今週の注目5社:オンデマンド給与受取 / 格安ARヘッドセット / AI音声分析 / IoTセキュリティ / 遺伝子創薬

October 2, 2017 by Tak Miyata
Mira_prism

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「オンデマンド給与受取」Activehours

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[Service/給与支払] Activehours
Series B ($39M) Andreessen Horowitz, March Capital Partners, Matrix Partners and Ribbit Capital

リアルタイムの給与支払いを実現するアプリ。

支払日を待たずして好きなタイミングで給与が受け取れる。アプリをダウンロードし、給与口座の情報や勤務先を登録。実際に働いた時間を反映するだけで、必要な分だけ給与を口座に入金させることが可能。給与の支払時に手数料を一切取らない代わりに、ユーザーは受け取った給与額の0~15%($100以下)をチップとしてActivehoursに寄付することで、売上をあげる仕組み。既にApple、AT&T、Starbucks、Uberなど25,000社を超える企業の従業員が活用している。

創業は2012年、本社はパロアルト。Matrix Partner等から今回調達した$39Mはチームの大幅な拡大と製品開発の費用に活用するとのこと。

2.「格安ARヘッドセット」Mira Labs

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[HW/AR] Mira Labs
Seed VC-II ($1M) Greylock Partners

スマートフォンを挿入するだけARを体験できる低価格ヘッドセット。

プリズムと呼ばれるARヘッドセットを$99という低価格で提供予定(開発キットは2017年秋に、一般消費者には年末に出荷予定)。従来は、ARヘッドセットはMicrosoftのホロレンズが主流であったが、価格が約$3,000と高価であった。現在は、iPhone 6, 6S, 7, 8に対応しており、内蔵のセンサーを利用して動きを追跡するとのこと。付属のリモコンが手の動きを感知するため、シューティングゲームなどを楽しむことができる。

南カリフォルニア大学(USC)の3人の学生が2015年に創業、本社はロサンゼルス。Greylock Partners等から今回調達した$1Mは今秋に出荷予定の製品開発に活用するとのこと。

3.「AI音声分析」TalkIQ

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[Saas/音声] TalkIQ
Series A ($14M) Atomic Management, Scale Venture Partners, Salesforce, LINE

顧客との会話をリアルタイムで分析し、対応策を提案してくれるサービス。

営業やカスタマーサポートを始めとした顧客接点の70%が通話と言われているが、 その会話をリアルタイムで分析し、重要な発言や返答のガイドラインを通話中に提示してくれる。例えば、顧客が他社の低価格料金や製品の不満などのクレームに言及した場合、模範回答を具体的に提案してくれる。音声認識と自然言語処理を駆使し、独自開発した技術の認識エラー率はGoogleやIBM Watsonよりも低い8.8%とのこと。日本からはLINEが投資しており、注目を集めている。

創業は2014年、本社はサンフランシスコ。Salesforce等から今回調達した$14Mは新規顧客の獲得に活用するとのこと。

4.「IoTセキュリティ」Bastille Networks

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[Saas/セキュリティ] Bastille Networks
Series B ($27M) Ballentine Partners, Bessemer Venture Partners, Comcast Ventures, Keel Funds and Spinnaker Venture Partners

無線周波数を元にしたIoTデバイス向けのセキュリティーソフト。

IoTの広がりとともに無線を発する機器が増え(2020年までにIoTデバイスが世界で200億台以上になると言われている)、ハッキングといったセキュリティ上の問題が取り沙汰されている。 Bastille Networksのセキュリティーサービスは、上空の無線周波数を可視化することで、IoTデバイスが侵害されていないかを確かめることができる。GartnerのCool Venderにも選ばれているだけでなく、最近ではアメリカの国土安全保障省と契約を結んでおり、サービスの質の高さが伺える。

創業は2014年、本社はサンフランシスコ。Bessemer Venture Partners等から今回調達した$27Mは法人顧客の開拓費用として活用するとのこと。

5.「遺伝子創薬」LifeMine Therapeutics

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[Others/メディカル] LifeMine Therapeutics
Series A ($55M) Alexandria Venture Investments, ARCH Venture Partners, Blue Pool Capital, Boyu Capital, Foresite Capital Management, Google Ventures, Merck Ventures and WuXi Venture Fund

AIおよび合成生物学を組み合わせた新たな創薬技術。

カビの一種である真菌を用いた創薬技術で、これまでは治療が難しかった病気や重度の慢性疾患に対する新薬を開発する可能性を秘めている。既に新薬候補となるパイプラインも提供し始めており、迅速かつ革新的な創薬技術として注目されている。創業者のGregory Verdineはハーバード大学の教授で、生命科学者・起業家・投資家といった様々な顔を持つ。これまでにも複数の企業をナスダックに上場させたシリアルアントレプレナー。

創業は2016年、本社はマサチューセッツ州ケンブリッジ。WuXi Healthcare VenturesやGV等から今回調達した$55Mは引き続き研究開発費に活用するとのこと。

 

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