今週の注目5社:トップエンジニアマーケット / 子供専用ライドシェア / AR開発 / 食品原料解析 / 埋込型リウマチ治療デバイス

September 11, 2017 by Tak Miyata
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今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

 1.「トップエンジニアマーケット」Gigster

[Service/開発] Gigster
Series B ($20M) Adam D’Angelo, Andreessen Horowitz, Marc Benioff, Michael Jordan, Redpoint Ventures, Sound Ventures and Y Combinator

フリーランスのエンジニア向けマーケットプレース。

短期間のプロジェクトでエンジニアを探している企業と、トップ大学出身者や大手企業での経験を持つ有能なフリーランスのエンジニアをマッチングさせるプラットフォーム。現在、400名以上のエンジニア、200名以上のプロダクトマネージャー、100名以上のデザイナーを世界中に抱えており、顧客の要望に応じて、即座にチームを組成する。既にeBayやIBM、Google、Master Cardなど大企業を含めた1000社以上をクライアントに持ち、$100Kから$1Mの報酬を徴収する。登録しているエンジニアは、時給で$300以上 (年収$180K-$500K)稼ぐトップエンジニアもいるとのこと。今年度の売上は$50Mに到達すると推定されており、次のユニコーン企業になるのではないかと期待されている。SalesforceのMarc Benioffに加え、Micheal Jordan(バスケ選手)やAshton Kutcher(俳優)などが投資していることで注目を集めている。

2013年創業、本社はサンフランシスコ。Redpoint Ventures、Andreessen Horowitz等から今回調達した$20Mは、大企業の顧客開拓のために活用する予定。

2.「子供専用ライドシェア」Zum

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[Service/モビリティ] Zum
Series A ($5.5M) Sequoia Capital

子供専用のライドシェアサービス。

多忙な親向けに、同一家族の複数の子供を異なる目的地に送るサービス、複数家族の子供をまとめたライドシェアサービス、更に送迎前後の保育など、様々なサービスを提供している。デイリーでの使用だけでなく、指定曜日のみや一回きりの送迎などフレキシブルに対応してくれ、アプリで時間を予約するだけで、チャイルドシートを用意した上で迎えに来てくれる。子供専用のため、ドライバーは子供を対象とした3年以上の職務経験や、3年以上の安全運転のレコード等、非常に厳しい審査に合格した人のみが登録できる。既にベイエリアの800のスクールと提携しており、価格は$16の基本料金に加え、15分毎に$6ドル課金される。

2014年創業、本社はレッドウッドシティ。Sequoia Capitalから今回調達した$5.5Mはサービス地域の拡大及び、マーケティングやオペレーション、エンジニアの採用に活用するとのこと。

3.「AR開発」8th Wall

図2

[SaaS/AR] 8th Wall
Seed VC ($2.4M) Betaworks, Greylock Partners, Norwest Venture Partners, SV Angel, The Venture Reality Fund and Third Kind Venture Capital

モバイルARアプリ開発用のクロスプラットフォーム。

スマホ向けARアプリを開発する際に、プラットフォームを横断で開発することができる。例えば、iOS向け開発ツールのARkitやAndroid向けのTangoとシームレスに統合でき、開発環境はエンジニアの多くが使用するUnityをベースにしているため、使い勝手も良い。現存するスマートフォンの90%で使える技術となっている。

元Facebookやグーグルのエンジニアによって2016年に創業、本社はパロアルト。Norwest Venture Partners等から今回調達した$2.4Mは引き続き開発費用として活用する予定で、対応可能な機種を増やしたいとのこと。

4.「食品原料解析」Clear Labs

図3

[Saas/食品]Clear Labs
Series C ($16M) Felicis Ventures, Google Ventures, Khosla Ventures, Tencent Holdings and Wing Venture Capital Incubator/Accelerator

遺伝子解析技術を活用した食品の原料調査サービス。

アメリカでは、食品偽装問題が年々深刻になっているが、既に医療業界で活用されている遺伝子解析技術を食品業界に取り入れ、食品メーカーや小売業者向けに汚染食品の使用有無や、材料の不正がないかをチェックするサービスを提供している。既に、食品メーカーなどから提供された食品サンプルを分析し、植物・食品の品種、細菌、微生物、遺伝子組み換え食品等、合計約200万品目が特定できる遺伝子配列データベースを構築している。年間約4800万人が食品偽装が原因で病気になっているアメリカで、 食品の安全性向上が期待されている。

2014年創業、本社はメンローパーク。Google VenturesやKhosla Ventures等から今回調達した$16Mは、引き続き独自システム であるNGS(next-generation sequencing)の開発費用として活用する予定。

5.「埋込型リウマチ治療デバイス」SetPoint Medical

図4

[Others/ヘルスケア] SetPoint Medical
Series D ($30M) Action Potential Venture Capital, Boston Scientific Corporation, Medtronic, Morgenthaler Ventures, New Enterprise Associates and Topspin Partners

関節リウマチやクローン病等の炎症疾患を軽減する体内埋め込み型デバイス。

従来の治療方法である注射や薬の服用は、高額かつ副作用がある上、すべての患者に対して有効な手段とは言い難かった。小型(硬貨サイズ)の体内埋込型電子デバイスは、迷走神経に電気刺激を伝達して炎症を緩和させる。埋込後、10年間交換する必要がなく、一人一人の病状に即した形で、安全に治療ができるとのこと。また、医療コストもこれまでの半額以下に削減でき、薬物治療に代わる新たなデバイスとして期待されている。

2006年創業、本社はサンタクラリタ。NEA等から今回調達した$30Mは、引き続き関節リウマチ用製品の開発費用として活用する予定。

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