今週の注目5社:パーソナル医療データ / チャットメール / オンデマンド自動車保険 / マイクロ奨学金 / 割り勘アプリ

August 7, 2018 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「パーソナル医療データ」Ciitizen

[SaaS/ヘルスケア] Ciitizen
Seed VC ($3M) Andreessen Horowitz

個人のヘルスデータを収集・共有できるプラットフォーム。

特定の治療記録や遺伝子検査の結果など「ダークデータ」と呼ばれる孤立化した個人のヘルスケアデータを安全に収集・共有できるプラットフォーム。これらのデータを医師や研究者、他のケアチームと共有することで、がん患者などが潜在的な救命療法や関連する臨床試験にアクセスする可能性を高めることができる。a16zのバイオファンドからの投資としても注目を集めている。

アップルのヘルスケアチームのディレクターだったAnil Sethiが2017年に創業、本社はレッドウッドシティ(カリフォルニア州)。Andreessen Horowitz等から今回調達した$3Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「チャットメール」RedKix

[SaaS/チャット] RedKix
100M by Facebook

Eメールとチャットの利点を組み合わせたプラットフォーム。

メールアドレスを登録するだけで、ユーザー同士であれば通常のEメールがチャットルームに早変わりするアプリ。既読通知やタイピング中の通知なども実装されている。相手がRedkixのユーザーではない場合は、通常のメールとして送信される仕組み。今回の買収により、Facebookが2016年にリリースしたビジネス版SNS「Workplace」に組み込まれる予定。

2014年創業、イスラエル発のスタートアップ。今回Facebookによって買収された。買収額は非公表だが、$100M程度と言われている。

3.「オンデマンド自動車保険」MetroMile

[Service/保険] MetroMile
Series E ($90M) Australian Future Fund, Index Ventures, Intact Financial Corporation, New Enterprise Associates, Section 32 and Tokio Marine Holdings

「走行距離」に応じて課金される自動車保険。

Metromile Pulseという小型のワイヤレスデバイスを使って、自動車の走行距離を測定し、その距離に応じた保険料を支払う仕組み。月額29ドルの基本料に加えて、1マイル毎に課金される。ユーザーは、一年間で平均$611程度の保険料を削減可能。加えて、Metromile PulseのデータからAIを活用して事故発生時の状況を再現し、妥当と検証された場合は、保険金の支払いを自動的に行うことができる自動請求システム(AVA)を導入している。

2011年創業、本社はサンフランシスコ。東京海上グループやNew Enterprise Associates等から今回調達した$90Mは、サービスの拡大及びAIへの投資に活用する予定。

4.「マイクロ奨学金」Raise Labs

[Service/フィンテック] Raise Labs
Series B ($15M) Chan Zuckerberg Initiative, Salesforce Ventures, Strada Education Network and Teamworthy Ventures

高校生が在学中の活動実績に応じて少額の奨学金を得られるプラットフォーム。

成績優秀な高校生や、課外活動で特筆すべき成果を収めた生徒に対して、大学から少額の奨学金が提示される。例えば、成績でAを取ると一科目につき$1,000といった形で奨学金を受けられる仕組み。現在、25,000以上の高校で導入されており、ニューヨーク大学やカーネギーメロン大学など250以上の大学と提携している。高校生は年間平均$5,000の奨学金を受けられるとのこと。慈善事業に積極的に投資するChan Zuckerberg InitiativeやSalesforce Venturesも今回のラウンドに参加している。

2012年創業、本社はサンフランシスコ。Teamworthy Ventures等から今回調達した$15Mは、コミュニティカレッジへの拡大に活用する予定。

5.「割り勘アプリ」Splitwise

[Service/フィンテック] Splitwise
Series B ($3.8M) Bullpen Capital

グループでの複数回の支払をまとめて簡単に割り勘できるアプリ。

レストランでの支払といった一回きりの支払だけでなく、旅行先での交通費・食事代・宿泊代など、グループ間での複数回の支払も即座に計算してくれるアプリ。また、シェアハウスでルームメイトと家賃や水道・光熱費・備品などをシェアする際にも活用されており、月末に最終的に誰にいくら払えばいいかが一目でわかる。アプリは無料で使用でき、ミレニアム世代を中心に受け入れられている。

2011年創業、本社はプロビデンス(ロードアイランド州)。Bullpen Capital等から今回調達した$3.8Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

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