今週の注目5社:オンライン保険 / CRM Bot / クラウドソースヘッジファンド / 韓国コスメ / 動画コミュニティ

December 23, 2016 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「オンライン保険」Hippo Insurance

2016-12-2304

[Service/保険] Hippo Insurance
Series A ($14M) GGV Capital, Horizons Ventures,  Matt Humphrey, Pipeline Capital Partners

オンラインで購入できる家財保険。

従来の家財保険は、書類がわかりにくく、保険の条項も古く、中間業者により大きな手数料が取られていた。カバーしている対象も、保険証券や毛皮など古い時代のアイテムが含まれている一方で、家電製品は$2,000までしかカバーされないという矛盾をはらんだ状況であった。Hippoは、現代の住宅オーナーにとって適切な、オンラインで購入でき、保証内容が明確で、安い保険を目指しているという。

2015年マウンテンビューで設立。すでにカリフォルニアでは認可が降りており、2017年前半でのローンチを目指している。社員は15人。

2.「CRM Bot」Tact

2016-12-2305

[Saas/CRM] Tact
Series B ($15M) Accel Partners, Microsoft Ventures, Redpoint Ventures and Upfront Ventures

音声やSMSを活用したCRMツール用インターフェース。

企業においてCRMは幅広く導入されているが、実際の利用率は20-30%程度と非常に低い。Tactは、CRMを簡単に利用するためのインターフェースを開発している。Salesforce、電話、メール、カレンダー、地図、LinkedInなどと連携しており、スマホで次のアポの近所のクラインアントを表示したり、Amazon Echoから声で人の情報を検索したり、アポイント状況をインタラクティブに更新したりといったことが可能となる。

2012年にSalesforceのOBが立ち上げた。GE、Kellyなど大手企業で採用されている。

3.「クラウドソースヘッジファンド」Numerai

2016-12-2303

[Service/ファイナンス] Numerai
Series A ($6M) First Round Capital and Union Square Ventures

クラウドソースしたアルゴリズムを元にしたヘッジファンド。

2015年設立。世界中から集めたAIのタレントが開発したアルゴリズムの組み合わせにより投資を行っている。現在、米国、ロシア、中国を中心とした7,500人のデータサイエンティストがNumeraiのプラットフォーム上で投資アルゴリズムを開発している。彼らは、無料で過去のデータセットをダウンロードし、ターゲット市場、セクターなどを決めて、独自のアルゴリズムを作ることができる。彼らはファンド自体には投資はしないが、TOP100に選ばれると年間6万ドルの報酬が支払われる。支払いは匿名性を担保するためBitcoinで支払われる。

現在ファンドサイズは$1M。現在はファウンダーの自己資金だが、将来的には幅広く資金調達を行う予定。詳細は公開されていないが運用は順調だという。今回の資金調達で、人員の増強とデータセットの強化に充てるという。

4.「韓国コスメ」Memebox

2016-12-2301

[Commerce/化粧品] Memebox
Series C – II ($60M) Altos Ventures, Cowboy Ventures, Formation Group, FundersClub, Goodwater Capital, Janet Gurwitch

韓国コスメのコマースサイト。

韓国製の化粧品を販売するEコマースサイト。当初は、サンプル化粧品を月額で販売するモデルからスタートしたが、その後一般的なEコマースへとピボットしている。 K-Pop、韓国ドラマの世界的なブームに乗り、韓国市場以外でも中国、米国を中心に成長している。外部のブランドの商品からスタートしたが、最近は売り上げデータをベースにした自社企画の製品の割合を増やしている。現在、4ブランド450アイテムで売り上げの過半を占めるようになっている。詳細なデータを元に商品企画をしているため、市場調査期間を大幅に短縮することができ、従来18ヶ月程度かかるといわれていた商品開発を数ヶ月で実現している。

2012年設立。売り上げはすでに$100Mを超えている。売り上げの88%はモバイル経由だという。

5.「動画コミュニティ」Vidme

2016-12-2302

[Content/動画] VidMe
Series A ($6M) First Round Capital, Lowercase Capital, Mucker Capital, New Enterprise Associates, SV Angel and Upfront Ventures

動画クリエーターコミュニティ。

動画のパブリッシングツールが提供されており、クリエイターが簡単に動画をアップロードできる。YouTubeと比較して、クリエイターとファンをつなぐことにフォーカスをしている。ゲーム、アニメ、映画、エンタメなどのカテゴリが用意されており、すでに100万人のクリエーターが登録している。18-30歳の若者を中心に2,500万人の月間ユニークユーザを抱えるという。

ファンは好きなクリエイターにチップを渡すことができる。VidMeはその5%を手数料として徴収している。今回の資金調達はコミュニティーの拡大とツールの拡張にあてるという。プログラマティック広告もテスト中。

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