今週の注目5社：金融詐欺防止プラットフォーム / 映画制作舞台裏体験 / チップ冷却技術 / AI除草ロボット / 着せ替えメガネD2C
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「金融詐欺防止プラットフォーム」Carefull
カテゴリ：SaaS/フィンテック
ラウンド：Series A ($16.5M)
主な投資家：Fin Capital, Alloy Labs, Bessemer Venture Partners, Commerce Ventures, Montage Ventures, Northwestern Mutual, TTV Capital
AIを活用した金融詐欺防止プラットフォーム。
金融機関やウェルスアドバイザーが高齢の顧客とその家族をさまざまな金融詐欺から守るプラットフォームを開発するフィンテックスタートアップ。55歳以上の顧客アカウントをAIを活用して常時モニタリングし、異常な活動や不審なパターン、さらには身内による経済的搾取や認知機能の低下などの兆候を見逃さずに検知してメールで知らせてくれる。
2019年創業、本社はニューヨーク。Fin Capital等から今回調達した$16.5Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
2.「映画制作舞台裏体験」Kino Studio
カテゴリ：SaaS/エンターテインメント
ラウンド：Pre-Seed ($2M)
主な投資家：Blockchain Founders Fund, Genius Ventures, Metaweb Ventures, Pagoda, Sequoia Scout, Slow Ventures
映画制作の舞台裏を体験できるファンエンゲージメントプラットフォーム。
作品がスクリーンに公開される前からコミュニティ内の映画ファンと繋がり、興行収入以外の新たな収益源の確保を提供するプラットフォーム。アプリを通じてコアな映画ファンは、キャストやスタッフと関わる機会や制作の舞台裏を覗いたり、限定の映画グッズやレッドカーペットのチケットなどを購入できる。すでに毎月100万人以上の映画ファンを魅了しているという。
2022年創業、本社はロサンゼルス。Blockchain Founders Fund等から今回調達した$2Mは、サービスの拡大に活用する予定。
3.「チップ冷却技術」JetCool
カテゴリ：HW/チップ冷却
ラウンド：Series A ($17M)
主な投資家：Robert Bosch Venture Capital, In-Q-Tel, Raptor Group, Schooner Capital
チップを直接液体で冷却する技術の開発。
「SmartPlate System」と呼ばれる、データセンター向けの次世代液体冷却技術を開発するスタートアップ。DX（デジタルトランスフォーメーション）や生成AIにより、高性能サーバーを利用するデータセンターの冷却技術への需要が高まっている。JetCoolが提供する特許取得済みの冷却技術はデータセンターの設備変更なしで導入でき、すでにDellやDuPontなどと提携している。マサチューセッツ工科大学（MIT）からのスピンオフ。
2019年創業、本社はマサチューセッツ州リトルトン。Robert Bosch Venture Capital等から今回調達した$17Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
4.「AI除草ロボット」Aigen
カテゴリ：HW/アグリテック
ラウンド：Series A ($12M)
主な投資家：New Enterprise Associates, ReGen Ventures
畑の除草作業を自動化するロボット。
「Aigen Element」と呼ばれる自動除草ロボットを開発するアグリテックスタートアップ。時速約2マイルで走行しながら高度なコンピュータービジョン技術を利用して雑草を識別し、備え付けの2つのロボットアームで駆除してくれる。太陽光パネルが装備され、100%再生可能エネルギーで最大14時間連続して稼働できるという。炭素排出量に加え、除草剤の使用も大幅に減らすことが可能。
2020年創業、本社はワシントン州カークランド。New Enterprise Associates等から今回調達した$12Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
5.「着せ替えメガネD2C」Pair Eyewear
カテゴリ：Commerce/ファッション
ラウンド：Series C ($75M)
主な投資家：Prysm Capital, New Enterprise Associates (NEA), Javelin Venture Partners, Christian McCaffrey
着せ替えできるファッショナブルなメガネのオンライン販売。
度付きレンズを含むベースフレームとマグネットで取り替え可能なトップフレームからなる2ピースに分割されたメガネで、好みや気分に合わせて毎日カスタマイズが可能。新しいコレクションは月に3回発売されるため、交換して日々のスタイルを楽しむことができる。透明なベースフレームの価格が$60、トップフレームが$25〜。2023年の売上高は前年対比2倍と急成長を遂げており、売上高の25%はTikTok経由という。
2017年創業、本社はニューヨーク。Prysm Capital等から今回調達した$75Mは、製造ラインの拡大に活用する予定。
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