今週の注目5社:3Dプリンタ工場 / 食品D2C / アプリ間連携 / センチメント分析 / アドブロッカーブロッカー

February 2, 2017 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「3Dプリンタ工場」Voodoo Manufacturing

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[Service/3Dプリンタ] Voodoo Manufacturing
Seed VC ($1.4M) KPCB Edge and Y Combinator

「大量の3Dプリンター」を活用した工場。

大量に同じ部品や製品を3Dプリントしたいというニーズに応え、短時間で印刷、納品する工場。現在、160台の3Dプリンターをソフトウェアによって接続し、印刷業務を請け負っている。すでにMattell、Microsoftなどの大手企業を中心に、1,200社の顧客がいるという。

2015年5月創業。元々は大手3DプリンタメーカーMakerbot内のBotfarmsというプロジェクトからスタートした。

2.「食品D2C」Hungryroot

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[Commerce/食品] Hungryroot
Series A-II ($7.7M) Crosslink Capital, Lerer Hippeau Ventures and Lightspeed Venture Partners

野菜をベースにした健康食品メーカー。

ひよこ豆のクッキー生地、サツマイモのパスタ、人参のパッタイなど、健康によい野菜ベースの食品を製造販売している。 従来の食品メーカーのように他社の流通に頼るのではなく、基本的に自社のサイトでのみ販売している。クリック率、リピート率、フィードバックなどを参考にしながら、商品の名称、コンセプト、成分さえも頻繁に変更していくという。現在は、WholeFoodsでも販売しているが、オンラインでのデータをもとに、棚の位置やディスプレイまで細かくアドバイスしているという。

2015年設立。現在、基本口コミのみで、年間100万アイテムを販売するまでに成長している。今回調達した資金は社員の採用とマーケティングにあてるという。

3.「アプリ間連携」Button

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[Ad/モバイル] Button
Series B ($20M) DCM Ventures, Greycroft Partners, Norwest Venture Partners and Redpoint Ventures

外部の「アプリとの連携」のためのプラットフォーム。

ディープリンク技術を活用し、様々なモバイルアプリとのアフィリエイトネットワークを構築している。例えば、自社のアプリに、Uberの配車予約を組み込んだり、Open Tableのレストラン予約を組み込んだりということが容易に可能となる。対応アプリは旅行予約、チケット予約、コマースなど多岐にわたる。

本社はNY、従業員は約40名。現時点で黒字化はしていないが、売上高は数千万ドルにのぼるという。今回調達した資金は、サービスの拡大およびアジアやヨーロッパでの事業拡大に活用する予定。

4.「センチメント分析」Prattle

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[Saas/Data] Prattle
Seed VC ($3.3M) Correlation Ventures, GCM Grosvenor, New Enterprise Associates and Plug and Play Ventures

「各国中央銀行の声明」を元にセンチメント分析結果を提供する。

約20カ国の中央銀行が発表する内容をリアルタイムで分析し、マーケット動向に関する定量的な予測データをアナリストやトレーダー等の金融の専門家に提供する。分析結果はポータルサイトやE-mail等を通じて提供される。

創業者はハーバード大学で博士号を取った著名な経済学者。大手ヘッジファンドであるGCMが今回のラウンドのリードインベスターを務める。調達した資金は、センチメント分析の強化に活用する予定。

5.「アドブロッカーブロッカー」Sourcepoint

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[Marketing/コンテンツ] Sourcepoint
Series B ($16M) Accel Partners, Foundry Group, Greycroft Partners, Northzone Ventures and Spark Capital

パブリッシャーに「広告に変わるマネタイズ」ソリューションを提供する。

最近増加しつつある広告削除ツール、いわゆるアドブロッカー対策として、ユーザに広告を見せるのではなく、月額課金や個別課金などのソリューションを提供する。広告削除ツールを使用するユーザーの分析結果も同時に提供している。AOLなど大手企業がすでに利用している。

本社はNY、元Googleの役員が創業。今回調達した資金、既存製品の事業拡大および、機能の追加に活用する予定。

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