Hokkaido F Village X(HFX)1年目の成果〜グローバルスタートアップと日本企業との北海道における10の事業共創
北海道の魅力向上や地域課題の解決をテーマに、北海道及び北海道ボールパークFビレッジ(所在地:北海道北広島市、以下「Fビレッジ」)を拠点とし、グローバルスタートアップとパートナー企業や自治体との事業共創を目指すグローバルアクセラレーションプログラム「Hokkaido F Village X」(以下、HFX)の成果発表を行うDemo Day(2/26)にて、パートナー企業であるヤマトホールディングス株式会社、東急不動産株式会社、運営協力パートナーである株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント、自治体パートナーである北海道北広島市等がその成果を発表しました。

発表された成果を、画像や動画、また企業のコメントをまじえてまとめました。
- 熱中症対策:Eztia(米国)× 北海道日本ハムファイターズ
- 熱中症対策:Eztia(米国)× 北広島市内バスケットボール少年団
- 熱中症対策:Eztia(米国)× ヤマトホールディングス
- 施設への無人レジ導入:Fainders.AI(韓国)× 東急不動産
- 食品鮮度長持ちコーティング:Mori(米国)× ナチュラルファーム楽園倶楽部&北海道大学&北広島市
- バイオベース塗料の活用:Nature Coatings(米国)× Wakasa
- 高齢者の遠隔見守り:Pontosense(カナダ)× 北海長正会 × 北広島市
- オペレーション自動化:Seoul Dynamics(韓国)× ヤマトホールディングス× ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
- 自動調理サウナ飯:TechMagic(日本)× ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
- インバウンド向け手ぶら旅行:TRIP TO JAPAN(アイスランド) × ヤマトホールディングス
熱中症対策:Eztia(米国)× 北海道日本ハムファイターズ
冷却素材を開発するEztiaは、北海道日本ハムファイターズの秋季・春季キャンプにて選手・コーチ・スタッフと連携し、実環境下での性能検証を行いました。
近年、北海道でも暑熱環境が厳しくなる中、アスリートの暑熱対策およびパフォーマンス向上を目的に、実証実験を実施しました。10月の沖縄県国頭村でのファームキャンプにて、冷却効果を備えたヘッドバンド・アームバンド・インナーウェアの3製品をトレーニング実環境下で検証し、選手・コーチ・スタッフからフィードバックを取得しました。その内容(実環境での冷却効果、快適さ、フィット感など)をもとにEztia社が改良版を開発し、2月の春季キャンプでも選手・コーチに着用いただき追加検証を実施しました。今後もプロダクト改善を進めながら連携を継続していきます。
[Eztia担当者からのコメント] 6か月で達成した内容は非常に大きいと感じています。世界的なプロ野球チームと連携できました。ここで磨いたモデルは日本国内外にも展開可能です。
熱中症対策:Eztia(米国)× 北広島市内バスケットボール少年団
冷却素材を開発するEztiaは、北広島市内小学校にて暑さが厳しくなる北海道での熱中症対策としてバンダナ型冷却アイテムの実証実験を実施しました。
2025年の夏季には最高気温が39度を超えるなど猛暑が深刻化する北海道において、学校現場での熱中症リスク対策として、児童が安全に使用できる冷却アイテムの有効性を検証しました。実証実験では、バスケットボール少年団の練習時にバンダナ型冷却アイテムを着用し、子どもたちからは「着用直後に冷感を感じる」といった冷却効果に関するポジティブな反応が得られました。一方で今後の利用については、耐久性やお手入れ方法などの改善点も挙がっており、Eztia側でフィードバックを踏まえた改良を進めています。今後は、本格配布を見据え、品質や運用面の確認を行いながら展開を検討していきます。
[北広島市担当者からのコメント] 先日、改良版の製品も拝見しましたが、多くの点が改善されていました。今後の発展に期待しています。北海道でも温暖化が進み、昨年夏には猛暑で臨時休校が2日ありました。安心・安全でエコな暑さ対策として、当市、ひいては北海道に寄与いただけると感じています。今後も実証実験はもちろん、さまざまな場面で協力できればと思います。
[Eztia担当者からのコメント] 北広島市のサポートによって、最もインパクトの大きい活用領域を見極めることができました。当初は企業の安全管理やスポーツ領域を想定していましたが、子どもから高齢者まで幅広い可能性が見えてきました。これは地域で暮らす人々からしか得られない知見です。

