今週の注目5社:大学生向けデビットカード / デジタル理学療法 / レーザー核融合 / 病原体検出AI / AIサイバーセキュリティ

June 18, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「大学生向けデビットカード」fizz

カテゴリ:Service/金融
ラウンド:Seed VC-II ($14.4M)
主な投資家:Kleiner Perkins Caufield & Byers, New Era Ventures, SV Angel, Y Combinator

Z世代の大学生向けに作られたデビットカード。

信用(クレジットスコア)を同時に構築できるデビットカードを提供するフィンテックスタートアップ。利用限度額を設定することで使い過ぎを防ぐ機能に加え、毎日の自動支払い機能も組み込まれている。また、利用額に応じてカフェやレストランなどで使用可能なリワードも得られる仕組み。ローンチ後の過去1年間で数万人のユーザーを獲得し、現在300校以上の大学生に利用されている。Y Combinatorが主催する2021年夏のバッチにも参加した注目スタートアップ。

2021年創業、本社はニューヨーク。KPCB等から今回調達した$14.4Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

2.「デジタル理学療法」Sword Health

カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Secondary Market ($130M)
主な投資家:Khosla Ventures

AIを活用したデジタル理学療法プログラム。

オンラインでの理学療法セッションを提供するウェルビーイングスタートアップ。セッション中にユーザーとの自然な会話を通じてフィードバックを提供したり、気分に応じてプログラムをカスタマイズしてくれるバーチャルセラピスト「Phoenix」を導入している。アプリを通じて24時間年中無休で専門医にチャットで相談することも可能。これまでに300万回以上のセッションを提供している。今回の資金調達によるバリュエーションは$3Bを超えるという。

2015年創業、本社はニューヨーク。Khosla Ventures等から今回調達した$130Mは、サービスの拡大に活用する予定。

3.「レーザー核融合」Xcimer Energy

カテゴリ:Others/エネルギー
ラウンド:Series A ($100M)
主な投資家:Hedosophia, Breakthrough Energy Ventures, Emerson Collective, Gigascale Capital, Lowercarbon Capital, Prelude Ventures, Starlight VC

レーザー駆動の核融合エネルギー技術の開発。

低コストでありながら高いエネルギー効率のレーザー駆動型核融合システムを開発するクリーンテックスタートアップ。炭素を排出することなく、経済的かつ安全なエネルギー(電力)供給を可能とするシステムの構築を目指している。ビルゲイツが脱炭素社会の実現を目指して設立した「Breakthrough Energy Ventures」も出資者に名を連ね、米エネルギー省(DOE)からも助成金を獲得している。

2022年創業、本社はコロラド州デンバー。Hedosophia等から今回調達した$100Mは、引き続きチームの拡大および開発費用に活用する予定。

4.「病原体検出AI」HyperSpectral

カテゴリ:SaaS/フード
ラウンド:Series A ($8.5M)
主な投資家:Kibo Ventures, RRE Ventures, Correlation Ventures, GC&H Investments

AIを活用して病原体を即座に検出する技術。

分光法およびAI、機械学習を組み合わせることで、特定の粒子を検出・識別する技術を開発するスタートアップ。「SpecAI」と呼ばれる同社のスキャン技術により、大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌などの危険な病原体をリアルタイムに検出することが可能という。農業および医療業界において、病原体や汚染物質などの目に見えない脅威から人々を守ることを目指している。

2022年創業、本社はバージニア州アレクサンドリア。RRE Ventures等から今回調達した$8.5Mは、引き続きチームの拡大および開発費用に活用する予定。

5.「AIサイバーセキュリティ」AirMDR

カテゴリ:SaaS/サイバーセキュリティ
ラウンド:Seed VC-II ($5M)
主な投資家:Foundation Capital, Storm Ventures

AIを活用したMDRプラットフォーム。

サイバー攻撃の予兆を特定したり、脅威への対処法を確立する一連のMDR(Managed Detection and Response)オペレーションを自動化するプラットフォーム。AIを搭載したバーチャルセキュリティアナリストはこれまで人間が実行していたタスクの80〜90%を自動化するだけでなく、人間が1時間以上かかる作業を5分以内に実行するという。手頃な価格で利用できるため、中小企業においても高品質なサイバーセキュリティ対策を導入可能。

2023年創業、本社はカリフォルニア州メンローパーク。Foundation Capital等から今回調達した$5Mは、製品開発に活用する予定。

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