今週の注目5社:グリーンスチール / 自動運転トラック / 精密農業 / カーボンネガティブジェット燃料 / DAC技術

September 20, 2023 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「グリーンスチール」Boston Metal

カテゴリ:Service/鉄鋼
ラウンド:Series C-II ($262M)
主な投資家:Aramco Ventures, BHP Ventures, Baillie Gifford & Co., Breakthrough Energy Ventures, Goehring & Rozencwajg Associates, M&G Investments, Microsoft Climate Innovation Fund, Prelude Ventures

エミッションフリーの鉄鋼生産技術。

特許取得済みの「溶融酸化物電解(MOE)」技術により、エミッションフリーの鉄鋼生産プロセスの確立を目指すスタートアップ。原料を燃焼させずに電気分解を利用することで、より効率的かつ低コスト、持続可能なアプローチでさまざまな鉄鉱石から炭素を排出することなく鉄鋼を生産できるという。Bill Gatesが出資するBreakthrough Energy VenturesやMicrosoftのClimate Innovation Fundも出資する注目スタートアップ。

2012年創業、本社はマサチューセッツ州ボストン。Aramco Ventures等から今回調達した$262Mは、海外展開の加速に活用する予定。

2.「自動運転トラック」Stack

カテゴリ:HW/モビリティ
ラウンド:Series A ($1,000M)
主な投資家:SoftBank

自動運転トラックの開発。

AIを搭載した自動運転トラックを開発するモビリティスタートアップ。長距離トラック輸送の自動化を目指してすでに150人を雇用し、テスト車両を走行させているという。SoftBankグループの大型出資に加え、FordやVolkswagenから出資を受け、自動運転技術を開発中だったArgo Ai(昨年閉鎖)の創業者らが新たに立ち上げたことでも注目されている。

2023年創業、本社はペンシルバニア州ピッツバーグ。SoftBank等から今回調達した$1000Mは、製品開発に活用する予定。

3.「精密農業」Ceres Imaging

カテゴリ:SaaS/アグリテック
ラウンド:Unattributed VC ($25M)
主な投資家:Insight Partners, Remus Capital

農家向けの画像データ分析プラットフォーム。

航空画像とデータ分析を駆使し、精密農業をサポートするアグリテックスタートアップ。空撮した農作物の色や温度情報、赤外線画像などをAIで分析し、作物のストレス状態の定量化や、水やりの量が適切かどうかといったアドバイスを提供してくれる。当プラットフォームを利用することで、作物の健康上の問題が人間の目に見える2〜3週間前に介入できるという。

2014年創業、本社はカリフォルニア州オークランド。Insight Partners等から今回調達した$25Mは、サービスの拡大に活用する予定。

4.「カーボンネガティブジェット燃料」Lydian

カテゴリ:HW/サスティナビリティ
ラウンド:Seed VC-II ($12M)
主な投資家:Congruent Ventures, Galvanize Climate Solutions, Grok Ventures, Overlap Holdings, Overture VC, Union Square Ventures, Voyager Ventures

二酸化炭素を利用したジェット燃料および化学品の製造。

石油などの化石燃料の代わりに、二酸化炭素と水から製造する合成燃料(e-fuel)、プラスチック、その他の代替化学物質を製造する気候テックスタートアップ。現在、自社の研究所で少量のe-fuelを生産しており、今後は年間5,000ガロン以上のSAF(Sustainable Aviation Fuel)を生産できるパイロットプラントの建設を進めるという。

2021年創業、本社はマサチューセッツ州ケンブリッジ。Congruent Ventures等から今回調達した$12Mは、プラント建設に活用する予定。

5.「DAC技術」Spiritus

カテゴリ:HW/サスティナビリティ
ラウンド:Seed VC ($11M)
主な投資家:Khosla Ventures, Page One Ventures

DAC技術の開発。

Direct-Air-Capture(DAC)技術を開発する気候テックスタートアップ。エネルギーを要するファンを必要とせず、受動的な空気接触を利用して二酸化炭素を吸着させることで除去する仕組み。より速く、コストの低い独自の吸着剤を利用することで、1トン当たりの除去コストは100ドル以下となり、大幅なコスト削減が実現できるという。今回の資金調達によりステルスモードを脱却。

2021年創業、本社はニューメキシコ州ロスアラモス。Khosla Ventures等から今回調達した$11Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

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