今週の注目5社:無人戦闘システム / デジタル理学療法 / メタン漏洩検知システム / AI SREエージェント / 次世代ソーシャルアプリ
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「無人戦闘システム」Mach Industries
日本語読み:マッハインダストリーズ
カテゴリ:HW/防衛テック
ラウンド:Series B ($100M)
主な投資家:Bedrock Capital, Khosla Ventures, Sequoia Capital
無人戦闘システムの開発。
無人戦闘機などの防衛システムを開発するディフェンステックスタートアップ。水素を利用した防衛システムの開発を目指していたが、現在は攻撃用ドローン「Viper」や、弾薬を数千マイル先まで運搬可能なグライダー「Glide」、センサーや通信機器を搭載したバルーン衛星「Stratos」などの開発に軸足を移している。また、アメリカ国防総省と連携して様々な防衛システムの開発を進めている。創業者のEthan Thorntonは、ピーターティールが設立した「Thiel Fellowship」に選出されている。
2022年創業、本社はカリフォルニア州ハンティントンビーチ。Khosla Ventures等から今回調達した$100Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
2.「デジタル理学療法」Sword Health
日本語読み:スウォードヘルス
カテゴリ:SaaS/ヘルスケア
ラウンド:Series F ($40M)
主な投資家:General Catalyst, Armilar Venture Partners, Comcast Ventures, Indico Capital Partners, Khosla Ventures, Lince Capital, Oxy Capital, Shilling VC
AIを活用したデジタル理学療法プログラム。
オンラインによる理学療法プログラムを提供するヘルスケアテックスタートアップ。ユーザーとの自然な会話を通じてフィードバックを提供したり、気分に応じてプログラムをカスタマイズしてくれるバーチャルセラピスト「Phoenix」を導入。また、アプリを通じて24時間年中無休で臨床専門医にチャットで相談することも可能。新たなサービスであるAIメンタルヘルスケア「Mind」も発表。今回の資金調達によるバリュエーション(評価額)は40億ドル。
2015年創業、本社はニューヨーク。General Catalyst等から今回調達した$40Mは、サービスの拡大に活用する予定。
3.「メタン漏洩検知システム」Insight M
日本語読み:インサイトエム
カテゴリ:Service/サスティナビリティ
ラウンド:Series E ($30M)
主な投資家:Morgan Stanley, Climate Investment, DCVC, Energy Innovation Capital
メタンガスの漏洩検知システム。
エネルギー産業向けに油田やガス田から漏洩するメタンガスを検知するための空中モニタリングシステムを開発するクリーンテックスタートアップ。分光器を用いた特許取得済みのメタン検出センサー「LeakSurveyor」を搭載した小型航空機からデータを収集、分析することで漏洩箇所を特定し、迅速に修理対応することが可能。これまでに石油・ガス業界の顧客は大気中に放出されるメタンを1億1000万トン以上削減したという。
2014年創業、本社はカリフォルニア州サニーベール。Morgan Stanley等から今回調達した$30Mは、サービスの拡大に活用する予定。
4.「AI SREエージェント」Traversal
日本語読み:トラバーサル
カテゴリ:SaaS/SRE
ラウンド:Series A ($48M)
主な投資家:Kleiner Perkins, Sequoia Capital, Hanabi Capital, Nat Friedman and Daniel Gross
AIを活用したSREエージェント。
ソフトウェアのトラブルシューティングおよびインシデント対応を自動化するSRE(Site Reliability Engineering:サイト信頼性エンジニアリング)プラットフォームを開発するAIスタートアップ。企業向けのAI SREエージェントは、最も複雑な本番環境におけるインシデントを自律的にトラブルシューティング・修復し、さらに予防してくれるという。すでにDigital Ocean、Eventbrite、Cloudways、大手金融機関などに導入されている。今回の資金調達を機にステルスモードを脱却。
2023年創業、本社はニューヨーク。Kleiner Perkins等から今回調達した$48Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
5.「次世代ソーシャルアプリ」Root
日本語読み:ルート
カテゴリ:App/コミュニケーション
ラウンド:Seed VC ($9M)
主な投資家:Headline, Konvoy Ventures, Clark Valberg, Day One Ventures, Jack Dunlop, Kun Gao, Untamed Ventures
次世代ソーシャルアプリの開発。
チャット機能が中心の他のソーシャルアプリとは異なり、タスク管理機能やイベントの企画・運営をスムーズに管理・実行するための機能、コミュニティ内の文化を醸成する機能などを備える次世代ソーシャルアプリ。カスタマイズ可能なアプリは「Discord」の代わりとなる次世代ソーシャルプラットフォームの構築を掲げている。近日中にアプリのクローズドベータ版をリリースする予定という。
2023年創業、本社はロサンゼルス。Headline等から今回調達した$9Mは、引き続き開発費用に活用する予定。