴリーで7位(Facebookより上)となっている。利用頻度も非常に高く、1日に平均5.5回利用されているという。

元は、SXSWで大ヒットとなった動画ライブ配信アプリ Meerkat。Meerkatは、その成長のエンジンであったTwitterが、競合サービスのPeriscopeを買収したため成長が止まってしまっていた。その技術的資産を活用してピボットしたのがHousepartyである。

4.「ミーティング準備エージェント」Accompany

2016-12-2005

[Saas/CRM] Accompany
Series C ($20M) CRV and Ignition Partners

ミーティングに必要な情報を自動で集めてくれるアプリ。

メール、カレンダー、Facebook、Twitterなどと接続し、これからミーティングで会う人、会社の必要な情報を自動的に収集、整理してくれる。今年8月にローンチ。創業者は元Google Analyticsのプロダクトヘッド。メールの履歴や以前の議事録なども整理されるという。

今回の資金調達で、利用するデータソースの拡張と人材採用を行うという。

5.「スマート玩具」Osmo

2016-12-2006

[Game/教育] Osmo
Series B ($24M) Accel Partners, Mattel, Sesame Ventures and Upfront Ventures

iPadと画像認識を利用した教育用アプリ。

iPadに表示されたパズルを実際のピースで作ると、iPadのカメラでそれを認識し、ユーザがいつ完了したかを把握する。パズル、ボードゲーム、ブロックなどがある。これまでに世界50カ国で販売され、すでに22,000の学校で導入されているという。

今回の資金調達で、玩具大手のMattelやSesame Streetのファンドなどから出資を受けている。今後、Tangram、Newtonなどの有名なゲームを取り込むという。将来的には、SesameやMattelとキャラクターを使ったコンテンツにも取り組むという。

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