今週の注目5社:警備ロボット犬 / デジタル自販機 / 次世代検索エンジン最適化 / AI報酬・人員計画 / 高精度位置情報サービス
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「警備ロボット犬」Asylon
日本語読み:アシロン
カテゴリ:HW/ロボット
ラウンド:Series B ($24M)
主な投資家:Insight Partners, Allegion Ventures, GO PA Fund, Veteran Ventures Capital
警備用のドローンおよびロボット犬の開発。
警備業界向けにAIを搭載した自律型ドローンおよびセキュリティ番犬ロボットを開発するスタートアップ。ドローンによる空からの警備に加え、Boston Dynamicsのロボット犬「Spot」を独自に改良することで、固定カメラよりも広い範囲をカバーでき、現場の安全確保およびセキュリティオペレーションの自動化が可能という。防衛や施設警備をはじめ、これまでに25万件以上のロボット警備ミッションを完了している。
2015年創業、本社はペンシルベニア州フィラデルフィア。Insight Partners等から今回調達した$24Mは、製品開発およびチームの拡大に活用する予定。
2.「デジタル自販機」Courtyard
日本語読み:コートヤード
カテゴリ:Marketplace/コレクターズアイテム
ラウンド:Series A ($30M)
主な投資家:Forerunner Ventures, New Enterprise Associates, Y Combinator
コレクターズアイテム(収集品)が購入できるデジタル自販機。
トレーディングカードやコミックが入ったミステリーパックをオンラインで購入できるデジタル自販機。顧客はランダムに選ばれたサプライズアイテムを手に入れることができ、気に入らない場合は、市場価格の90%ですぐにCourtyardに売り戻すか、同社の手数料無料のマーケットプレイスに出品することが可能。手元に置きたい場合は、Courtyardに安全に保管してもらうか、リクエストに応じて郵送してくれる仕組み。Y Combinatorが主催する2022年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2021年創業、本社はサンフランシスコ。Forerunner Ventures等から今回調達した$30Mは、チームの拡大に活用する予定。
3.「次世代検索エンジン最適化」Scrunch AI
日本語読み:スクランチエーアイ
カテゴリ:Marketing/AI
ラウンド:Series A ($15M)
主な投資家:Decibel, Homebrew, Mayfield
AIO(AI検索最適化)プラットフォームの開発。
企業がAI検索における自社のプレゼンスを把握し、最適化できるようサポートするAIO(AI検索最適化)プラットフォームを開発するスタートアップ。消費者がキーワード検索からChatGPTをはじめとするAIとの会話に移行するにつれ、各AIエージェントが具体的にどのような情報を参照しているのかをダッシュボードで確認し、改善点を提案してくれるという。すでに500以上のブランドに導入され、AI検索における自社のプレゼンスをモニタリング、向上させているという。
2023年創業、本社はユタ州ソルトレイクシティ。Decibel等から今回調達した$15Mは、新製品開発に活用する予定。
4.「AI報酬・人員計画」CandorIQ
日本語読み:カンドールアイキュー
カテゴリ:SaaS/HR
ラウンド:Seed VC ($4.8M)
主な投資家:Array Ventures, Charles River Ventures, Switch VC, Y Combinator
AIを活用した報酬・人員計画プラットフォーム。
役職や職務レベルに応じた給与額の範囲設定をはじめとする報酬・人員計画に関するオペレーションを一元管理できるプラットフォームを開発するHRテックスタートアップ。給与水準のベンチマーク情報に加え、離職リスクの高い優秀な従業員の特定もしてくれる。また、採用期間を半分に短縮し、従業員の離職率を最大25%削減することが可能という。Y Combinatorが主催する2023年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2023年創業、本社はサンフランシスコ。Array Ventures等から今回調達した$4.8Mは、製品開発およびチームの拡大に活用する予定。
5.「高精度位置情報サービス」Swift Navigation
日本語読み:スウィフトナビゲーション
カテゴリ:SaaS/位置情報
ラウンド:Series E ($50M)
主な投資家:Crosslink Capital, AlTi Global, EPIQ Capital Group, Eclipse, EnerTech Capital, Essentia Venture Capital, First Round Capital, GRIDS Capital, New Enterprise Associates, Niterra Ventures, Potentum Partners, Shea Ventures, TELUS
センチ単位の正確な位置情報を提供するプラットフォーム。
「Skylark」と呼ばれる、センチメートル単位の測位精度を誇る高精度測位技術プラットフォームを開発するロケーションテックスタートアップ。GPSなどのGNSS(全球測位衛星システム)の誤差を補正する技術で位置情報の精度を100倍向上させることが可能。自動運転やラストマイル配送、マイクロモビリティ、産業機器・ロボットなどの制御に利用されており、現在、ADAS搭載車や自律走行車両など1,000万台以上のデバイスに導入されているという。
2012年創業、本社はサンフランシスコ。Crosslink Capital等から今回調達した$50Mは、引き続き開発費用に活用する予定。