今週の注目5社:AIバイラル動画 / 物理AIエージェント / スマート電線モニタリング / ロボット向け汎用AIモデル / AIコーディングエージェント
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「AIバイラル動画」NemoVideo

日本語読み:ネモビデオ
カテゴリ:SaaS/動画
ラウンド:Seed VC (NA)
主な投資家:IDG Capital, Jinqiu Capital, Tidon, Welight Capital, Xuemei Gu
AIを活用したバイラル動画作成・編集プラットフォーム。
AIを搭載し、編集スキルがなくてもバイラルマーケティング動画を瞬時に作成・編集できるプラットフォームを開発するスタートアップ。「AI Viral Creative Buddy」と呼ばれるプラットフォームは、コンテンツクリエイターやマーケターが手作業による煩雑な編集作業に追われる時間や、フォーマット設定・調整などに費やす時間を大幅に削減し、数分でアイデアから洗練されたバイラル動画を作成することが可能という。
2025年創業、本社はカリフォルニア州サクラメント。IDG Capital等から今回調達した資金は、引き続き開発費用に活用する予定。
2.「物理AIエージェント」Archetype AI

日本語読み:アーキタイプエーアイ
カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Series A ($35M)
主な投資家:Hitachi Ventures, IAG Capital Partners, Bezos Expeditions, Venrock, Amazon Industrial Innovation Fund, Samsung Ventures, Systemiq Capital, E12 Ventures, Higher Life Ventures
物理(フィジカル)AIエージェントの開発。
「Newton」と呼ばれ、レーダーやカメラ、加速度計、温度センサーなどのセンサーやデバイス、システムからの多様なリアルタイムデータを統合・分析し、現実世界の事象を理解して洞察を与えてくれるAIエージェント。工場に設置された機械の異常を早期に検出してダウンタイムを削減したり、建設現場をリアルタイムに監視することで、安全性を確保することが可能という。すでに、鹿島建設やベルビュー市などを顧客に持つ。
2023年創業、本社はカリフォルニア州パロアルト。IAG Capital Partners等から今回調達した$35Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
3.「スマート電線モニタリング」Gridware

日本語読み:グリッドウェア
カテゴリ:HW/インフラ
ラウンド:Series B ($55M)
主な投資家:Generation Investment Management, Tiger Global Management, Convective Capital, Fifty Years, Lowercarbon Capital, Sequoia Capital, True Ventures, Y Combinator
電線のリアルタイムモニタリングシステム。
電柱に設置し、電線の異常を検知するセンサー「Gridscope」を開発するスタートアップ。センサーは電線に触れず、音や振動をAIで解析することで、倒木による損傷などの異常をリアルタイムに検知する仕組み。正確な停電箇所の早期把握および、原因を特定することで停電時間を短縮することが可能。すでに電力会社と提携し、数万本の電柱に設置されている。Y Combinatorが主催する2021年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2020年創業、本社はサンフランシスコ。Tiger Global Management等から今回調達した$55Mは、海外展開の加速に活用する予定。
4.「ロボット向け汎用AIモデル」Physical Intelligence

日本語読み:フィジカルインテリジェンス
カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Series B ($600M)
主な投資家:CapitalG, Index Ventures, Jeff Bezos, Lux Capital, T. Rowe Price, Thrive Capital
ロボット向けの汎用AIモデルの開発。
「π0(パイゼロ)」と呼ばれる、ロボットが多様な作業を学べるよう支援するAIモデルを開発するスタートアップ。ロボットは複数の異なる洗濯物を畳んだり、エスプレッソを抽出したり、箱を組み立てるなど、日常的なさまざまなタスクを自然言語による指示で実行できるようになるという。Amazon創業者のJeff Bezos氏も出資者に名を連ねている。今回の資金調達によるバリュエーションは56億ドル。
2024年創業、本社はサンフランシスコ。CapitalG等から今回調達した$600Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
5.「AIコーディングエージェント」OpenHands

日本語読み:オープンハンズ
カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Series A ($18.8M)
主な投資家:Madrona Venture Group, Alumni Ventures, Fujitsu Ventures, Menlo Ventures, Obvious Ventures
AIを搭載したコーディングエージェント。
AIを搭載したオープンソースのクラウドコーディングエージェントを開発するスタートアップ。ClaudeやChatGPT、独自に調整したモデルなど、ユースケースに最適なモデルで実行することが可能。安全かつ透明性が高く、モデルに依存しないコーディングエージェントプラットフォームとして、ダウンロード数は300万回を超え、すでに世界中の何百人もの開発者に利用されているという。
2024年創業、本社はボストン。Madrona Venture Group等から今回調達した$18.8Mは、引き続き開発費用に活用する予定。









