今週の注目5社:老化診断キット / 次世代バイオディフェンス / 自律飛行ドローン消防士 / がん治療食事プログラム / 健康寿命延伸薬
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「老化診断キット」Generation Lab

日本語読み:ジェネレーションラボ
カテゴリ:Biotechnology/ヘルスケア
ラウンド:Seed VC ($11M)
主な投資家:Accel, Aoki Labs, Build Your Legacy Ventures, Markham Valley Ventures, Samsung NEXT, Zone 2 Partners
体内年齢を測定する老化診断キット。
在宅での血液採取により、生物学的な体内年齢を診断するエピジェネティックテストを開発するヘルスケアテックスタートアップ。「SystemAge」と呼ばれ、460のバイオマーカーを通じて、脳の認知機能や心臓、生殖、免疫、代謝など19の臓器やシステムの体内年齢を測定可能。検査結果をもとに、若返りを図るパーソナライズされたプランも提示してくれる。価格は499ドル。発売からわずか一年で、275以上のクリニックと契約を交わしている。
2023年創業、本社はサンフランシスコ。Accel等から今回調達した$11Mは、サービスの拡大に活用する予定。
2.「次世代バイオディフェンス」Valthos

日本語読み:バルトス
カテゴリ:Biotechnology/防衛
ラウンド:Series A ($30M)
主な投資家:Founders Fund, Lux Capital, OpenAI Startup Fund
AIを活用した次世代バイオディフェンス。
AIを活用し、生物兵器による攻撃や脅威を防御するための次世代バイオディフェンス(セキュリティ)プラットフォームを開発する防衛テックスタートアップ。病原体の出現をはじめとする生物学的脅威を即座に検知し、医療対策をリアルタイムに設計することで迅速かつ正確な対応が可能という。PalantirやDeepMindの出身メンバーが創業者に名を連ね、OpenAIも出資する注目スタートアップ。
2024年創業、本社はニューヨーク。Founders Fund等から今回調達した$30Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
3.「自律飛行ドローン消防士」Seneca

日本語読み:セネカ
カテゴリ:HW/ドローン
ラウンド:Series A ($60M)
主な投資家:Caffeinated Capital, Convective Capital, Advance Venture Partners, Bullpen Capital, DCVC, First Round Capital, Fritz Lanman, Good Friends, MHS Capital, NextView Ventures, Offline Ventures, Roar Venture, Slow Ventures, Stepstone Group, Transition
自律飛行する消火ドローンの開発。
ロボット工学およびAIを駆使し、自律飛行しながら消火活動を行うドローン消防士を開発するスタートアップ。火災を検知すると現場まで急行し、高い水圧で正確に標的を消火するという。また、上空からの映像で火災現場の状況も安全に確認できる。アクセスが困難な地形における初期火災の確認や鎮圧から、大規模火災発生時の消火活動まで、様々な状況に対応可能。2026年の現場導入に向けて現在開発が進められている。
2024年創業、本社はサンフランシスコ。Caffeinated Capital等から今回調達した$60Mは、新機能の開発および生産能力拡大に活用する予定。
4.「がん治療食事プログラム」Faeth Therapeutics

日本語読み:フェイスセラピューティクス
カテゴリ:Biotechnology/ヘルスケア
ラウンド:Series B ($25M)
主な投資家:S2G Investments, Avicella Capital, B Capital, Cantos, Digitalis Ventures, Future Ventures, KdT Ventures, Khosla Ventures, THO SeedFund
がん治療のための食事コントロールプログラム。
がん患者が摂取する食事(栄養成分)をコントロールすることで、がん細胞の機能を低下させる新たながん治療法を開発するバイオテックスタートアップ。がんの種類に応じて、パーソナライズされた食事が届けられる仕組み。また、アプリを介して専属の栄養士によるオンデマンドサポートも提供し、がん細胞の代謝を阻害することにより治療効果を高めるという。現在、子宮内膜がんの治療を重点的に進めている。
2019年創業、本社はテキサス州オースティン。S2G Investments等から今回調達した$25Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
5.「健康寿命延伸薬」NewLimit

日本語読み:ニューリミット
カテゴリ:Biotechnology/DNA
ラウンド:Series B-II ($45M)
主な投資家:Abstract, Boost VC, DUMAC, Dimension, Eli Lilly and Company, Human Capital, Kleiner Perkins, Section 32
健康寿命を延ばす新薬の開発。
エピゲノムを再プログラム化することで、老化細胞の機能を回復させる医薬品を開発するバイオテックスタートアップ。人間の細胞内の特定タンパク質に焦点を当て、再プログラム化することで老化の影響を抑制することを目指すという。現在、肝細胞を再プログラム化する新薬の開発を進めている。Coinbase CEOのBrian Armstrongが創業したことでも注目されている。今回の資金調達によるバリュエーションは16億ドルと、ユニコーン企業の仲間入り。
2021年創業、本社はカリフォルニア州サウスサンフランシスコ。Abstract等から今回調達した$45Mは、引き続き開発費用に活用する予定。









