今週の注目5社:オンデマンド訪問医療 / 体験レンタル / バスケIoT / 獣医ローン / エンタメDMP
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「オンデマンド訪問医療」Heal
[Service/医療] Heal
Series A ($26.9M) Breyer Capital, HashTag One, Slow Ventures and Tull Investment Group
オンデマンド「訪問医療」サービス。
昨年LAで創業。現在カリフォルニア全体でサービスを提供しており、すでに1万人の患者を診察しているという。患者は、病気になり医者の診察が必要なとき、スマホから依頼をすると2時間以内に医者に自宅まで診察に来てもらえる。毎日朝8時から夜の8時迄対応が可能で、一回あたりの費用は$99。大手のほとんどの保険が適用されるという。オンデマンドも可能だが、75%の患者は医師を選べる事前予約をするという。
今回、$110Mの時価総額で、$27Mを調達。調達した資金は、技術プラットフォームの開発およびマーケティングに充てるという。
2.「体験レンタル」Joymode
[Commerce/レンタル] Joymode
Seed VC ($3M) Collaborative Fund, Founder Collective, Sherpa Capital, Slow Ventures
「週末やイベントの際などのアクティビティ」に必要なものをレンタルできるサービス。
Kloutの創業者がLAで創業した。キャンプのテント、綿菓子の製造機、ワッフル焼き機など、毎日使うものではなくイベント的に利用するものをレンタルできる。個別の商品をレンタルするというのではなく、新しい体験をするのに必要なすべてをパッケージしているという。費用は、年間$99のメンバーシップ制。キュレーターによるキャンプの場所の相談、器具の使い方ビデオなどの付加サービスも用意されている。
現在はLAのみで展開している。招待制で、現在会員は2,000人、売上は1M程度。利用者は平均利用の8日前に予約をするという。
3.「バスケIoT」Shot Tracker
[HW/スポーツ] ShotTracker
Seed ($5M) Earvin Johnson, Greycroft Partners, Elysian Park Ventures, R/GA Ventures and David Stern
「バスケットボールのプレイ」をリアルタイムで解析できるIoTソリューション。
コートに入る18人までの選手の動きをリアルタイムにトラッキング、解析できる。選手の靴紐につけるセンサーと、コートに設置される4つのセンサー、そしてSpalding社と共同開発したセンサー入りのボールを使うことで、あらゆる選手の動きをiPadからリアルタイムで見ることができる。また単に動きを見るだけでなく、ターンオーバー、アシスト、ゴールなど様々なデータをアルゴリズムで分析し、統計として見ることができる。価格は$3,000、そして年間$1,200の解析費用がかかる。
まずはプロ向けを狙い、将来的には全ての体育館への導入を狙うという。今回、NBAスターのマジックジョンションやNBAの元コミッショナーのデイビッドスターンなどから出資を受けた。調達したお金は、製品の開発および全米10カ所に設けるデモ施設の費用に充てるという。
4.「獣医ローン 」Finrise
[Service/金融] Finrise
Seed ($5.4M) Mayfield Fund, NFX Guild, Western Technology Investment
「獣医にかかる費用」のオンラインレンディング。
獣医にかかりたいが、医療費が支払えないという人を対象にレンディングサービスを行っている。65%の米国人が「ペットを家族である」と考えるほどペットが普及しているが、35%がコストを理由に獣医に行っていない。Finriseが運営するVetaryでは、わずか2分間の審査で$10,000までの医療費を借りることができる。利率は6.95%から。その他、病院の予約や病気に関する様々な質問にも答えるサービスも提供している。
2015年創業。現在社員は10人。今後は獣医だけでなく、様々な分野へと展開していくという。
5.「エンタメDMP」Vertical Mass
[Marketing/データ] Vertical Mass
Series A ($5M) Formation 8, Greycroft Partners, San Francisco 49ers and Sierra Wasatch Capital
音楽、スポーツ、エンタメに特化したDMP。
ソーシャルメディア、Web、モバイル、EC、ビデオ等、さまざまなコンテンツからファンの動向データを収集し、最適な広告チャネルを自動的に判断、広告のターゲッティングが行える。現在、44名のグラミー受賞者、9名のスーパーボール出場選手、音楽レーベル大手35社など300名以上のタレント、アーティスト、企業などが利用しているという。トータルのファン数は、32億人。
今回調達した資金は、データ解析チームの増員およびシステムの開発に充てるという。