今週の注目5社:高速通信ネットワーク / 産業用CTスキャナー / 料理レシピ動画 / グローブ型触覚デバイス / 遠心力ロケット

September 28, 2022 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら

1.「高速通信ネットワーク」Aalyria

[SaaS/通信] Aalyria
Spinoff / Spinout (NA) Google

陸上から宇宙まで広がる高速通信ネットワークプロジェクト。

陸・海・空・宇宙と地球全体をカバーする新しい高速通信技術の実現を目指し、Googleからスピンアウトする形で設立されたスタートアップ。「Tightbeam」と呼ばれるワイヤレスの光通信技術は、光ファイバーケーブルを敷設することなく、遠隔地に信号を届けることが可能。すでに米国防省傘下の国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit)と商業契約を結んでいるという。

2022年創業。Googleからのスピンアウト。

2.「産業用CTスキャナー」Lumafield

[HW/スキャナー] Lumafield
Series B ($35M) Data Collective, Future Shape, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Lux Capital, and Spark Capital

エンジニア向けの産業用X線CTスキャナーの開発。

製品開発プロセスを迅速化するデスクトップ型のX線CTスキャナー「Neptune」の開発。月額$3000〜と安価に利用でき、従来は数時間かかっていたスキャンを数分で実行できるという。また、スキャナーとAIが搭載されたソフトウェア「Voyager」を組み合わせることで、電化製品や部品などの製品の寸法や亀裂の有無などを自動判定し、大量に検査することが可能。

2019年創業、本社はケンブリッジ(マサチューセッツ州)。Spark Capital等から今回調達した$35Mは、引き続き製品開発に活用する予定。

3.「料理レシピ動画」Flavrs

[App/フード] Flavrs
Seed VC ($7M) Andreessen Horowitz, Cercano Management, Eric Ripert, Firstminute Capital, Progression Fund, Tom Colicchio, and Wellington Management

食材を購入可能な料理レシピ動画アプリ。

ユーザーが有名シェフやフードクリエイターの料理レシピ動画を見るだけでなく、必要な食材の購入を一気通貫して行うことができるアプリを開発するフードテックスタートアップ。Instacartと提携しており、購入から配送までのオペレーションは同社が請け負う仕組み。現在、β版がリリースされている。料理界のスターも出資する注目スタートアップ。

2020年創業、本社はサンフランシスコ。Andreessen Horowitz等から今回調達した$7Mは、サービスの拡大に活用する予定。

4.「グローブ型触覚デバイス」HaptX

[HW/VR] HaptX
Series B ($23M) AIS Global, Crescent Cove Capital Management, Mason Avenue Investments, Taylor Frigon Capital Management, and Verizon Ventures

VR用のグローブ型触覚デバイスの開発。

VR用にリアルな触覚再現に取り組むグローブ型のウェアラブルデバイス「HaptX Gloves DK2」を開発中。130ポイント以上の触覚フィードバックにより皮膚を物理的に変位させ、バーチャル空間で実際に触れているような臨場感と深い没入感を再現可能。トレーニングやシミュレーション、自動車の設計などの工業デザイン、ロボット工学といった高い精度が求められる現場で使用されているという。

本社はレドモンド(ワシントン州)。AIS Global等から今回調達した$23Mは、新製品開発に活用する予定。

5.「遠心力ロケット」SpinLaunch

[HW/スペーステック] SpinLaunch
Series B ($71M) ATW Partners, Andrew Farkas, Asher Delug, Brook Byers, Chuck Brady, Google Ventures, Greg McAdoo, John Doerr, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Lauder Partners, McKinley Capital Management, Ona Capital, and Tyche Partners

遠心力を利用したロケットの開発。

遠心力を使ってロケットを回転させ、超音速で発射するロケットを開発するスペーステックスタートアップ。燃料やブースターロケットを必要としないため、軌道へのアクセスにかかるコストを大幅に削減可能(従来の10分の1)な上、環境にも優しい。2026 年までに独自の打ち上げシステムを利用して人工衛星を軌道に投入する予定という。

2014年創業、本社はロングビーチ(カリフォルニア州)。ATW Partners等から今回調達した$71Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

Scrum Connect Online なら、今回紹介した注目5社についてさらに詳しく知ることができます。スタートアップに精通した弊社のベンチャーキャピタリストに、スタートアップの詳細や資金調達状況、市場概況について日本語で質問できます。Scrum Connect Onlineは、独自の情報提供に加え、プロに相談でき、スタートアップと繋がれるプラットフォームです。

ブログの更新情報をメールでお届けしています。

米国の注目スタートアップ情報 テックトレンド スクラムベンチャーズの投資先インタビュー
などをブログで発信しています。合わせてメールでもお届けしていますので、お気軽にご登録ください。

ニュースレター登録

でも情報発信しています。