今週の注目5社:製造現場ロボット / 車両個人情報管理 / 再生可能エネルギー貯蔵 / スタートアップコミュニティー / 農場炭素計測

September 1, 2021 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。

1.「製造現場ロボット」Rapid Robotics

[HW/ロボティクス] Rapid Robotics
Series B ($36.7M) Kleiner Perkins Caufield & Byers, Tiger Global Management, New Enterprise Associates, Greycroft, Bee Partners, and 468 Capital

製造現場の作業を自動化してくれるロボット。

パッド印刷や射出成形、熱転写など中小企業の製造現場で必要となる様々な作業を自動化してくれるロボットシステムの開発。特徴は、プログラミングやロボット工学に関する知識がなくても製造現場に数時間で導入できる点。RaaS (robotics as a service)と呼ばれ、年間$25,000(月額$2,100〜)でレンタルできる。コロナ禍におけるオペレーター不足を解消する手段として急成長中。今回の資金調達に伴うバリュエーションは$192.5M。

2019年創業、本社はサンフランシスコ。KPCB等から今回調達した$36.7Mは、チームの拡大に活用する予定。

2.「車両個人情報管理」Privacy4Cars

[SaaS/モビリティ] Privacy4Cars
Series A ($2.2M) FM Capital, and Automotive Ventures

車両に残された個人情報を削除できるアプリ。

電話帳やナビゲーションによる位置情報、自宅の住所、パスワードなど、車両に残された様々な個人情報を削除できるアプリの開発。ユーザーはアプリを無料で利用できる。コネクテッドカーの広がりによる個人情報の盗難・悪用など、ますます重要視される自動車業界のデータプライバシー保護に取り組むスタートアップ。

2014年創業。FM Capital等から今回調達した$2.2Mは、チームの拡大および海外展開の加速に活用する予定。

3.「再生可能エネルギー貯蔵」Malta

[HW/エネルギー] Malta
Series B-II ($10.9M) Breakthrough Energy Ventures

再生可能エネルギーを貯蔵する技術の開発。

風力や太陽光などの再生可能エネルギーを熱エネルギーに変換し、高温の溶融塩を入れた大型タンクに長期間保存する蓄電技術の開発。使用時には熱エネルギーを電力に再変換する。最大で200時間貯蔵でき、2024〜2025年を目処に大型プロジェクトを進めている。自動運転プロジェクト「Waymo」などと同様、Google Xからスピンアウトしたことでも知られている。

2018年創業、本社はケンブリッジ(マサチューセッツ州)。Breakthrough Energy Ventures等から今回調達した$10.9Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

4.「スタートアップコミュニティー」Launch House

[Others/コミュニティ] Launch House
Seed VC ($3M) Flybridge Capital Partners, Graph Ventures, Balaji Srinivasan, Day One Ventures, Alexia Bonatsos, and Mike Duboe

スタートアップコミュニティーを形成するコホートプログラム。

起業家やクリエイターが、対面およびオンラインプログラムを通じてスキルを磨き、生涯にわたる関係を構築できるコミュニティプログラム。事前に合格したメンバーがLaunch Houseが用意したレジデンスで4週間共同生活をしながら、新たなサービスを開発する仕組み。「Web3.0」や「Fintech」などのテーマが用意され、各プログラムに20名程度参加できるという。

2020年創業、本社はロサンゼルス。Flybridge Capital Partners等から今回調達した$3Mは、サービスの拡大に活用する予定。

5.「農場炭素計測」Regrow

[Service/農業] Regrow
Series A ($17M) Cargill, M12, AirTree Ventures, Main Sequence Ventures, The Grantham Foundation, Ajax Strategies, and Tenacious Ventures

農場向けの炭素計測プラットフォーム。

農場の二酸化炭素排出量を計測・モニタリング、報告、検証(MRV)するためのプラットフォーム。農家は管理する土壌をカーボンプログラムに登録し、当プラットフォームや衛星写真を利用してモニタリングすることで、炭素クレジットなどの結果を定量化することが可能。気候変動を農業から変革しようとするアグリテックスタートアップ。

2016年創業、本社はダーラム(ニューハンプシャー州)。Cargill等から今回調達した$17Mは、海外展開の加速に活用する予定。

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