今週の注目5社:尿検査アプリ / ナゲットD2C / 弁護士ボット / スマートミラー / 会議メモアプリ
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「尿検査アプリ」Vivoo
[App/ヘルスケア] Vivoo
Series A ($570K) 500 Startups, Ginco Investments, Gunung Sewu Group, Mindshift Capital, Techstars
自宅での尿検査で簡易に健康診断が受けられるアプリ。
ステック型の検査シートを使って尿検査(1週間に1度)をし、120秒後に専用アプリでスキャンするだけ。肝機能や腎機能、体内の水分量やタンパク質など、栄養状態や体調に関する8項目の健康診断を即座に受けられる。検査結果をもとに、食事や体調管理に関するパーソナライズされたアドバイスも同時に提供される仕組み。サブスクリプションモデルで価格は月額$14.9。
2017年創業、本社はパロアルト(カリフォルニア州)。500 Startups等から今回調達した$570Kは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
2.「ナゲットD2C」Nuggs
[Others/フード] Nuggs
Seed VC ($7M) ACME Capital, Greylock Partners, M Ventures, Maven Ventures, McCain Foods, NOMO Ventures and Rainfall Ventures
エンドウ豆を原料とする代替タンパク質を使ったナゲット。
タンパク質は動物性タンパク質の2倍、20%減の低カロリー、コレストロールゼロのピープロテインナゲット。卵、小麦、乳製品、大豆などの主要なアレルゲンも含まない。価格は1箱(40個入り)$24。ユーザーからのフィードバックを通じて、製品を常に改良するソフトウェア開発の仕組みも取り入れている。Casperの共同創業者であるNeil Parikhなども投資している注目のスタートアップ。
ビデオチャットアプリ「Monkey」など、19歳で既にシリアルアントレプレナーとして有名なBen Pasternakが創業、本社はニューヨーク。McCain Foods等から今回調達した$7Mは、引き続き販路拡大などに活用する予定。
3.「弁護士ボット」DoNotPay
[App/リーガル] DoNotPay
Series A ($4.6M) Coatue Management, Felicis Ventures, Founders Fund, Highland Capital Partners, Index Ventures and Tuesday Capital
法律書類を自動的に作成してくれるチャットボットアプリ。
AI(IBM Watson)を活用し、ユーザーはチャットボットと会話するだけで嘆願書などの法的書類を自動的に作成してくれるサービス。駐車違反切符への不服申し立てや、銀行からの手数料の不正請求など、1000種類以上の法的書類が作成可能。ローンチから2年足らずで25万件の駐車違反の異議を申し立て、うち16万件が取り消しに成功したという。創業者のJoshua BrowderはThiel Fellowにも選出されている。
2016年創業、本社はパロアルト(カリフォルニア州)。Founders Fund等から今回調達した$4.6Mは、新サービスの開発およびマーケットの拡大に活用する予定。
4.「スマートミラー」Pivot
[HW/フィットネス] Pivot (SmartSpot)
Series A ($17M) Bling Capital, DCM Ventures, Founders Fund, Khosla Ventures, SignalFire and Y Combinator
筋力トレーニング用のスマートミラー。
3Dセンサーと機械学習を組み合わせてユーザーのフォームをトラッキングし、効果的な筋力トレーニングをサポートしてくれる。例えば、スクワット時の姿勢が悪い場合や、角度がずれている場合などにアラートを出してくれる。これまでのジム向け(B2B)製品「SmartSpot」に加え、2019年秋には自宅用のスマートミラーも販売予定。グループで行うオンラインフィットネスクラスや他ユーザーとのソーシャル機能なども提供するという。販売価格は$2,000前後で、$39/月のサービスフィーが課金される。
2015年創業、本社はサンフランシスコ。DCM Ventures等から今回調達した$17Mは、消費者向け製品の販売拡大に活用する予定。
5.「会議メモアプリ」Kristalic
[App/アシスタント] Kristalic
Seed VC ($2M) 3Rodeo, Fairchild Fund, Moai Capital, Paul Stahura, Renegade Ventures and Sequoia Capital
会議中の会話を記録(文字化)し、整理・要約してくれるアプリ。
商談やミーティングなどの会議中の会話を1日を通じて記録し、重要事項を抽出して整理してくれるパーソナルメモリアプリ。例えば、会議での決定事項や顧客からの要望、今後のアクションなどの重要事項を箇条書きでまとめてくれる。既存のAirPodsやスマートフォンなどの音声記録機能で本サービスが利用できるという。現在、ベータ版をテスト中。
2018年創業、本社はケンブリッジ。Sequoia Capital等から今回調達した$2Mは、引き続き開発費用に活用する予定。