今週の注目5社:カーボンオフセットマーケットプレイス / ブレインマシンインターフェイス / ギフトプラットフォーム / 体外受精自動化ラボ / 慢性疼痛治療D2C
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「カーボンオフセットマーケットプレイス」NCX
[Marketplace/カーボンクレジット] NCX
Seed VC-II ($20M) Union Square Ventures, Microsoft, Marc Benioff, and Version One Ventures
森林を活用したカーボンクレジットのマーケットプレイス。
衛星画像・森林経済学・最先端の統計手法を組み合わせて、あらゆる規模の土地所有者と企業を結ぶカーボンクレジット市場を構築。土地所有者は森林面積を維持・拡大することでカーボンクレジットを販売し土地を収益化できる。また、企業は土地所有者からカーボンクレジットを購入することで、カーボンオフセットを達成可能。Salesforce CEOのMarc BenioffやMicrosoft Climate Innovation Fundも出資する注目スタートアップ。
2010年創業、本社はサンフランシスコ。Union Square Ventures等から今回調達した$20Mは、製品開発に活用する予定。
2.「ブレインマシンインターフェイス」MindPortal
[HW/ブレインコンピューティング] MindPortal
Seed VC ($5M) Kleiner Perkins Caufield & Byers, Learn Capital, Scrum Ventures, Matt Bellamy, James Park, Julie Zhuo, and Dan Siroker
ウェアラブルのブレイン・マシン・インターフェイスを開発。
脳と機械を繋ぐ技術(BMI:ブレインマシンインターフェイス)を開発するスタートアップ。MindPortalのデバイスは、非侵襲型でウェアラブルタイプのため、生体を傷つけることなく利用可能。ステルスのため公開情報は少ないが、脳波(EEG)を利用する技術に比べて10〜100倍の精度で脳の活動を記録できるという。当社も出資する注目スタートアップ。
本社はサンフランシスコ。KPCB等から今回調達した$5Mは、引き続きチームの拡大および開発費用に活用する予定。
3.「ギフトプラットフォーム」Snappy App
[Enterprise/ギフト] Snappy App
Series C ($70M) GGV Capital, Hearst Ventures, 83North, and Saban Ventures
企業向けのオールインワンギフトプラットフォーム。
従業員の誕生日や勤続記念日などを祝う際に簡単にギフトを送ることができるプラットフォーム。家電製品やキッチン用品など厳選された様々な製品が用意され、従業員は予算に合わせて好みのギフトを選択できる。人事システムと統合でき、自動化も可能。Microsoft, Adobe, Comcast, Uberなど1,000社を超える企業を顧客に持ち、これまでに100万件以上利用されている。収益は前年対比800%で急成長中。
2015年創業、本社はニューヨーク。GGV Capital等から今回調達した$70Mは、チームの拡大に活用する予定。
4.「体外受精自動化ラボ」Overture Life
[Biotechnology/ヘルスケア] Overture Life
Series B ($15M) Google Ventures, Khosla Ventures, Felicis Ventures, Marc Benioff, and Octopus Ventures
体外受精プロセスを自動化する医療機器。
卵子の凍結や受精卵の着床前診断など、体外受精(IVF)に必要なプロセスを自動化する医療機器を開発するバイオテックスタートアップ。体外受精の成功率を上げることでコストを削減し、不妊治療へのアクセス拡大を目指している。2021年末までに最初の医療機器をローンチ予定。Salesforce CEOのMarc BenioffやGVも出資。
2017年創業、本社はニューヨーク。Octopus Ventures等から今回調達した$15Mは、製品開発およびサービスの拡大に活用する予定。
5.「慢性疼痛治療D2C」Clearing
[Service/ヘルスケア] Clearing
Seed VC ($20M) Bessemer Venture Partners, Threshold Ventures, Founders Fund, and Breyer Capital
慢性疼痛治療を提供するデジタルヘルスケアプラットフォーム。
患者と医師を繋ぎ、オンライン診療を通じて患者の病歴や症状を確認し、オーダーメイドの治療プランを立ててくれる。保険への加入は必要なく、オピエイドを含まない治療用クリームや栄養補助サプリが月額$25〜で自宅に届けられる仕組み。また、アプリでパーソナライズされたホームエクササイズも提供。すでに1万人がウェイトリストに名を連ねるという。
2020年創業、本社はニューヨーク。Bessemer Venture Partners等から今回調達した$20Mは、製品開発に活用する予定。
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