今週の注目5社:スマートリング / スポーツスケジュール最適化 / 代替タンパク質 / ブレインコンピューターインターフェース / 遺伝子検査
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「スマートリング」Sandbar

日本語読み:サンドバー
カテゴリ:HW/リング
ラウンド:Series A ($13M)
主な投資家:Betaworks, True Ventures, Upfront Ventures
AIを搭載したスマートリング。
「Stream Ring」と呼ばれ、リングに向かって話しかけるだけで思考やアイデアを瞬時に記録・テキスト化してくれるスマートリングを開発するスタートアップ。ふと思いついたアイデアや、やり残しのタスク、買い物リストなどを人混みの中でもささやくだけで記録することが可能。また、音楽機能も搭載されており、タップするだけで音楽の再生や一時停止、スワイプで音量調整もできるという。価格は249ドルから。2026年夏のローンチに向けて現在開発が進められている。
2023年創業、本社はニューヨーク。True Ventures等から今回調達した$13Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
2.「スポーツスケジュール最適化」Fastbreak

日本語読み:ファーストブレイク
カテゴリ:SaaS/スポーツ
ラウンド:Series A ($40M)
主な投資家:GTMFund, Greycroft, Larry Fitzgerald, Luke Kuechly, NBA Equity, National Hockey League
スポーツ業界向けのスケジュール最適化プラットフォーム。
AIを活用し、スポーツリーグのスケジューリングを最適化するプラットフォームを開発するスポーツテックスタートアップ。プロリーグや大学・アマチュアスポーツのスケジュールを公平かつ効率的にプランニングすることで移動距離や旅費を削減したり、適切なタイミングに試合時間を組むことで放映料及びチケット収入も最大化することが可能。移動時間が減ることでアスリートは休息に充てる時間を増やすことができ、怪我予防にも繋がるという。すでにNBA、NHL、MLSなど世界55以上のリーグに導入されている。
2022年創業、本社はノースカロライナ州シャーロット。GTMFund等から今回調達した$40Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
3.「代替タンパク質」The EVERY Company

日本語読み:ザエブリカンパニー
カテゴリ:Biotechnology/フード
ラウンド:Series D ($55M)
主な投資家:McWin Capital Partners, Bloom8, Grosvenor Food & AgTech, Main Sequence, Minerva Foods, New Agrarian, SOSV, TO VC
精密発酵技術を利用した代替タンパク質。
精密発酵技術を利用し、動物由来ではない良質な卵白タンパク質を開発するバイオテックスタートアップ。クッキーなどの焼き菓子やパスタ、プロテインバーなどに利用可能な「OvoPro」に加え、溶解性が高く、味や食感に影響を与えない「OvoBoost」を開発している。粉末状のため、常温保存が可能で物流コストも抑えることができるという。バイオテックに特化したアクセラレーター「IndieBio」出身の注目スタートアップ。
2014年創業、本社はカリフォルニア州デイリーシティ。SOSV等から今回調達した$55Mは、製造能力の拡大に活用する予定。
4.「ブレインコンピューターインターフェース」Synchron

日本語読み:シンクロン
カテゴリ:Biotechnology/BCI
ラウンド:Series D ($200M)
主な投資家:Double Point Ventures, ARCH Venture Partners, Bezos Expeditions, IQT, K5 Global Technology, Khosla Ventures, METIS Innovative, National Reconstruction Fund Corporation, Neuro Technology Investors, Protocol Labs Venture, Qatar Investment Authority, T.Rx Capital
ブレインコンピューターインターフェースの開発。
「Stentrode」と呼ばれ、血管内に電極を挿入する新たな手法で開頭手術を必要としない低侵襲ブレインコンピューターインターフェース(BCI)を開発している。血管内から脳活動を読み取ってデジタルコマンドに変換するよう設計されており、現在、Appleと提携して、麻痺患者が思考するだけでiPhoneをハンズフリーで操作できるようにする技術を共同開発している。すでに米国およびオーストラリアでの臨床試験において、10人の麻痺患者に導入されているという。
2016年創業、本社はニューヨーク。Double Point Ventures等から今回調達した$200Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
5.「遺伝子検査」BillionToOne

日本語読み:ビリオントゥーワン
カテゴリ:Biotechnology/DNA
ラウンド:IPO
遺伝子(分子)検査のプラットフォーム。
従来よりも1000倍詳細な分子レベルまで診断が可能な遺伝子検査プラットフォームを開発するバイオテックスタートアップ。「UNITY Complete」と呼ばれる非侵襲性出生前診断(NIPT)キットは、同社の分子カウント技術を利用することで、妊娠初期に母親の血液サンプルのみで、胎児の劣性遺伝疾患や先天性の染色体異常の両方の診断が可能。そのため、劣性疾患のリスクがある妊娠を妊娠早期に特定することができるという。
2016年創業、本社はカリフォルニア州メンローパーク。今回ナスダック市場に上場した。