熱中症対策:Eztia(米国)× ヤマトホールディングス
ヤマト運輸株式会社のセールスドライバーの熱ストレス対策として、Eztiaの冷却アームカバーの着用実証を実施。現場フィードバックをもとに、素材・デザイン改良と導入可能性を検討。
夏季の配達業務における安全確保(熱ストレス軽減)を目的に、ヤマト運輸のセールスドライバーが実際の業務中にアームカバーを着用し、使用感・運用面の課題を収集しました。実証実験を通じて得られたフィードバックを踏まえ、Eztiaが素材や見た目の改良を進めています。今後は、セールスドライバーが継続的に業務で使用できるよう、販売・供給ルートの確保も含めて導入形態を検討していきます。
[ヤマトホールディングス担当者からのコメント] Eztiaの冷却技術は、夏の猛暑が続く環境下で働くセールスドライバーや庫内作業員の負担を軽減する商品として大きな可能性を秘めています。セールスドライバーからのフィードバックをもとに実証実験で得た課題を迅速に商品改良に生かし、素材からデザインまで細かな改良を重ねるプロセスは、実用性の高い商品・開発へと導く現場主導のイノベーションです。
[Eztia担当者からのコメント] 日本展開に合わせて戦略を具体化する実務的な助言が非常に価値あるものでした。最終的な成果の差は、地域の細部理解にあります。
施設への無人レジ導入:Fainders.AI(韓国)× 東急不動産
画像認識AIによるセルフレジを提供するFainders.AIは、2025年12月20日に東急不動産が新オープンしたニセコ東急グラン・ヒラフ内レストラン「NEST813」において、AIセルフレジ「Vision Check-Out」を導入しました。
NEST813において画像認識AIによるセルフレジ「Vision Check-Out」を導入したことで、混雑時の待ち時間短縮および店舗スタッフの業務負荷軽減に寄与し、スムーズな購買体験と効率的な店舗運営を実現しています。今後は、利用状況や現場のフィードバックをもとに改善を進めるとともに、ニセコエリアに限らず、東急不動産が所有する各施設への展開も視野に入れながら連携を継続していきます。
[東急不動産担当者からのコメント] 国内外からお越しになるお客様には、レストランでお会計のためにお待ちいただく時間ではなく、この場所でしか得られない自然や食の体験に少しでも多くの時間を充てていただきたいと考え、AIレジの導入を決定いたしました。今後もお客様の時間価値を最大化する取り組みを進めてまいります。
[Fainders.AI担当者からのコメント] スタッフからレジ対応によるストレスが軽減されたとの声がありました。人材不足が進む北海道で事業を加速したいです。

食品鮮度長持ちコーティング:Mori(米国)× ナチュラルファーム楽園倶楽部&北海道大学&北広島市
食品鮮度を長持ちさせるシルク由来のコーティング剤を開発するMoriは、北広島市内農家(ナチュラルファーム楽園俱楽部)の野菜を用いた鮮度保持の比較実証を、北海道大学の学生協力のもとで実施しました。
北海道だけで約100万キログラムの葉物野菜が毎月生産されています。北海道から本州へ出荷する際に課題となる輸送・流通過程での鮮度劣化を改善するため、シルク由来のコーティング剤による鮮度保持効果を検証しました。北広島市の地元農家・ナチュラルファーム楽園俱楽部の協力のもと、朝どれのルッコラ、春菊、小松菜を用いて、北海道大学の学生協力により比較実証を実施し、鮮度維持に向けた有効性を確認しました。今後は、イチゴや桃など高付加価値な北海道産農産物でも効果検証を進めるとともに、日本市場での商品化に向けた導入スキームを検討していきます。
[Mori担当者からのコメント] 日本の農業という観点でも、北海道はとても重要な地域です。北海道の農業は非常に大きな産業で、日本の中でも重要な役割を果たしています。そうした意味で、北海道の課題や機会は、日本全体の課題や機会にもつながると思いました。

