今週の注目5社:音声介護モニタリング / 家庭用バックアップ電源 / 完全再利用ロケット / 車両担保クレジットカード / 医薬品開発文書作成エージェント
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「音声介護モニタリング」Sensi.AI
日本語読み:センシエーアイ
カテゴリ:SaaS/シニアテック
ラウンド:Series C ($45M)
主な投資家:Qumra Capital, Entree Capital, Flint Capital, Insight Partners, Jibe Ventures, Zeev Ventures
在宅介護のための音声モニタリングシステム。
AIを活用した高度な音声モニタリングシステムで、高齢者の在宅介護オペレーションを効率化するプラットフォームを開発するシニアテックスタートアップ。転倒の検知や認知機能低下の兆候、痛みや感染症の初期症状をはじめとする様々な可能性を音声から自動的に特定し、介護者や家族にアラートで教えてくれるという。カメラがなく、音声のみのためプライバシーを守りながら365日24時間見守ることが可能。
2019年創業、本社はテキサス州オースティン。Insight Partners等から今回調達した$45Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
2.「家庭用バックアップ電源」Base Power
日本語読み:ベースパワー
カテゴリ:HW/ホーム
ラウンド:Series C ($1B)
主な投資家:Addition, 137 Ventures, 1789 Capital, Altimeter Capital, Andreessen Horowitz, Avenir, Bond, CapitalG, Elad Gil, Glade Brook Capital, Lightspeed Venture Partners, Lowercarbon Capital, Positive Sum, Ribbit Capital, Spark Capital, Stepstone Group, Terrain Capital Partners, Thrive Capital, Trust Ventures, Valor Equity Partners, Waybury Capital
家庭用のバックアップ電源。
手頃な価格で家庭用のバックアップ電源を供給するエネルギーテックスタートアップ。猛暑や寒波などの需要が高まる時期でも蓄電された電力の一部を利用することで、電気料金を抑えることが可能。また、最大48時間まで電力を供給できるため、自然災害などによる停電時でも各家庭に十分な予備電力を確保することができるという。今回の資金調達によるバリュエーションは30億ドル。
2023年創業、本社はテキサス州オースティン。Addition等から今回調達した$1Bは、生産能力拡大のための新工場建設に活用する予定。
3.「完全再利用ロケット」Stoke Space
日本語読み:ストークスペース
カテゴリ:HW/宇宙
ラウンド:Series D ($510M)
主な投資家:US Innovative Technology Fund, 776 Capital, Breakthrough Energy, General Innovation Capital, Glade Brook Capital, Industrious Ventures, NFX, Sparta Group, Toyota Ventures, Washington Harbour Partners, Woven Capital
完全再利用可能な2段式ロケットの開発。
1段目だけでなく宇宙空間に突入する2段目も再利用可能な中型ロケット「Nova」を開発するスペーステックスタートアップ。2段目には、大気圏に再突入する際にロケットを守る耐熱シールドが設けられており、2段共に指定した地点へ降下して着陸できるという。宇宙空間での移動や軌道からの貨物の帰還などの用途にも利用可能。Blue OriginとSpaceXの元従業員が創業したことでも知られている。
2019年創業、本社はワシントン州ケント。US Innovative Technology Fund等から今回調達した$510Mは、製品開発および事業拡大の加速に活用する予定。
4.「車両担保クレジットカード」Yendo
日本語読み:イェンド
カテゴリ:Service/金融
ラウンド:Series B ($50M)
主な投資家:Autotech Ventures, Clocktower Technology Ventures, FPV Ventures, Mark Cuban, Pelion Venture Partners, Spice Expeditions
車両を担保にしたクレジットカードサービス。
クレジットスコアをはじめとする信用履歴がない場合でもユーザーが所有する車両の資産価値を担保に融資が受けられるクレジットサービス。ユーザーは個人および、メーカー・モデル・走行距離・状態などの車両情報を入力するだけで10分以内にクレジットスコアに関わらず手頃な金利で最大1万ドルまでの融資が受けられる仕組み。今後は、AIを活用した審査プロセスの自動化を推進することで、デジタルバンク事業を拡大させるという。
2021年創業、本社はテキサス州ダラス。Autotech Ventures等から今回調達した$50Mは、サービスの拡大に活用する予定。
5.「医薬品開発文書作成エージェント」Peer AI
日本語読み:ピアエーアイ
カテゴリ:SaaS/ヘルスケア
ラウンド:Series A ($12.1M)
主な投資家:Flare Capital Partners, SignalFire, Alumni Ventures, Atria Ventures, Gaingels, Greycroft, Mana Ventures
医薬品開発における規制文書作成AIエージェント。
医薬品開発における規制当局の承認取得に向けた規制文書作成をサポートするAIエージェントを開発するヘルスケアテックスタートアップ。臨床試験報告書(CSR)や、治験を開始する前に提出する治験薬(IND)申請書など、新薬開発時に提出が必要となる1500種類を超える文書作成を自動化する。正確かつ高品質な規制文書を短時間で作成することで、新薬承認までのプロセスを大幅(数千時間も)に短縮することが可能という。
2023年創業、本社はサンフランシスコ。Flare Capital Partners等から今回調達した$12.1Mは、引き続き開発費用に活用する予定。