今週の注目5社:超低周波音防火システム / 若者向けメンタルヘルスケア / バイタルモニタリング / AIアプリ開発 / 次世代ニッケル抽出

October 30, 2025 Article-Show on Top-ja 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「超低周波音防火システム」Sonic Fire Tech

日本語読み:ソニックファイヤーテック
カテゴリ:HW/防災
ラウンド:Seed VC ($3.5M)
主な投資家:AirAngels, Khosla Ventures, Third Sphere

超低周波音を利用した防火(消火)システム。

山火事の危険性が高い地域の住宅向けに、超低周波音を利用した防火(消火)システムを開発するスタートアップ。元NASAの音響エンジニアが開発した特許技術で、水や化学薬品を使用せずに、人間の耳には聞こえない低周波音を用いて消火する環境にも優しく損害も発生しない防火ソリューション。初期段階の火災を鎮火させることで、大規模な山火事に発展するのを防ぐことが可能という。

2019年創業、本社はオハイオ州ロッキー・リバー。Khosla Ventures等から今回調達した$3.5Mは、サービスの拡大に活用する予定。

2.「若者向けメンタルヘルスケア」Marble Health

日本語読み:マーブルヘルス
カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Series A-II ($15.5M)
主な投資家:Costanoa Ventures, Khosla Ventures, Town Hall Ventures

若者向けのメンタルヘルスケアサービス。

若者向けにパーソナライズされたメンタルヘルスケアサービスを提供するスタートアップ。学校(スクールカウンセラー)と直接連携し、サポートを必要とする生徒と資格を持つセラピストを迅速に繋げる仕組み。コラボレーション機能を通じて、カウンセラー・保護者・セラピストがリアルタイムに知見も共有できるという。成人向けメンタルヘルスケアサービスを手掛ける「Headway」の創業者らが設立したことでも注目されている。

2024年創業、本社はニューヨーク。Costanoa Ventures等から今回調達した$15.5Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

3.「バイタルモニタリング」Sibel Health

日本語読み:シベルヘルス
カテゴリ:HW/ヘルスケア
ラウンド:Series C-II ($9M)
主な投資家:Maruho, Samsung NEXT, Tim Sullivan

バイタルデータを常時モニタリングするウェアラブルデバイス。

新生児や妊婦、成人向けにウェアラブルセンシング技術を用いて、リアルタイムのバイタルデータを提供するワイヤレスデバイスを開発するヘルスケアテックスタートアップ。FDA認可済みで、動脈血酸素飽和度や脈拍数、皮膚温度を測定する「Anne Limb」と、心電図・心拍数・皮膚温度・呼吸数・体位・転倒検知・歩数などをモニタリングする「Anne Chest」の2つのデバイスを開発している。Northwestern大学からのスピンアウト。

2018年創業、本社はシカゴ。Samsung NEXT等から今回調達した$9Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

4.「AIアプリ開発」Woz

日本語読み:ウォズ
カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Seed VC ($6M)
主な投資家:Cervin Ventures, Burst Capital, MGV Capital, Untapped Ventures, Y Combinator

ビジネス対応のモバイルアプリ開発プラットフォーム。

アプリの内容を説明するだけでコーディングなしでも簡単にビジネス対応のモバイルアプリを構築できるプラットフォームを提供するAIスタートアップ。AIおよび必要に応じてWozの専門家が介入することで、常に信頼性が高く高品質なビジネス対応アプリの開発が可能。App Storeへのリリース後も継続的なサポートが受けられるという。Y Combinatorが主催する2025年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。

2024年創業、本社はサンフランシスコ。Cervin Ventures等から今回調達した$6Mは、チームの拡大および製品開発に活用する予定。

5.「次世代ニッケル抽出」BANiQL

日本語読み:バニキューエル
カテゴリ:HW/資源
ラウンド:Seed VC-II (NA)
主な投資家:500 Global, BEENEXT, Genesia Ventures

次世代ニッケル抽出プロセスの開発。

リチウムイオン電池の製造に使用するニッケル・コバルトを環境に配慮した手法で効率的に抽出する技術を開発するマテリアルテックスタートアップ。従来の高温・高圧に代わる独自の抽出方法により、水やエネルギーの使用量を削減しながら、金属廃棄物や低品位のニッケル鉱石から高品質のニッケルを抽出することが可能。また、残った材料は肥料や建設資材などに再利用することができ、有害廃棄物の排出量を実質ゼロに抑えることができるという。

2021年創業、本社はカリフォルニア州サンノゼ。500 Global等から今回調達した資金は、引き続き開発費用に活用する予定。

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