バイオベース塗料の活用:Nature Coatings(米国)× Wakasa
廃棄木材から黒色顔料を開発するNature Coatingsは、エスコンフィールドHOKKAIDOにも家具を提供する旭川の家具メーカーWakasaと連携し、試験的塗布を行いました。
石油由来の黒色顔料に代わるサステナブルな塗料の活用可能性を検証するため、旭川の家具メーカーWakasaと連携し、試験的な塗布を実施しました。ブラックとの親和性を踏まえ、ベニア板への塗布を通じて、発色や仕上がりを確認しています。今後は、屋内外のさまざまな環境で使用される可能性のある家具を念頭に置きながら、塗布対象や活用シーンについて、引き続き検討を行っていく考えです。
[Wakasa担当者からのコメント] 旭川は家具産地で、木材チップなど素材が工場内で多く生まれます。そうした素材も含めて、さらに一緒にコラボレーションして事業開発できたら面白いと思います。
[Nature Coatings担当者からのコメント] 私たちはサステナビリティや環境配慮型素材を評価してくれる地域を探していました。北海道にはその価値観を共有するコミュニティがあり、非常に前向きに受け入れてもらえました。

高齢者の遠隔見守り:Pontosense(カナダ)× 北海長正会 × 北広島市
転倒を検知する見守りセンサーを開発するPontosenseは、北広島市内の社会福祉法人が運営する「北広島団地地域サポートセンターともに」にてセンサーの試験的導入を開始しました。
北海道では65歳以上人口が約160万人、北広島市だけでも約1.9万人と高齢化が進んでいます。日本で今後増加が見込まれる比較的元気な高齢者を対象に、非カメラ型の高性能見守りセンサーによる動作検知精度と運用有効性を検証するため、北広島市の地域サポートセンターで試験導入を開始しました。実証実験は2026年2月から5月の約3ヶ月間に実施し、市内に住む夫婦世帯および「サービス付き高齢者向け住宅しおん」入居者の計2世帯を対象に、多面的な評価を行います。現時点では、優れた性能を維持しつつ手軽かつ低コストで提供できる可能性が見えており、高齢者見守りサービスの高度化に加え、地域コミュニティや家族の安心ネットワークづくりへの貢献も期待されています。今後は本実証の結果を踏まえ、本格導入の検討を進めていく予定です。
[Pontosense担当者からのコメント] 北海道は都道府県としても、また島としても非常に広く、地理的に離れた地域です。人口や施設も広く分散しています。だからこそPoCの場としては非常に良い例だと思います。地元での協働を通じて、私たちの取り組みが持つ文化的な意味を理解することができました。また、それをどのように伝えれば相手に響くのかも学びました。

オペレーション自動化:Seoul Dynamics(韓国)× ヤマトホールディングス× ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
重量物自律作業ロボット技術を有するSeoul Dynamicsは、エスコンフィールドHOKKAIDO内において、ファイターズ スポーツ&エンターテイメントの協力のもと、ヤマトホールディングスと連携し、ビール樽の搬送業務などの自動化に向けた取り組みを開始しました。
ヤマト運輸が管理するエスコンフィールドHOKKAIDO内の館内物流において、搬送オペレーションをより安全かつ効率的に実施することを目的に実証実験を行います。地下倉庫から2・3階ビール基地入口までのビール樽運搬の自動化やビールの賞味期限管理業務についても人と協働し、実環境下で検証を行うことを計画しています。世界の自動化需要は約50兆ドル規模とされ、Seoul Dynamics社は最大15トン級プラットフォームで重作業の自動化を担うことができます。今後はヤマトグループの物流現場への展開なども検討します。
[ヤマトホールディングス担当者からのコメント] エスコンフィールドという大規模施設でのビール樽搬送の自動化は、館内物流の効率化に向けた重要な試みです。Seoul Dynamicsが持つ重量物の作業に強いプラットフォームは、館内物流を担う現場が抱える、重量物の搬送作業の負担軽減と安全性の確保に非常に有用です。人との協働を前提とした安全な自律走行技術を、まずは北海道の地で確立し、将来的には全国の物流拠点への水平展開を目指します。
[Seoul Dynamics担当者からのコメント] Seoul Dynamicsは、完全無人型自律フォークリフトロボットを世界で初めて公開した企業として、重量物自律作業分野をリードしてきました。当社のRaptor Lift™は、90cmの狭い通路を走行し、500kgの重量物を2メートル以上持ち上げる性能と、独自の衝突防止安全システムを備えています。日本を代表する物流企業であるヤマトホールディングス、ファイターズ スポーツ&エンターテイメントと連携し、エスコンフィールドHOKKAIDOという先進的な環境で実証実験を行えることを大変光栄に思います。本取り組みを通じて、安全性と実用性を高い水準で検証し、スタジアム物流の高度化、さらには日本の物流現場全体の自動化に貢献してまいります。

