今週の注目5社:AI倉庫在庫管理 / グローバルロケーションデータ / ライブエンタメディスカバリー / 眼内装着治療レンズ / データセンター冷却装置

June 19, 2025 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「AI倉庫在庫管理」Kargo

日本語読み:カーゴ
カテゴリ:HW/ロジスティクス
ラウンド:Series B ($18.4M)
主な投資家:Matter Venture Partners, Armada, Founders Fund, Lineage, Sozo Ventures

AIを活用した物流倉庫のリアルタイム在庫管理プラットフォーム。

倉庫の搬入ドックに設置し、AI搭載のカメラで貨物ラベルやケース、製品状態に関する情報を自動で収集する「Kargo Tower」や、フォークリフトにも対応した「Kargo Lift」を開発するロジテックスタートアップ。ラベルやバーコード、テキスト、画像(ロゴ)などのデータを処理して在庫情報に変換してくれる。収集された情報は分析され、過剰在庫や在庫不足、損傷の有無などを自動で検知し、リアルタイムに通知してくれるという。

2019年創業、本社はサンフランシスコ。Matter Venture Partners等から今回調達した$18.4Mは、サービスの拡大に活用する予定。

2.「グローバルロケーションデータ」dataPlor

日本語読み:データプラー
カテゴリ:SaaS/データ
ラウンド:Series B ($20.5M)
主な投資家:F-Prime Capital, APA Ventures, Acronym Venture Capital, Alumni Ventures, Spark Capital, Two Lanterns Venture Partners, dara5, ff Venture Capital

リアルタイムのロケーションデータプラットフォーム。

Point of Interest(POI)と呼ばれる、世界中のロケーションデータ(位置情報)に関するデータベースを提供するスタートアップ。250ヶ国、3.5億地点以上のリアルタイムのロケーションデータを収集するだけでなく、AIおよび機械学習、高度な画像認識、人間による検証を駆使することで、最新情報および正確性を担保しているという。すでに数十に及ぶグローバル企業を顧客に持ち、消費財メーカーの海外進出などに利用されている。

2017年創業、本社はカリフォルニア州マンハッタンビーチ。F-Prime Capital等から今回調達した$20.5Mは、製品ラインナップの拡大に活用する予定。

3.「ライブエンタメディスカバリー」Fever

日本語読み:フィーバー
カテゴリ:App/エンターテイメント
ラウンド:Series F-II ($100M)
主な投資家:L Catterton, Point72 Asset Management

ライブ・エンターテイメントのディスカバリープラットフォーム。

世界40ヶ国以上でライブ・エンタテイメント・ディスカバリー・プラットフォームを運営するエンタメテックスタートアップ。キャンドルの光に包まれながら生演奏を楽しむことができる「Candlelightコンサート」をはじめ、オリジナルイベントも数多く企画し、没入型の展示会やインタラクティブな劇場体験などもプロデュースしている。弊社も出資しており、日本における事業展開を全面支援する注目スタートアップ。

2014年創業、本社はニューヨーク。L Catterton等から今回調達した$100Mは、サービスの拡大に活用する予定。

4.「眼内装着治療レンズ」Spyglass Pharma

日本語読み:スパイグラスファーマ
カテゴリ:HW/医療機器
ラウンド:Series D ($75M)
主な投資家:Sands Capital, Gilde Healthcare, New Enterprise Associates, Samsara BioCapital, Vensana Capital, Vertex Ventures HC

緑内障患者向け眼内レンズの開発。

緑内障や他の慢性眼疾患向けに、眼内装着型の医療機器を開発するメディカルテックスタートアップ。緑内障や高眼圧症などの治療に用いられる薬剤(ビマトプロスト)を長期(3年間)にわたり標的組織に送り届け、治療を継続するための眼内レンズを開発している。現在、FDA認可の取得に向けて臨床試験が進められている。コロラド大学医学部からのスピンオフ。

2019年創業、本社はカリフォルニア州アリソビエホ。New Enterprise Associates等から今回調達した$75Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

5.「データセンター冷却装置」Green Revolution Cooling

日本語読み:グリーンレボリューションクーリング
カテゴリ:HW/データセンター
ラウンド:Series D (NA)
主な投資家:Samsung Ventures

データセンター向けの液浸冷却技術。

液体冷却剤を満たしたラックにサーバーを浸して直接冷却する「液浸冷却技術」を開発するクリーンテックスタートアップ。空気冷却などの従来のデータセンターの冷却に使われる電力消費量を最大90%削減し、電力消費に伴う水の使用量と二酸化炭素排出量も大幅に削減することが可能。特許取得済みの液浸冷却技術には環境に優しい冷却剤が使用されているという。

2009年創業、本社はテキサス州オースティン。Samsung Ventures等から今回調達した資金は、サービスの拡大に活用する予定。

ブログの更新情報をメールでお届けしています。

米国の注目スタートアップ情報 テックトレンド スクラムベンチャーズの投資先インタビュー
などをブログで発信しています。合わせてメールでもお届けしていますので、お気軽にご登録ください。

ニュースレター登録

でも情報発信しています。