今週の注目5社:バイオ綿栽培 / アジアフードEC / スマートマグカップ / 樹木葬 / スキンケア家電
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。
1.「バイオ綿栽培」GALY
[Biotechnology/サステナビリティ] GALY
Series A ($28.16M) Breakthrough Energy Ventures, and Kleiner Perkins Caufield & Byers
バイオテクノロジーを用いた綿栽培。
植物の幹細胞に直接働きかけ、最適な環境で培養することで高品質なコットン繊維へと成長させる技術の開発。綿栽培は通常180日間程度かかるが、培養することで18日間(約10分の1)で成長するという。さらに従来の綿栽培に比べて温室効果ガスの排出量を大幅に抑えることができるだけでなく、水と土地の利用も80%以上削減できるという。ビルゲイツのBreakthrough Energy Venturesも出資する注目スタートアップ。
2019年創業、本社はボストン。KPCB等から今回調達した$28.16Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
2.「アジアフードEC」Umamicart
[Commerce/フード] Umamicart
Seed VC ($6M) FJ Labs, Firstminute Capital, Gold House, Golden Ventures, M13, Picus Capital, and Starting Line
アジアフードに特化したECサービス。
新鮮な野菜や果物、お菓子に加え、薄切り肉や豆腐・米・麺など、アジア料理で使用する食材・調味料を厳選して販売するオンラインスーパーマーケット。自宅までデリバリーしてくれるため、遠くのアジア系スーパーまで買い物に行く必要がない。3月のローンチ以降、急成長を遂げており、現在では3000以上の商品を取り扱っているという。
2020年創業、本社はニューヨーク。FJ Labs等から今回調達した$6Mは、チームおよびサービスエリアの拡大に活用する予定。
3.「スマートマグカップ」Ember Technologies
[HW/フード] Ember Technologies
Series E ($23.5M) EDBI, and GOLDTek
温度調整が可能な保温機能付きマグカップ。
ヒーターとバッテリーが内蔵されたスタイリッシュなデザインが特徴のスマートマグメーカー。アプリと連携して好みの温度に設定可能なため、コーヒーなどの飲み物を一定時間保温できる。価格は$100〜。今後は温度制御が必要となる医薬品の輸送や授乳などのフェムテック市場の開拓を目指している。東南アジアにR&Dセンターも開設予定という。Foxconnグループの子会社であるGOLDTekTechnologyも出資している。
本社はウェストレイクビレッジ(カリフォルニア州)。EDBI等から今回調達した$23.5Mは、海外展開の加速に活用する予定。
4.「樹木葬」Better Place Forests
[Service/終活] Better Place Forests
Series B ($20M) DBL Partners, and True Ventures
遺灰を樹木に埋葬する終活スタートアップ。
火葬後の遺灰をお墓ではなく、自ら選んだ樹の下に撒いて埋葬するサービス。森林はBetter Place Forestsが所有・保護しており、記念碑となる樹木には遺族や友人がいつでも訪れられる仕組みで、ペットも埋葬できる。価格は樹木のサイズで異なるが、プランは$5,900〜用意され、樹木の所有権、セレモニーの費用、記念プレート、他のエリアでの50本の植樹などが含まれており、死後も自然保護活動に貢献できる。
2015年創業、本社はサンフランシスコ。True Ventures等から今回調達した$20Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
5.「スキンケア家電」Droplette
[HW/ビューティー] Droplette
Series B ($15.45M) Amplifyher Ventures, Bolt Capital, Spark Capital, and Victress Capital
スキンケア家電を開発するビューティーテックスタートアップ。
デバイスから放出される超微細なマイクロミストを約1分程度、顔にあてるだけで在宅でのスキンケアが可能。針を使用せずに、従来のスキンケア製品よりも約20倍皮膚の奥深くに有効成分を注入することができるという。アプリとも連携し、デバイスのアップデート、美容の進行状況もトラッキングできる。価格は$299〜。国立衛生研究所からも資金提供を受けている。
2017年創業、本社はボストン。Spark Capital等から今回調達した$15.45Mは、サービスの拡大に活用する予定。
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