自動調理サウナ飯:TechMagic(日本)× ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
自動調理ロボットを開発するTechMagicは、エスコンフィールドHOKKAIDO内「tower eleven onsen & sauna」にて、炒め調理ロボット「I-Robo 2」を活用したセルフ調理型ソリューションを提供予定です。
Tower 11のホテル・温浴施設利用者の顧客体験向上と、運営効率化による収益性向上を目的に、自動調理ロボットを活用したサウナ飯メニューの試験導入を開始しました。日本ハム株式会社の食材も活用し、唯一無二の温浴施設ならではのレシピでメニューの幅を広げることも可能にします。今後は試験導入の運用状況や利用者の反応を踏まえながら、より最適な提供体制とメニュー開発を進め、本格導入を検討していきます。
[TechMagic担当者からのコメント] 温浴施設の食事提供を強化したいが、人手や設備の制約がある課題に対して、運営人員は増やさず、出来立て料理の提供を実現するというソリューションとしてロボットを導入しました。将来的には、ロボットキッチンを活用して好きな料理を自分で作れる環境を提供したいと考えています。

インバウンド向け手ぶら旅行:TRIP TO JAPAN(アイスランド) × ヤマトホールディングス
日本での旅程のオールインワン作成ツールを提供するTRIP TO JAPANは、インバウンド旅行者向けに旅程作成の導線上で、ヤマト運輸株式会社の宅急便の発送申し込みができる機能をオプションとして追加しました。
2025年の訪日観光客数 4,200万人、北海道の2030年訪日観光客目標は500万人と期待されています。北海道旅行中のインバウンド旅行者にとって「大きな荷物を持ったまま移動・観光しづらい」という課題がある中、TRIP TO JAPANはヤマト運輸と連携し、TRIP TO JAPANの旅程作成・予約導線の中で宅急便の発送申し込みができる機能を追加しました。実際に東京から北海道に旅行するユーザーにも試験利用してもらい、「大きな荷物を簡単に次の目的地に発送することができたので、身軽に北海道を旅行することができました」といったコメントが得られています。今後はユーザー導線やオペレーションを改善し、実用化に向けて検討を進めます。
[ヤマトホールディングス担当者からのコメント] インバウンド需要が急増するなか、観光と物流のシームレスな融合は新たな顧客体験の鍵となります。TRIP TO JAPANとの連携により、旅程作成の導線上で「手ぶら観光」予約が完結する利便性は、北海道を訪れる多くの旅行者に支持されると確信しています。訪日観光客の利便性向上に努め、観光課題の解決と地域経済の活性化に貢献します。
[Trip To Japan担当者からのコメント] ヤマトホールディングスとの連携により、観光客が大きな荷物を簡単に送れるようになったため、観光客の利便性が向上し、地元の方々の生活にも配慮することができました。今後も物流サービスの連携を進め、北海道旅行者のための、より快適な配送サービスの考案をしてまいります。

また採択スタートアップ同士の協業も生まれています。
Mori(米国)× Nature Coatings(米国)
シルク由来の食品コーティング材を開発するMoriは、廃棄木材由来の黒色顔料を開発するNature Coatingsと連携し、採択スタートアップの同士で完全バイオベースの黒色コーティング材の開発・検証を進めています。
従来は石油由来が中心だった容器のコーティング剤や塗料を、Moriの素材技術とNature Coatingsの黒色顔料を組み合わせることで、完全バイオベース化することを目指しています。紙容器に塗布することで油分・水分が浸透しにくくなり、見た目の高級感と機能性を同時に実現できる点が狙いです。現在は性能・耐久性の効果検証を進めており、今後は用途に適した仕様を固めながら、採用可能性の高い大企業パートナー探索を加速していきます。

これらの成果の今後の進捗についてはHFXの公式ホームページ等で適宜更新して参ります。
合わせてHFXの第2期に参加するスタートアップの募集を開始しております。今回も「スポーツ・エンタメ・スタジアム」「フード&アグリ」「モビリティ」「サステナビリティ」「ウェルビーイング」の5つのカテゴリにおいて、スタートアップを募集し、技術やサービスの実証・実装を支援します。年間約10社の採択を予定しております。
詳しくはHFXウェブサイトをご覧ください。
https://hfx.jp/
その他、HFXについてご質問などございましたら、以下からご連絡ください。
【『Hokkaido F Village X』に関するお問い合わせ先】
担当: 清水
Email: hfxpr@scrum.vc










