今週の注目5社:デジタルクローン / AI音声入力 / AI審査員 / 若者向けメンタルヘルスケア / AIレコメンデーション

July 8, 2025 Article-Show on Top-ja 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「デジタルクローン」Delphi

日本語読み:デルファイ
カテゴリ:SaaS/デジタルクローン
ラウンド:Series A ($16M)
主な投資家:Sequoia Capital, 49 Palms Ventures, Abstract, Anthropic, Crossbeam, Gokul Rajaram, MVP Ventures, Menlo Ventures, Parable, Proximity Ventures, Soleio

デジタルクローンの作成プラットフォーム。

テキストやYoutubeなどの動画、ポッドキャストをはじめとする音声データ、書籍などの情報を元にリアルなデジタルクローンを作成してくれるプラットフォーム。声のトーンや話し方なども忠実に再現してくれるという。ユーザーは24時間365日、専門家やクリエイター、起業家などの著名人のデジタルクローンと電話やビデオチャットで質問をしたり、コーチングを受けたりと、本当に話しているかのような体験を享受することが可能。

2022年創業、本社はサンフランシスコ。Sequoia Capital等から今回調達した$16Mは、サービスの拡大に活用する予定。

2.「AI音声入力」Wispr Flow

日本語読み:ウィスパーフロー
カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Series A ($30M)
主な投資家:Menlo Ventures, 8VC, Evan Sharp, Henry Ward, Kenneth Schlenker, MVP Ventures, NEA, Neo

AIを活用した音声入力ツール。

ユーザーが話しかけるだけで音声入力してくれる「Wispr Flow」と呼ばれる生産性ツールを開発するAIスタートアップ。タイピングよりも4倍早くテキストに変換できるだけでなく、100以上の言語をサポートしている。また、文脈を理解して自動で文章を編集してくれる機能もあり、大量のメールへの返信などに利用されているという。価格は、「Basic」プランは無料で利用でき、「Pro」は月額12ドル。

2021年創業、本社はサンフランシスコ。Menlo Ventures等から今回調達した$30Mは、チームの拡大に活用する予定。

3.「AI審査員」Owl AI

日本語読み:オウルエーアイ
カテゴリ:SaaS/スポーツ
ラウンド:Seed VC ($11M)
主な投資家:Section 32, Menlo Ventures, Susa Ventures

AIを活用したデジタル審査員。

スポーツイベント向けにAIを活用した審査・審判技術を提供するスポーツテックスタートアップ。スノーボード競技「X Games」のAI審査員として現在開発が進められている。審査やジャッジのサポートだけでなく、数十の言語でローカライズされた解説も提供することで視聴者のエンゲージメントを高めることが可能という。元Google Cloud AI責任者であったJosh Gwytherが新たにCEOに就任したことでも注目されている。

2025年創業、本社はコロラド州ボルダー。Menlo Ventures等から今回調達した$11Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

4.「若者向けメンタルヘルスケア」Handspring Health

日本語読み:ハンドスプリングヘルス
カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Series A ($12M)
主な投資家:Cobalt Ventures, 25Madison, Arkitekt Ventures, Cornucopian Capital, Hyde Park Angels, NextView Ventures, VamosVentures, nvp capital

若者向けのメンタルヘルスケアサービス。

8〜29歳までの子供や若者とその家族向けにメンタルヘルスを改善するバーチャルセラピーを提供するヘルスケアテックスタートアップ。不安障害、うつ病、強迫性障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、いじめやトラウマなどを抱える若者と、認知行動療法(CBT)をベースとしたスキルを持つ認定セラピストおよび専門の臨床医を迅速にマッチングしてくれる仕組み。若者をサポートする家族(親)へのセッションも提供する。

2021年創業、本社はニュージャージー州ジャージーシティ。Cobalt Ventures等から今回調達した$12Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

5.「AIレコメンデーション」Crossing Minds

日本語読み:クロッシングマインズ
カテゴリ:SaaS/レコメンデーション
ラウンド:M&A
主な投資家:OpenAI

AIを活用したレコメンデーションプラットフォーム。

EC向けにAIを活用したリアルタイムレコメンデーションプラットフォームを開発するスタートアップ。クリックやスクロール、滞在時間をはじめとするユーザーのサイト内行動分析を通じて、プライバシーを損なうことなく、ショッピングの嗜好に関するインサイトを収集。これまでにIntuit、Anthropic、Udacity、CHANELなどに導入されてきた。今回の買収を通じて、OpenAIはChatGPTにおけるレコメンデーション機能強化を狙うという。

2017年創業、本社はサンフランシスコ。今回OpenAIに買収された。買収金額は非公表。

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