今週の注目5社：サスティナブルシューズ / スマート農業センサー / バーチャルフードコート / 女子大生向けバーチャルクリニック / クリーンエアコン
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。
1.「サスティナブルシューズ」Rothy’s
[Commerce/ファッション] Rothy’s
Unattributed VC ($473.24M) Lightspeed Venture Partners
環境に配慮したリサイクル素材を利用したファッションブランド。
ペットボトルをリサイクルして作られた再生樹脂の糸（繊維）を原料にしたアパレル商品を展開するD2Cスタートアップ。スタイリッシュなデザインに加え、履き心地が良く、通気性も良い女性向けのフラットシューズが人気となり、現在ではバッグや男性向け商品にもラインナップを拡充している。シューズやバッグは洗濯機で洗っても型崩れせず、何度も利用できるという。
本社はサンフランシスコ。Lightspeed Venture Partners等から今回調達した$473.24Mは、サービスの拡大に活用する予定。
2.「スマート農業センサー」Arable
[SaaS/アグリテック] Arable
Series C ($40M) Ajax Strategies, Galvanize Climate Solutions, Grupo Jacto, M2O, Middleland Capital, Prelude Ventures, Qualcomm Ventures, S2G Ventures, and iSelect Fund
天候・土壌・作物の状態をモニタリングする農家向けのスマートセンサー。
気温や露点温度、降水量、湿度、風速などの天候に関する各種指標、水分や塩分の土壌濃度など、農作物に影響を与える40以上のデータを取得するポール型センサーの開発。また、取得したデータを分析し、必要な水分量を提示したり、作物を害虫から保護するなど、スマート農業の推進をサポートしてくれる。すでに40ヶ国以上に顧客を持ち、アプリのアクティブユーザーは直近1年間で2倍に急増中。
2014年創業、本社はサンフランシスコ。Galvanize Climate Solutions等から今回調達した$40Mは、新製品の開発に活用する予定。
3.「バーチャルフードコート」Kitchen United
[Service/レストラン] Kitchen United
Series C ($100M) Alimentation Couche-Tard, B. Riley Venture Capital, Cali Group, DivcoWest, Fidelity Investments Canada, General Global Capital, GoldenArc Capital, Google Ventures, HAVI Group, Harry Tsao, John Miller, Kroger, Peyton Manning, Phillips Edison & Company, RXR Realty, Restaurant Brands International, Rich’s, and Simon Property Group
複数のレストランの料理を注文できるバーチャルフードコート。
冷蔵庫や厨房など調理に必要な設備が備え付けられ、デリバリーやテイクアウト専用の新店舗を構えることができるゴーストキッチンスペース「Kitchen United Mix」を運営している。また、消費者が複数のレストランの料理をまとめて注文できるアプリも提供しており、現在、全米20地域で約200のゴーストキッチンを運営している。食品スーパー大手のKrogerやNFLの元スター選手Peyton Manningなども出資している。
2017年創業、本社はパサデナ（カリフォルニア州）。Google Ventures等から今回調達した$100Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。
4.「女子大生向けバーチャルクリニック」Caraway Health
[Service/フェムテック] Caraway Health
Seed VC ($10.5M) 7wire Ventures, Aike Ho, Brian Regan, Deena Shakir, Doug Hirsch, Elliot Cohen, Hopelab, Kate Ryder, Leslie Schrock, Lux Capital, Missy Krasner, OMERS Ventures, Trevor Price, and Undisclosed Angel Investors
女子大学生向けのバーチャルクリニック。
メンタルヘルスやリプロダクティブヘルスなど、女子大学生が抱える様々な病気や悩みに関するバーチャルケアサービスを提供するフェムテックスタートアップ。婦人科医や精神科医、思春期医療の専門家、看護師、セラピスト、コーチから成るチームによるサービスはアプリを通じて24時間年中無休で提供され、必要なときにケアを受けられる仕組み。今回の資金調達でステルスモードを脱し、2022年秋にサービスをローンチ予定という。
2021年創業、本社はニューヨーク。7wire Ventures等から今回調達した$10.5Mは、サービスの拡大に活用する予定。
5.「クリーンエアコン」Blue Frontier
[HW/エアコン] Blue Frontier
Series A ($20M) 2150 Urban Tech Sustainability Fund, Breakthrough Energy Ventures, Modern Niagara, and VoLo Earth Ventures
商業ビル向けのクリーンエアコンの開発。
従来のエアコンで冷却のために使用される冷媒ではなく、液体乾燥剤を利用することで、世界の温室効果ガス排出量の4〜5%を占めると言われるエアコンの脱炭素化の実現を目指すクリーンテックスタートアップ。冷媒だけでなく、電力の使用量も最大90%削減できるという。ビルゲイツのBreakthrough Energy Venturesも出資する注目スタートアップ。
2018年創業、本社はボカラトン（フロリダ州）。Breakthrough Energy Ventures等から今回調達した$20Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
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