今週の注目5社:短期アパートレンタル / 医療費支払アプリ / 広告なし検索 / 完全自動運転 / 産業用データ分析

July 7, 2020 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「短期アパートレンタル」Sonder

[Service/トラベル] Sonder
Series E ($170M) Atreides Capital, Fidelity Investments, Greenoaks Capital Management, Greylock Partners, Inovia Capital, Spark Capital, Valor Equity Partners and WestCap Group

洗練されたデザインが特徴の短期アパートレンタルサービス。

アパートなどの中古物件をリノベーションし、AirbnbやExpedia、自社サイトを通じて貸し出している。コロナ禍において、より良い仕事環境を求めるリモートワーカーや、医療従事者をはじめ自主隔離が必要なユーザーにターゲットを変更。加えて、長期滞在者には大幅な割引率の設定や徹底した部屋の洗浄、アプリでのセルフチェックイン、年中無休のコンシェルジュサービスなど、可能な限りコンタクトレスな環境を提供することで、一時は落ち込んでいた稼働率を回復。コロナ禍のホテル業界にも関わらず、調達時のバリュエーションは$1.3B。

2012年創業、本社はサンフランシスコ。Fidelity Investments等から今回調達した$170Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

2.「医療費支払アプリ」Cedar

[SaaS/ヘルスケア] Cedar
Series C ($102M) Andreessen Horowitz, Concord Health Partners, Founders Fund, Jeff Vacirca, Jerod Mayo, Kaiser Permanente, Kinnevik, Lakestar and Thrive Capital, J.P. Morgan & Co.

医療機関および患者向けの医療費決済プラットフォーム。

患者にとって複雑かつ難解な医療費の請求プロセスを改善するアプリ。複数ある請求書の一元化やユーザーに適した支払オプションの提案、スムーズなオンライン決済機能などを提供。医療費の回収額は30%増加しているという。直近ではNovant Healthと提携し、予約のリマインダーやデジタル登録フォーム、加入済みの健康保険カードのスナップショットから保険情報を収集する機能などを試験的に導入している。

2016年創業、本社はニューヨーク。Andreessen Horowitz等から今回調達した$102Mは、製品開発に活用する予定。

3.「広告なし検索」Neeva

[SaaS/検索] Neeva
Investment
Series A ($37.5M) Greylock Partners and Sequoia Capital

広告のないプライベートな検索エンジン。

プライバシーを重視し、広告に依存しない検索エンジンを開発中。メールやカレンダー、連絡先、またはクラウドストレージを接続することで、時間の経過と共に、よりパーソナライズされた検索結果を提示してくれる。現状はWaitlistだが、ユーザーから利用料($10未満)を徴収するサブスクリプションモデルを想定しているという。元Google広告部門の幹部が創業したことでも注目されている。

2019年創業、本社はマウンテンビュー(カリフォルニア州)。Sequoia Capital等から今回調達した$37.5Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

4.「完全自動運転」Zoox

[HW/ロボット] Zoox
$1.2B by Amazon

自動運転技術を手がけるスタートアップ。

ロボット工学や再生可能エネルギーに関する技術を適用した「自動運転のゼロエミッション車」をゼロから設計。完全自律走行車でサービスとしてのモビリティ体験(自動運転タクシーなど)を目指している。Amazonによる買収後も、独立した子会社として現行の経営チームが率いるという。Amazonは、これまで自動運転車を開発するAurora社や、EVバンを開発するRivianなどに出資をしてきたが、Zooxの買収で自動運転分野に本格的に進出する模様。

2014年創業、本社はフォスターシティ(カリフォルニア州)。今回Amazonに$1.2Bで買収された。

5.「産業用データ分析」Element Analytics

[SaaS/データ] Element Analytics
Series B ($18M) ABB Technology Ventures, Activate Capital, Ajax Strategies, Blue Bear Capital, Evonik Venture Capital, Forte Ventures, High Tide Foundation, Honeywell Ventures, Kerogen Capital, Kleiner Perkins Caufield & Byers and Schneider Electric Ventures

産業用メタデータを管理するためのデータハブ。

センサーやモーターなどの様々なIoT機器から収集する大量かつ複雑な産業用データを接続・可視化するプラットフォームを提供。新たなデータソースを10倍早く統合でき、工場やプラントなどにおける「デジタルツイン」の実現をサポートする技術として注目されている。化学、電力、農業、石油/ガス、製造業をはじめとする大手グローバル企業を顧客に持つ。

2015年創業、本社はサンフランシスコ。Activate Capital等から今回調達した$18Mは、顧客基盤の拡大に活用する予定。

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