今週の注目5社: ブロックチェーンプラットフォーム/ 簡易癌検査 / 自動運転ドローン / 研究器具マーケットプレイス / コラボレーティブ論文編集
シリコンバレーもようやく動き出してきましたので、今週からScrum Funding News再開します。
一週間の資金調達のニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「ブロックチェーンプラットフォーム」Gem
[Saas/金融] Gem
Series A ($7.1M) Digital Currency Group, Pelion Venture Partners and RRE Ventures
ブロックチェーンが容易に利用できるAPI。
当初は、Bitcoin向けのアプリケーションを強く意識していたが、現在はBitcoinに関わらずブロックチェーンを活用した様々な業界向けのアプリケーションを対象としている。
同様のブロックチェーンAPIを提供しているChainも、Nasdaq、VISA、Citiなどから$30MのSeriesBを調達している。
2.「簡易癌検査」Guardant Health
[SaaS/Healthcare] Guardant Health
Series D ($100M) Khosla Ventures, Lightspeed Venture Partners and Sequoia Capital
非常に簡易な血液検査で、癌の診察が可能な遺伝子解析サービス。
腫瘍細胞の組織検査は不要で、少量の血液のみで検査が可能。通常の遺伝子解析よりも、1,000-10,000倍精度の高い手法を開発している。
実際の腫瘍による生体検査と99.3%の適合率。すでに2,000の医師が活用しており、年間2万人の患者に利用されている。今後実際の解析を通して、膨大なデータがたまっていくことで、検査の精度もあがっていくという。
3.「自動運転ドローン」Skydio
[HW/ドローン] Skydio
Series A ($25M) Accel Partners, Andreessen Horowitz
障害物などを自動で回避する「自動運転」ドローン。
Googleで、配送用のドローン Project Wing を開発していたMITのPh.Dが立ち上げたスタートアップ。レーザーやRadarなどのセンサーではなく、より軽いセンサーを用い、Computer Visionなどのソフトウェアを中心に自動運転を実現してようとしている。
4.「研究器具マーケットプレイス」Quartzy
[SaaS/研究室] Quartzy
Series B ($17M) Eminence Capital, Khosla Ventures and Y Combinator
研究室にある器具の購入、利用などの管理を全て行えるSaas。
今でも紙やエクセルで行われていることが多い研究器具の管理をSaas化し、大手のベンダーとつなぎ購入も可能にしている。また入札方式を採用することで、研究室は器具の費用を抑えることができる。
現在は主に生命科学系の研究室で活用されており、Stanford大学はキャンパス全体で活用している。Stanfordは約$100Mの年間器具購入予算の15%が抑えられるとしている。
5.「コラボレーティブ論文編集」Authorea
[Service/論文] Authorea
Seed VC – II($1.03M) ff Venture Capital and Lux Capital
複数の人で連携をしながら論文を執筆できるコラボレーションツール。
式、図、テーブルなどの挿入、編集が容易な編集ツールであり、かつ、共同での編集、コメントなどのコラボレーション機能が充実している。
実際に、昨年大問題であったエボラ出血熱の問題に関して、Bostonの研究者が書いた論文がきっかけにAuthorea上で25人の研究者が共同して執筆にあたり、実際にCellという専門紙に掲載されるにまでなったという実例もある。