今週の注目5社:バーチャルメンタルヘルスケア / 低額クレジットカード / 脳疾患精密医療 / ポートフォリオ管理SaaS / 自動運転フォークリフト
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「バーチャルメンタルヘルスケア」Brave Health
[Service/ヘルスケア] Brave Health
Series C ($40M) City Light Capital, Town Hall Ventures, Undisclosed Investors, and Union Square Ventures
遠隔医療を利用したメンタルヘルスケアサービス。
メディケイド(低所得者向けの医療保険)を対象とし、高品質で手頃な価格のバーチャルメンタルヘルスケアサービスを提供するヘルスケアスタートアップ。患者は、セラピスト・精神科医をはじめとするケアチームと共に治療計画を立て、密に連携しながら治療目標を達成する仕組み。現在18の州でサービスを提供し、6500万人以上の生活をカバーしているという。
2017年創業、本社はマイアミ。Union Square Ventures等から今回調達した$40Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。
2.「低額クレジットカード」Arro
[Service/フィンテック] Arro
Seed VC ($10M) BAM Ventures, Bling Capital, Crosslink Capital, Global Founders Capital, Undisclosed Investors, and Western Technology Investment
低額のクレジットカードサービス。
クレジットヒストリーがない、またはクレジットスコアが低い人でも収入などの他のデータを元に$50〜$200までの与信が数分で受けられるクレジットカードを提供するフィンテックスタートアップ。アプリ内で提供されるゲーミフィケーションを利用したアクティビティ(支出計画や貯蓄目標など)に参加することで、金融リテラシーを同時に向上させることも可能。
本社はロサンゼルス。Crosslink Capital等から今回調達した$10Mは、チームの拡大に活用する予定。
3.「脳疾患精密医療」Neumora
[Biotechnology/ヘルスケア] Neumora
Series B ($112M) ARCH Venture Partners, Abu Dhabi Growth Fund, Altitude Life Science Ventures, Amgen, EXOR Seeds, F-Prime Capital, Invus Group, Mubadala Capital, Newpath Partners, Polaris Partners, and Undisclosed Investors
脳疾患の精密医療を開発するバイオテックスタートアップ。
データサイエンスおよび神経科学を利用して、うつ病・統合失調症・アルツハイマー病・パーキンソン病などの脳疾患に対するプレシジョンメディシン(精密医療)を開発するスタートアップ。「Data Biopsy Signatures」と呼ばれるプラットフォームで、ゲノミクス・画像処理・脳波・臨床内容をデータ化(マッピング)することで分子標的治療薬の開発を目指している。
2020年創業、本社はウォータータウン(マサチューセッツ州)。Polaris Partners等から今回調達した$112Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
4.「ポートフォリオ管理SaaS」Chronograph
[SaaS/フィンテック] Chronograph
Seed B ($20M) Nasdaq Ventures, Summit Partners, and The Carlyle Group
機関投資家向けのポートフォリオ管理プラットフォーム。
ポートフォリオのモニタリング、評価、分析、およびレポート作成を効率化および自動化してくれるクラウドベースの資産管理プラットフォーム。現在、10万社を超える非公開企業が当プラットフォームに参加しており、6兆ドルを超えるプライベートエクイティおよびベンチャーキャピタルの資産を管理しているという。The Carlyle GroupやNasdaq Venturesなども出資している。
2016年創業、本社はニューヨーク。Summit Partners等から今回調達した$20Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
5.「自動運転フォークリフト」Fox Robotics
[HW/ロボティクス] Fox Robotics
Unattributed VC ($19.8M) BMW i Ventures, and Menlo Ventures
自動運転フォークリフトの開発。
トレーラーの積荷(パレット)を自動で降ろしてくれるフォークリフト。標準的なフォークリフトにLIDARセンサーやソフトウェアを搭載。WMS(倉庫管理システム)などのシステムとの統合は必要なく、1時間程度でセットアップでき、約1時間で25パレット以上の荷下ろしが可能という。今後は荷下ろしだけでなく、パレットの運搬や特定のパレットのピッキングなど、倉庫内の様々な作業の自動化を推進する予定。
2018年創業、本社はオースティン(テキサス州)。Menlo Ventures等から今回調達した$19.8Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
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