今週の注目5社:自動運転軍用車 / 次世代風力発電 / 緊急対応ドローン / 音楽制作AI / 画像識別AI

June 6, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「自動運転軍用車」Overland AI

カテゴリ:HW/防衛
ラウンド:Seed VC ($10M)
主な投資家:Point72 Ventures, Ascend, Cubit Capital, Pioneer Square Labs Ventures, Shasta Ventures, Voyager Capital

オフロードを自律走行する軍用車の開発。

ロボット工学とAIを駆使し、オフロード(未舗装)などの複雑かつ険しい地形でも最高時速45マイルのスピードで自律走行する軍用車を開発するディフェンステックスタートアップ。雨、霧、雪、夜間などの環境下でも、周囲をリアルタイムかつ正確に認識して走行することが可能という。すでに国防総省や陸軍と契約を締結し、実証実験を続けている。ワシントン大学からのスピンアウト。

2022年創業、本社はシアトル。Point72 Ventures等から今回調達した$10Mは、引き続きチームの拡大および開発費用に活用する予定。

2.「次世代風力発電」Airloom Energy

カテゴリ:Others/エネルギー
ラウンド:Series A ($12M)
主な投資家:Breakthrough Energy Ventures

低コストかつ小型の次世代風力発電。

100メートル以上の高さの塔の上に巨大なタービンを設置する従来の方法ではなく、地上25メートルの高さに構築された楕円形の軌道に沿って走るケーブルに高さ10メートルのブレードを取り付けて周回させる仕組み。小型のためフレキシブルに建設できる上、従来の風力発電より50%以上安価に発電できるという。ビルゲイツが脱炭素社会の実現を目指して設立した「Breakthrough Energy Ventures」が出資する注目スタートアップ。

2014年創業、本社はワイオミング州ララミー。Breakthrough Energy Ventures等から今回調達した$12Mは、開発費用に活用する予定。

3.「緊急対応ドローン」Aerodome

カテゴリ:HW/ドローン
ラウンド:Series A ($21.5M)
主な投資家:CRV, Andreessen Horowitz, Ford Street Ventures, Immad Akhund, Karman Ventures

緊急時の初期対応ドローンの開発。

犯罪事件や交通事故、山火事、捜索などの緊急事態に初期対応者として派遣する緊急対応ドローンの開発。複数のステーションを配備し、完全に自動化されたリモートドローンシステムを24時間365日提供することで、巡回する警官や消防士、救急隊員が通報に応じる必要性を減らすことが可能。応答時間も大幅に短縮でき、911通報後、平均86秒で現場に到着できるという。

2023年創業、本社はロサンゼルス。CRV等から今回調達した$21.5Mは、サービスおよびチームの拡大に活用する予定。

4.「音楽制作AI」Suno

カテゴリ:SaaS/音楽
ラウンド:Series B ($125M)
主な投資家:Lightspeed Venture Partners, Daniel Gross, Founder Collective, Matrix Partners, Nat Friedman

生成AIを活用した楽曲制作プラットフォーム。

ユーザーは楽曲のジャンルや曲調、演奏する楽器などをプロンプトとして入力するだけで、完成度の高い楽曲を簡単に制作してくれるプラットフォーム。専門知識は不要で、歌詞を入力すればオリジナル楽曲も制作できる。ローンチから8ヶ月ですでに1000万人がSunoを利用して楽曲を制作しているという。今回の資金調達によるバリュエーションは5億ドル。

2022年創業、本社はマサチューセッツ州ケンブリッジ。Lightspeed Venture Partners等から今回調達した$125Mは、新機能の開発に活用する予定。

5.「画像識別AI」Coactive

カテゴリ:SaaS/データ
ラウンド:Series B ($30M)
主な投資家:Cherryrock Capital, Emerson Collective, Andreessen Horowitz, Bessemer Venture Partners, Exceptional Capital, Greycroft

画像や動画の正確な識別を可能にするプラットフォーム。

企業が保有する画像や動画などのデータを管理・分類し、効率的に利用できるようにするプラットフォームを開発するAIスタートアップ。検索に加え、ガイドラインに違反するコンテンツも正確に見つける(監視する)ことが可能。顧客数は数十社にのぼり、売上高は急拡大中。故スティーブ・ジョブズの妻が設立した「Emerson Collective」も出資している。今回の資金調達によるバリュエーションは2億ドル。

2021年創業、本社はカリフォルニア州サンノゼ。Andreessen Horowitz等から今回調達した$30Mは、サービスの拡大に活用する予定。

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