今週の注目5社:ビデオ会議 / デリバリードローン / バイトマーケットプレイス / 衛星データ解析 / お笑いラジオ
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「ビデオ会議」Zoom
[Service/コミュニケーション] Zoom Video Communications
Series D ($100M) AME Cloud Ventures, Qualcomm Ventures and Sequoia Capital
「ビデオ会議」サービス。
高品質かつ高機能なビデオ会議サービス。少人数での会議から50人が同時にインタラクティブにやり取りができるWebinarも可能。プラットフォーム戦略を取っており、外部の開発者がアプリを開発することもできる。45万社、5,800の教育機関に利用されているという。基本的な機能は無料。Webinarなどの機能を利用する場合は有料(月額$14.99〜)。
2011年にWebExの創業者らが創業。社員は400人。すでに黒字化を達成しているという。今回、時価総額$1Bの評価で新たに100M調達した。
2.「デリバリードローン」Flirtey
[HW/ドローン] Flirtey
Series A ($16M) Lowercase Capital, World Innovation Lab and Y Combinator
「配送用ドローン」開発スタートアップ。
2015年に米国で初めて、FAAからドローンデリバリーの認可を取得。昨年、ネバダ州で7/11から砂漠に食事をデリバリーをするテストをするなどして話題を集めている。また、ニュージーランドでは、ドミノピザと組んで、ピザの配達も行なっている。代表的な機体は、6つの羽と2つのバッテリーを搭載するタイプで、一つが故障しても飛び続けられる設計となっている。
今回の調達した資金は、実証実験の継続のために投入される。まずは米国、そしてニュージーランド、日本などにも展開を予定しているという。
3.「バイトマーケットプレイス」ShiftGig
[Service/人材] ShiftGig
Series C ($20M) GGV Capital, KDWC Ventures and William Blair Capital Partners
「アルバイト」採用、管理のマーケットプレイス。
ファストフード、ホテル、飲食店、物流、倉庫などアルバイトを活用している企業が、必要な人数と時間帯を入力すると、その条件で働けるアルバイト人材とマッチングされる。ちょっとした空きシフトを埋める時やイベントで大量のアルバイトが必要な時などに活用されている。人材に関しては、ShiftGigで独自のバックグラウンドチェックやレイティングなどを行なっている。
2012年創業。現在、全米50州で1,500社、1.5万人に利用されている。今回の資金調達で時価総額は$150Mとなっている。現在従業員は200人で、今年100名増員予定だという。
4.「衛星データ解析」TellusLabs
[Saas/データ]
Seed VC ($3.1M) Founder Collective, Hyperplane Venture Capital, IA Ventures
衛星の映像データを解析し、「農作物の収量などを予測」するソリューション。
最新の高精細衛星画像を用いて、貨物船の位置から石油の供給トレンドを予測したり、ショッピングセンターに止まっている車の数から店舗の売り上げを予測するというスタートアップも出てきているが、TellusLabsは画質が低くても長年の蓄積がデータある衛星を使うというアプローチを取っている。ベータ版では、トウモロコシと大豆の収量予測を行い、USDAの予測と1%しか違わないという精度の高い結果が得られているという。
2016年Bostonで創業。今回調達した資金で、対象とする作物、エリアの拡大を行うという。
5.「お笑いラジオ」Laugh.ly
[Content/コメディ]
Seed VC ($2.25M) Accelerator Ventures, Social Capital, Treehouse Capital
コメディの「音声ストリーミング」アプリ。
650人を超える有名コメディアンのコメディが聞けるアプリ。アプリは無料。利用者は、自分の好きなコメディアンのラジオ局が作れる。平均聴視時間は60分。有料のプレミア会員は、オフライン聴視、広告なしが可能。
2016年8月にローンチ。創業者のDave Scottは、Eコマースなどのシリアルアントレプレナーであり、コメディアン。現在20万ユーザ。今回調達した資金はエンジニアの採用に当てるという。