今週の注目5社:宇宙資源開発 / 高級培養肉 / 高速液体3Dプリンター / グリーフケアアプリ / 入札式配車アプリ

March 27, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「宇宙資源開発」Interlune

カテゴリ:HW/スペーステック
ラウンド:Seed VC-II ($15M)
主な投資家:Seven Seven Six, Aurelia Foundry, Gaingels, Liquid 2 Ventures, Shasta Ventures

天然資源を宇宙から採取する技術。

ヘリウム3(He-3)を豊富に存在する月の土壌から採取する技術を開発するスペーステックスタートアップ。地球上では希少なヘリウム3は量子コンピューターの冷却剤や核融合の燃料、肺画像診断など多岐に渡る用途で必要とされている。最初の探査ミッションは早ければ2026年に開始され、商業運用は2030年代を目指しているという。Blue Originの幹部らが創業したことでも注目されている。

2020年創業、本社はシアトル。Seven Seven Six等から今回調達した$15Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「高級培養肉」Orbillion

カテゴリ:Biotechnology/フード
ラウンド:Seed VC-II (N/A)
主な投資家:At One Ventures, The Venture Collective, Metaplanet, Y Combinator

高級培養肉の開発。

独自の技術で、和牛やヘラジカ、子羊の細胞株から高級培養肉を開発するフードテックスタートアップ。設備投資の必要性を40%削減しながら、従来の牛肉と同等の価格で販売することを目指している。すでに高級肉を取り扱うオランダのLuiten Foodなどと提携している。Y Combinatorが主催する2021年冬のバッチにも採択された注目スタートアップ。

2019年創業、本社はカリフォルニア州フリーモント。At One Ventures等から今回調達した資金は、開発費用および生産規模の拡大に活用する予定。

3.「高速液体3Dプリンター」Rapid Liquid Print

カテゴリ:HW/3Dプリンター
ラウンド:Series A ($5M)
主な投資家:BMW i Ventures

液体(ゲル)を利用した高速3Dプリンター。

ロボットアームの先端からゴムやシリコン、プラスチックなどの工業用材料を液体(ゲル)内に注入し、硬化させることで物体を製造する3Dプリンター。大型で気密性が高く、柔らかい伸縮性のある高品質な製品を数分で製造できるという。最小限の後処理で使用でき、医療機器や家庭用品、家具、航空、自動車部品などへの利用が期待されている。MITからのスピンオフ。

2018年創業、本社はマサチューセッツ州ミルトン。BMW i Ventures等から今回調達した$5Mは、サービスの拡大に活用する予定。

4.「グリーフケアアプリ」Empathy

カテゴリ:App/ヘルスケア
ラウンド:Series B ($47M)
主な投資家:Index Ventures, Allianz, Brewer Lane Ventures, Entree Capital, General Catalyst, Latitude, MassMutual Ventures, MetLife Digital Ventures, Mitsui Sumitomo Insurance, New York Life Ventures, Securian Financial

パーソナル遺族アシスタントアプリ。

突然の死別により遺族が対処しなければならないタスクを管理し、必要に応じて専門家からアドバイスがもらえるアプリ。葬儀の手配や財産および遺品の整理、銀行口座や借金対応、SNSアカウントの閉鎖などを管理できる。ケアマネージャーが喪失感などのメンタルケアにも対応してくれる。すでに500万人以上に利用され、2023年の売上高は昨年対比4倍と急成長している。Allianz、MetLife、三井住友生命などの大手保険会社から資金を調達している。

2021年創業、本社はニューヨーク。Index Ventures等から今回調達した$47Mは、サービスの拡大に活用する予定。

5.「入札式配車アプリ」inDrive

カテゴリ:App/モビリティ
ラウンド:Series C-II ($150M)
主な投資家:General Catalyst

入札方式の配車アプリ。

ユーザーは乗車場所と目的地を設定し、移動区間の料金を自分で設定できる配車アプリ。ドライバーの評価やこれまでの乗車回数、価格を鑑み、乗客がドライバーを選択できる。配車サービスに加えて、貨物の配送や宅急便など様々なサービスを展開し、すでに46か国以上・750都市で利用されている。直近ではドライバーに貸付を行う金融サービスも開始している。すでにユニコーン企業の仲間入りを果たしている。

2013年創業、本社はカリフォルニア州マウンテンビュー。General Catalyst等から今回調達した$150Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

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